「君が心をくれたから」スタイリストに聞いた“赤色”の解釈の仕方 太陽(山田裕貴)の衣装に隠された雨(永野芽郁)への想いとは<インタビュー>
2024.03.11 17:00
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女優の永野芽郁が主演を務め、俳優の山田裕貴が共演するフジテレビ系月9ドラマ『君が心をくれたから』(毎週月曜よる9時~)。今回モデルプレスでは、永野のスタイリングを担当する道端亜未氏、山田のスタイリングを担当する嶋崎槙人氏にインタビューし、ファッションのポイントや衣装に込めた想いを語ってもらった。
永野芽郁主演「君が心をくれたから」
今作は、主人公・逢原雨(永野)が、かつて心を通わせた男性・朝野太陽(山田)のために自分の“心”を差し出す宿命を背負うことから始まる、“過酷な奇跡”が引き起こすファンタジーラブストーリー。回を重ねるごとに“何かを失っていく残酷さ”が増す一方、2人の純愛は深まるばかり。そんな新しいラブストーリーが描かれる中に、雨と太陽の空気感に合った温かみのあるファッションが、舞台となるノスタルジックで幻想的な雰囲気に満ちた長崎とマッチするとともに、物語の邪魔をすることなく彼女たちの“日常”を彩っている。2人のファッションのポイントとは?
雨(永野芽郁)&太陽(山田裕貴)、スタイリングで意識していること
― まずは、雨と太陽のファッションのテーマ・スタイリングのコンセプトを教えてください。道端:現在の時間軸で雨のスタイリングの軸にあるのは、「カジュアルなトラッド」スタイルです。また、お芝居の邪魔にならないスタイリングにすることをいつも意識しています。本作は雨と太陽の切ないラブストーリーなので、2人のやりとりに視聴者の皆さまが集中していただけるといいなと思い、“可愛いスタイリングだけど、出しゃばらない”ことを意識しました。
嶋崎:太陽の衣装でテーマとして大事にしていることは、タフさと動きやすさ、着やすさです。花火師をしている太陽にとっての洋服選びは、“着飾るファッション”がメインではなく、太陽としてもそんなに気を遣っているキャラクターではないのかなと思います。だから、動きやすさを意識した、ワーク系の丈夫な生地の服やアウトドアっぽさ、機能性を重視した仕事をしやすい衣装にしています。
― 高校時代と現在の2つの時間軸が描かれていますが、それぞれで違いを意識した部分はありますか?
道端:基本的に高校時代も現在もロングスカートを好む女の子にしています。変化としては私服・部屋着共に「柄」と「素材」です。高校時代は、きっと古着屋で購入したのだろうなという柄や、コットン素材のトレーナーを多く使用し、現在は、トラッドスタイルを象徴するチェック柄や、暖かみのあるニットを組み合わせることを意識しました。
嶋崎:衣装合わせでは現在の衣装を先に決めたので、その逆算で、高校時代はより幼く見えるようなプリント物や柄物を、スウェットにしてもフーディーの物を意識して選びました。
太陽(山田裕貴)の衣装に隠された雨(永野芽郁)への“想い”
― 雨と太陽が2人で並んだとき、色味やアイテムなどのバランスや視聴者からの見え方として考えていることはありますか?道端:特に意識はしていません。第1話の眼鏡橋での高校時代のシーンの私服衣装は、こちらでいくつか用意をしたものから松山(博昭)監督が緑のチェック柄を選ばれました。「雨と太陽、2人ともチェック柄」というのは松山監督の狙いの演出になります。
嶋崎:全体の衣装バランスを見たときにそれぞれのキャラクターの色味はとても重要だと思います。はじめの衣装打ち合わせで松山監督に「優しい色味にしてほしい」とオーダーを受けました。雨ちゃんを包み込むような優しい色合いを考えたことから、太陽は暖色系のトーンが多いかと思います。その中でもグリーンのダウンや、ブルーのデニムカバーオールのようなナチュラルに溶け込む差し色を入れています。
― 落ち着いた色味が中心となっている中で、時折登場する色物が入ったスタイリングが印象的です。そんな中、第4話の雨と太陽の観覧車シーンは、2人にとってとても大事な場面であり、SNS上でも特に視聴者からの反響が大きかったシーンだと思いますが、同シーンでの2人のファッションのポイントや、衣装に込めた想いなどがありましたら教えてください。
道端:色味で登場人物の心情とリンクさせようと意識することはあまりないです。大事なシーンだからといって、衣装で何か狙うことはしていなくて、視聴者の皆さんが2人のお芝居に集中できるようにと考えています。どのシーンも人によって受け止め方が様々だと思いますので、それを限定してしまうようなスタイリングはしないようにしています。
嶋崎:雨ちゃんが太陽の上着のボタンを取るという回だったので、ボタンが少し大きめで印象的なものにしました。また、嗅覚を失う回でもあるので、普段の花火工場の仕事場にも着て行けるアウターをメインにスタイリングを組みました。
「君ここ」“赤色”に対する一つの解釈の仕方とは
― 赤色の傘をはじめ、雨が奇跡を選択したときの赤色のニット、母と再会するときの赤色のコート、そして太陽は“赤色が見えない”…と、同作では赤を連想することが多くありますが、なにか意味があるのでしょうか?道端:「赤」と台本に書かれているシーンもあり、松山監督から「赤色のコートもどこかで入れたいな」と言われたこともありますが、特別大きな意味や裏設定があるわけではないと思います。ただ、「伝えたいことが伝わらない」という残酷な事実の暗喩として太陽には認識できない赤が入っている、という受け止め方などはあっても面白いと思います。
山田裕貴のアイディアで生まれた太陽の衣装
― 永野さん、山田さんだからこそ取り入れているアイテムやコーディネートのポイントがありましたら教えてください。道端:「可愛く見える」というのは大前提にあります。
嶋崎:山田さんだからといって特別意識したことはないです。
― 永野さん、山田さんと衣装について話し合ったことやご本人の意見が反映されている部分はありますか?
道端:永野さんご本人から衣装について特に強い要望はありませんでした。私生活ではファッションが好きだと伺っておりましたが、役とご自身の間に明確に線引きをされているのだと感じました。
嶋崎:太陽のメインアウターの一つにデニムのカバーオールがあるのですが、衣装合わせのとき、山田さんご本人から「こういうガバッと羽織れるのがいいんじゃないですか?」と意見をいただきました。古着なので、袖口もボロボロ、裏地もペラペラになってかなり着込んでいるアイテムなのですが、太陽のキャラにもマッチしているし、山田さんにもお似合いなアイテムだと思うのでとても気に入っています。ただ少し薄手なので中盤からあまり登場していないのが残念です。
雨(永野芽郁)の小物に取り入れた “遊び心”・太陽(山田裕貴)コーデのポイント
― 読者が真似しやすい雨と太陽のコーディネートのポイントを教えてください。道端:それぞれのアイテムの丈感のバランスとトップスのレイヤードです。スカートの裾からのぞく靴下の見え方や、ニットの裾から出るシャツの分量。また、鞄と靴の色味は必ず合わせて、色味の統一感を意識しています。第5話からマフラーも投入しているのですが、実は巻き方も一通りではなく、遊んでいるので、真似してみてください。
嶋崎:全体的に特に難しいコーディネートではないと思うので誰でも真似しやすいかと思います。強いて言うのであれば、全体のトーンが暗くならないようにすることと、トップス、ボトムスの色味をどちらも明るめにするのではなく、どちらかは濃い色味を持ってくるとコーディネートが締まるので、より太陽らしいコーディネートになると思います。
― 貴重なお話をありがとうございました。
(modelpress編集部)
「君が心をくれたから」第10話あらすじ
逢原雨(永野芽郁)は、朝野太陽(山田裕貴)から嬉しい報告を受ける。桜まつりの花火大会で打ち上げる花火の審査に、合格したのだ。トップバッターが太陽の父・陽平(遠藤憲一)で、太陽の花火はその次だという。大喜びした雨は、どんな花火にしたのかと尋ねた。すると太陽は、当日までのお楽しみ、としながらも、「俺の人生で一番大切だった十秒間かな」と返す。桜まつり当日。雨は、望田司(白洲迅)に頼み、母・霞美(真飛聖)が入院している病院まで車を出してもらう。やってきた雨が杖をついていることに驚く霞美。雨は、触覚を失い、もうすぐ視覚も失ってしまうことを霞美に打ち明ける。雨のために何もできない、と泣きじゃくる霞美に「お母さんの笑顔が見たい」と頼む雨。
花火大会の会場では、太陽たち朝野煙火工業の面々が打ち上げの準備を進めていた。離れた場所でその様子を見つめていた千秋(松本若菜)は、美術館で「自分の人生は今日この瞬間のためにあったのかもしれない」と言っていた日下(斎藤工)の言葉を借り、太陽の作った花火を見届けることができたらもう思い残すことはない、と日下に伝える。
雨は、霞美と別れて司とともに花火大会の会場へと向かう。だが会場では、次第に分厚い雲が広がり、強い風が吹き始めていた…。
【Not Sponsored 記事】
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