峯岸みなみ、自分を否定し続けた過去・AKB48時代の立ち位置の葛藤…ネガティブな自分を乗り越えた秘訣に迫る<モデルプレスインタビュー前編>
2022.09.14 08:00
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8月16日、YouTuberグループ・東海オンエアのてつやとの結婚を発表し、話題を集めたタレントの峯岸みなみ(みねぎし・みなみ/29) 。モデルプレスでは、スタイルブック「短所ネガティブ 長所ネガティブ」(主婦の友社)の発売に合わせ、インタビューを実施。前編では、峯岸の幼少期からAKB48時代に焦点をあて、「悲しみを乗り越えた秘訣」や自分を否定し続けていた過去について余すことなく語ってもらった。
峯岸みなみ「短所ネガティブ 長所ネガティブ」
峯岸の魅力を余すところなく詰め込んだ同書は、コンプレックスがあるからこそ編み出したおしゃれ論、ズボラでもかわいくなれるセルフメイクやガチダイエットなどの美容ネタ、ネガティブで後ろ向きな性格ながら人生を好転させた秘訣がわかる自叙伝など、自分に自信が持てない女の子が共感し、前を向くきっかけとなるヒントが盛りだくさんの1冊になっている。峯岸みなみ、発信することが「すごく苦手だった」
― スタイルブックの発売おめでとうございます。まず、今回スタイルブックを出そうと思ったきっかけを教えてください。峯岸:ありがとうございます!自分から出したいと思っていたわけではなく、お話をいただいたことがきっかけです。自分の中で美容やコスメといったものにすごく興味や自信があったわけではなかったので、最初にお話をいただいたときは、私に発信するものがあるのかなという風に悩みましたが、「世の中には自己肯定感が高い人ばかりではないので、自分に自信がない女の子たちが前を向くきっかけになるかもしれません」と出版社の方からお話を聞いた上で、頑張らなくてもいいというスタンスの本ができればいいなと思い、この本を作ることになりました。
― 美容面に限らず普段のSNSなどの発信もあまり自信がなかったのですか?
峯岸:苦手ですね。正直、自分のアピールポイントも自分でよく分からないですし、私服やメイクを発信している方たちを見ると、すごくこだわって勉強してやられている方が多いので、今まで自分はそこまで考えていなかったと強く実感しました。特に美容やファッションに関しては発信することが苦手だったのですが唯一、文章を書くことは好きだったので、そういうページも作っていただけるというのは楽しみの一つでもありました。
― 自叙伝では、アイドル時代から現在に至るまで赤裸々に綴られており、スタイルブックを手に取る方も驚かれると思うのですが、ここまでさらけ出せたのには何か理由があったのですか?
峯岸:たしかに、「スタイルブック」という名前だとそこまで重い空気の文章は入っていないような響きですよね(笑)。急にズドーンみたいな気持ちにさせてしまうかもしれません。でも、自叙伝というサブタイトルみたいなものがあったので、中途半端な気持ちで手を付けられないと思いました。本当に自分が思ったことや感じたことを素直に届けたいと思ったことが一番にあります。現役時代ですと、関わっている人が多すぎて周りに迷惑をかけてしまうのではないか、アイドルとしてファンの方々が素直な目で応援しづらくなってしまうのではないか、という懸念があったので、細かい描写まで描くことは避けていたのですが、卒業から1年経ちましたし、自分の中で今なら色々話せる、素直な気持ちで全てを綴れる、と思ったときに今回のお話をいただき、タイミングが一致したことが大きかったです。
峯岸みなみ、現在と正反対の幼少期語る
― ここまでお話を聞いていて、周りの方をよく見ていらっしゃる方だなと感じたのですが、幼い頃からそのようなタイプでしたか?峯岸:いえ、確実にAKB48に入ってからです。逆に幼い頃は、もっと自分に自信があって、高島平(東京都板橋区/峯岸の地元)で一番イケてる女の子だと思っていました(笑)。
― 絶対そうですよ!
峯岸:いや、全然そんなことないです(笑)。でも、そういうマインドで生きていたので、今思えば、細かいところに気付いたり、人の気持ちを考えることがあまりできていなかったと思います。AKB48に入って自分が悩んで痛みを知る上で、様々なパターンのつまずきを経験したからこそ、周りの人の悩みや痛みに共感できるようになったと思います。子供時代みたいにポジティブで自信満々に生きられたらもっと楽だったのかなと思うのですが、そういう面では多分、自分が色々経験したからこそ、色んな方に色んな話をしてあげられることができるので、経験が無駄になっていないと思います。
― 自分自身が辛い経験をしてきたからこそ、相手の気持ちや周りの変化にもいち早く気付けるようになったのですね。
峯岸:そうですね。自分が細かいことにすごく傷つきやすく悩むタイプなので、私のこの一言で、「あ、今この子どういう気持ちになったかな?」など敏感に考えてしまいます。察知してしまうところがあるので、少ししんどいですし、自分でも面倒くさいタイプだと思うのですが、それが後輩たちから「みぃちゃんに相談を聞いてもらえると楽になる」と言ってもらえたり、Instagramのストーリーでお悩み相談をしたときに、「峯岸さんの言葉が胸に響きます」と言ってもらえるようになったのは、自分の生活の変化の中で考え方が変わってきたところが原因だと思うので、そこは、人の気持ちが考えられない自分のまま大人にならなくて良かったと思います。
峯岸みなみ、ネットの声で自分を否定した過去&支えになった言葉とは
― 峯岸さんにもこれまで言われて傷ついた言葉はありますか?峯岸:いっぱいありすぎて、具体的な言葉が出てこないぐらいには色んな言葉を浴びてきたと思います。
― そのように傷ついたことがあっても、乗り越えられたのはどうしてですか?
峯岸:まず、一番は身近にいる尊敬できる元メンバーや友達の存在です。「みぃちゃんは本当はもっと良い人なのに!優しいのに!面白いのに!」と言ってくれることが励みになっていました。もちろんファンのみなさんもそうですけど、「あ、身近にいる好きな人がそう思ってくれているということは、まだ世間には伝わっていないけどそういう部分が出せるようになったら、もっと世間から見る目が変わるかもしれない」という風に昔から思っています。そうした中で、YouTubeやバラエティー出演、コラムの執筆などをきっかけに身近な人が感じる素の私を世間に発信できるようになって、共感してもらえるタイミングが少しずつ増えていることがすごく嬉しいですし、この本もそういうきっかけになったらいいなと思っています。
― 逆に周りの方に言われて嬉しかったことや励みになった言葉はありますか?
峯岸:バラエティー番組に出るとその場を盛り上げなくてはいけないと思ったり、笑い欲しさに人を傷つけるようなことを言ってしまい、見ている方を嫌な気持にさせたときがありました。「性格が悪い」「嫌い」などといった言葉を浴びたときに、自分は嫌な人間なのかもしれないという風に、ネットの声を聞いて自分を否定する時期もあったのですが、身近な方が、「みぃちゃんは優しいよ」と言ってくれるんです。自分ではあまり優しい人間だと思ったことはないので身近な人が言ってくれる「優しいよ」という言葉はすごく精神を支えてくれる言葉でした。
― 自分自身の性格を肯定的に捉えることはあまりなかったのですか?
峯岸:はい。表に出る自分のカラーとそれに対する世間の声がすべてだった時期があって、自分はすごく嫌われているという感覚になっていました。最近、身近な方が思ってくれている本来の私を、徐々に外に出せるようになったので、これからもう少し自分を認めてあげられたらいいと思うのですが、まだまだ課題ですね。でも、この本を出せたのは、編集の方に自分が届いたということじゃないですか。それはやっぱり嬉しくて、地道にやっていたら誰かが見てくれているんだ、というのは昔から思っていたことでしたけど、最近になって改めて感じます。
峯岸みなみが悲しみを乗り越えた方法
― モデルプレスの読者の中には今、さまざまな不安を抱えている読者がいます。そういった読者に向けて、峯岸さんのこれまでの人生の中で「悲しみを乗り越えたエピソード」を教えてください。峯岸:AKB48に入った当初、振付の先生から「(峯岸のダンスは)アイドルのダンスとは違う」といったニュアンスで注意されたことがありました。小学生の頃からダンスを習っていたので、「得意なことこれしかないから頑張ったのに、これもダメなんだ。違うんだ」と落ち込みました。本番の公演の幕が開いても、ダンスの上手下手でファンは付かないんだと実感しましたし、そういった経験の積み重ねでこれまでやってきたことは意味がなかったのかと思うようになりました。そこから立ち回りや役割について考えるようになり、自然と空気を読むようになったのですが、そうすると今度は自分の本当の気持ちが分からなくなっていましました。今も完全には拭いきれていないですし、バラエティーで自分の立ち位置を考えながら振る舞う癖は抜けていないです。でも、そっちに寄せすぎて本当に思っていないこと、やりたくないことをやっていくのは避けようと思うようになりました。
また、当時はテレビに沢山出るということも目標のひとつだったので、それを叶えるためにも面白いこと言わなくてはいけない、盛り上げないといけないと考えすぎて思っていないことも言ってしまい、自分とのバランスが取れなかった時期がありました。目標設定が変わったことや、テレビに出ることが全てではない、それよりも自分の人生に嘘をつかず楽しく生きられた方がいいなというのを最近ですが20代後半から思うようになってから、こんなに頑張る必要なかったんだと思えて、嘘をつかず、より楽なスタンスで活動できるようになってきました。
― そのように思えるようになったきっかけは何ですか?
峯岸:私は身の回りのメンバーや他のアイドルの子たちと自分を比べてしまい、そこに勝とうと思っていました。でもアイドルだった子たちが違う人生の選択をして自分の好きなことをやっている姿を見て、勝負しようと思っていた相手は、自分の道を見据えて方向転換をしていて、それを見ていたら、自分だけ肩ぶん回していたのが恥ずかしいというか、「なんだ。私は人と比べてばっかりいたけど、みんなそんなことよりも自分のやりたいことを大事にしているな」と思ったときに目が覚めました。
峯岸みなみ、一大決心に覚悟を持って取り組める理由
― これまで多くの決断をしてきた中で、自身の意志を最後まで貫き通せた理由を教えてください。峯岸:元々の性格がすごく自分に甘いし、努力をすることができないタイプの人間だと自分では思っていて、だからこそ大きな決断をしたときには、やり通さないと「結局いつもの自分じゃん」と自分にがっかりすると思ったので、普段できないからこそ、一大決心をやり通す覚悟は持って取り組んでいます。でもやめる勇気がなかったというのもあります。他にやりたいことがなかったので、だらだら続けていた時期もあるし、ここでやめられないと思っていたタイミングもあります。15年半いたので、ずっと同じ覚悟で来れたわけではありません。ただ、AKB48に中学1年生で入ってから、大袈裟ですが全部を捧げてきたし、すべてがAKB48だったので、それに協力してくれた方たちや家族もいる中で、最後はみんなにちゃんと感謝が伝わるような終わり方をしたいというのはあったので、中途半端に逃げ出すことはできなかったです。
インタビュー後編では、峯岸の美容論からてつやとの結婚秘話に迫るとともに、「夢を叶える秘訣」について語ってもらった。(modelpress編集部)
峯岸みなみ(みねぎし・みなみ/29)プロフィール
1992年11月15日生まれ。東京都出身。2005年にAKB48の第1期メンバーとして活動を開始。2008年には、小嶋陽菜・高橋みなみと共にユニット「ノースリーブス」を結成し、活躍。2021年5月、最後の1期生として約15年間在籍していたAKB48を卒業した。その後は、AKB48在籍時の経験を活かし、バラエティー番組に多数出演。「ドキュメンタル番外編 女子メンタルfromまっちゃんねる」で優勝、Netflix「トークサバイバー!」でのエピソードトークが話題に。近年では、映画「終わりが始まる」(2021)、「大事なことほど小声でささやく」(2022)、ミュージカル「ロッキー・ホラー・ショー」(2022)などに出演。指原莉乃プロデュースのアイドルグループ=LOVEの楽曲「しゅきぴ」「ウィークエンドシトロン」ではMV監督、雑誌「S Cawaii!AKB48スペシャル」では編集長を務めるなど、マルチに活躍している。2022年8月16日、交際していたYouTuberグループ・東海オンエアのてつやと同年8月12日に結婚していたことを発表した。
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