映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」平手友梨奈×江口カン監督インタビュー「モンスターって思われてたの、初めて知りました」(C)モデルプレス

映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」平手友梨奈×江口カン監督インタビュー「モンスターって思われてたの、初めて知りました」

2021.06.29 17:00
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江口カン監督(53)は語る、平手友梨奈(20)は“モンスター”だと――。俳優の岡田准一が主演する映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」で初めて出会った二人。公開を迎えた今、裏話も交えながら、初対面や過酷な撮影を振り返ってもらった。<モデルプレスインタビュー> ※一部、内容に触れているところがございます。

平手友梨奈は「モンスターだと感じた」

平手友梨奈(C)モデルプレス
平手友梨奈(C)モデルプレス
カンヌ国際広告祭で3年連続受賞、近年では映画「ガチ星」「めんたいぴりり」「ザ・ファブル」など話題作のメガホンを次々にとり、映画界の注目を集める江口監督は、平手と初めて対面したときの印象を「モンスターだと感じた」と振り返る。

江口監督:モンスターだなって。初めてお会いしたあと、スタッフのみんなに思わず言ってしまったほど。なにがモンスターなのか、上手く表現できないっていうのが正直なところですが、ポロッとみんなの前で言ってしまった。あえて説明するとしたら、年齢とかキャリアとか、そんなものを超えたオーラみたいなものを感じました。

平手:最初にモンスターって思われてたの、初めて知りました。びっくりです(笑)。私の監督の第一印象は物静かな方。でも撮影を通して、熱い方だなと思いました。妥協を許さない方。それはヒナコのシーンもそうですし、カーアクションのシーン、岡田(准一)さんやアクションチームと話しているとき、いろんな監督の姿を見てそう思いました。

絶賛される平手、江口監督にはどう映る?

江口カン監督(C)モデルプレス
江口カン監督(C)モデルプレス
平手が今作で演じたヒナコは、ファブル(岡田准一)と敵対する宇津帆(堤真一)が関わった4年前のある事件に巻き込まれたことから、車椅子での生活を余儀なくされ、同時期に両親をも殺害されるという壮絶な過去を持つ少女。共演者はじめ、多くの著名人が平手の演技を絶賛しているが、江口監督にはどう映っているのか。
ヒナコ(平手友梨奈)/(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
ヒナコ(平手友梨奈)/(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
江口監督:みなさんが言うように、目が印象的だなとはもちろん思います。それ以外だと、歌って踊ってきた人なんだな、と感じることがたくさんありました。ヒナコは車椅子で足が不自由な役。実際にそうである人が映画を観たときに、なんだよあれ、ってなるのは絶対に避けたかったので、かなり研究して練習してもらいました。立とうとするときどうなるの、鉄棒につかまるときどうなるの、倒れてしまうときどうなるの、みたいなことを。いざその成果を見たとき、身のこなし方がとてもリアルだった。

そんなに簡単なことではないんだけど、平手さんは頭でわかっているのか、動きに対する感覚が体に染みついているのかはわからないですが、それがちゃんと身についているなと感じました。セリフをしゃべるときもそう。声の大きさ、ニュアンスなど、どう歌えば人に伝わるかみたいなことをずっとやってきた人だなって思いました。でもなにより1番は、とにかく平手さんは人とセッションすることに長けている。現場のライブ感みたいなものを大切にしている人というか、根っこにあるマグマがどわっと出てくる感じというか。テストより断然、本番がいいんですよ。だからそういう意味で僕はテストのとき、適当にやってました(笑)。どうせ本番で出るんだろうなって思いながら(笑)。

平手:なんですかそれ(笑)初めて聞きました(笑)。でもテスト結構やってましたよ。“ラストの山のシーン”とか特に。そこで大変だったのは息遣い。監督が呼吸をすごく大事にされていて、本番にいく前「ヒナコもっと呼吸上げて」っていうのを何度も。私は“はぁー!”っていうのをずっとやっていたので、本当に過呼吸というか、酸欠になっていました。

江口監督:くらくらしちゃってたね。

平手:そうです、“ふらふら”っていうより“くらくら”に。

江口監督:演出としてそれしか言ってなかったかもね。「息をしてー」「もっと息を荒くして―」って(笑)。

平手:本当にそうかもしれないです(笑)。

「できないかも…」平手が江口監督に相談したシーン

江口カン監督&平手友梨奈(C)モデルプレス
江口カン監督&平手友梨奈(C)モデルプレス
心を閉ざし復讐だけを生きがいにしてきたヒナコは、公園でのリハビリ中、偶然出会った佐藤アキラ(殺し屋休業中のファブルの偽名)との“再会”を機に少しずつ気持ちが変化していく。“ラストの山のシーン”はクライマックスに向かって揺れ動く彼女の葛藤と魂の叫びが描かれる、大きな見どころの一つ。そのシーン、ひいてはヒナコを通して伝えたいメッセージとは。
平手友梨奈(C)モデルプレス
平手友梨奈(C)モデルプレス
平手:クランクインする前に監督とお話したとき、ヒナコは宇津帆という存在に絶対に勝てない、と観ている人に思わせたいと言われました。そこから物語の終盤で、あのヒナコが宇津帆に歯向かう、ということから、ちょっとした希望だったり勇気だったりを描けたらと。私もそれを目がけてやっていって、でも試写で、最後にヒナコが宇津帆に対してある行動をするシーンを観たとき、ヒナコは実際にどんな気持ちでそうしたんだろう、ってやっぱり演じた自分でもわからないなと思ってしまって。その答えは今もないです。あのシーンは、私自身、撮影したときも迷ったまま臨みました。現場で監督に「あんなひどい罵声を浴びせてきた宇津帆にそれはできないかも」って相談したほど。そしたら監督は、その迷いのまま表現してほしいと言ったので、私はその気持ちのまま演じました。

江口監督:そう思うのも素晴らしいよね。憑依しているとも言えるけど。今回のファブルを通して、人間の行動って、みんな自分でわかって行動してることって意外とないのかなって思ったんです。今、平手さんが言ったように、自分でもなんであそこであの行動をするのかわからないって言う方が、僕は正解だなって思いました。確かに原作でもヒナコは最後にそうします。僕も原作を見て、それがなんでかわからなかった。だから平手さんに現場で相談されたとき、説明できないなって思った。だから説明なしでいこうと。わからないことをわからないままやってみたいっていうのは、今回のファブルにおいて大きなコンセプトの一つだったように思います。最後は観た方それぞれが考えればいいし、そういう面白さもたくさん詰まった作品になっています。

妥協を許さない二人が、一度だけ“すれ違った”話

ヒナコ(平手友梨奈)/(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
ヒナコ(平手友梨奈)/(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
平手は役作りについて「イメージ像は持って現場に行くんですけど、結局は相手がどう動くか、どう話すか、監督がどう演出をつけるかだと思うので、その現場に行ってからをすごく大事にしています。それに現場でのディスカッションがすごく好きな時間で面白いんです。なので事前に決めつけて作り込んでっていうことはほとんどしないかもしれません」と話す。
江口カン監督&平手友梨奈(C)モデルプレス
江口カン監督&平手友梨奈(C)モデルプレス
今回、ヒナコに命を吹き込むため、たくさんのディスカッションを重ね、一切の妥協を許さなかった二人だが、一度だけ“すれ違った”エピソードをインタビューの最後に笑いながらしてくれた。

平手:最後のヒナコが手紙を読み上げるシーン、1回目、ひどかったですよね(笑)。

江口監督:そうそう(笑)。

平手:撮影の途中、普通の現場のときに、録音ブースというか、ちゃんと音が録れるところで、1度やったんです。そしたら、あの妥協しない監督が「おっけ、じゃあ戻ろう」って言ったので、あれ?おかしいなと思って。

江口監督:妥協しやがったなって(笑)。

平手:そうです(笑)。そのまま次の撮影をしていて、でも腑に落ちなかったので監督に「さっきの手紙どうでしたか?」って聞いたんです。そしたら「いや、バレた?」って(笑)。「僕も正直、迷っててね。ちょっと画を見てから決めたい」って。

江口監督:撮影の途中でそれを録らなきゃいけないっていうスケジュールになっていて。だから録ったんだけど、やっぱりあの手紙のニュアンスは全てが終わったあとじゃないと誰にも正解はわからないなって思って。録るだけ録るか、みたいな(笑)。

平手:結構頑張ったんですけど(笑)。

江口監督:すみません(笑)。結果、録り直しました。そうしたことで全然違うものになったと思います。

(modelpress編集部)

PHOTO:赤英路

平手友梨奈(C)モデルプレス
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平手友梨奈(C)モデルプレス
平手友梨奈(C)モデルプレス
平手友梨奈(C)モデルプレス
平手友梨奈(C)モデルプレス
モデルプレスのインタビューに応じた、江口カン監督&平手友梨奈(C)モデルプレス
モデルプレスのインタビューに応じた、江口カン監督&平手友梨奈(C)モデルプレス

映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」

(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
累計900万部の人気を誇る原作コミック「ザ・ファブル」(原作:南勝久氏、講談社「ヤンマガKC」刊)を映画化したシリーズ第2弾。原作で“一番泣ける”と言われるエピソードで、ファンからも特に評価の高い“宇津帆編”を描く。どんな相手も6秒以内に仕留める伝説の殺し屋・ファブルを岡田准一が演じ、木村文乃、堤真一、平手友梨奈、安藤政信、山本美月、佐藤二朗らが出演している。

<ストーリー>
最強の殺し屋が挑む究極ミッション!誰も殺さず、最狂の偽善者から、訳ありの少女を救出せよ。

どんな相手も6秒以内に仕留める――伝説の殺し屋“ファブル”(岡田准一)。

ある日、ボス(佐藤浩市)から「一年間、誰も殺すな。一般人として“普通”に生きろ」と命じられ、佐藤アキラという偽名で、相棒・ヨウコ(木村文乃)と共に一般人のフリをして暮らし始める。猫舌で変わり者のアキラは、今日もバイト先の社長(佐藤二朗)と同僚のミサキ(山本美月)と関わりながら<プロの普通>を極めるため奮闘中。

一方この街では、表向きは子供を守るNPO代表だが、裏では緻密な計画で若者を殺す最狂の男・宇津帆(堤真一)が暗躍。凄腕の殺し屋・鈴木(安藤政信)と共に、かつて弟を殺した因縁の敵・ファブルへの復讐に燃えていた。同じ頃アキラは、4年前のある事件で自分が救えなかった車椅子の少女・ヒナコ(平手友梨奈)と偶然再会し、これが後に大騒動へと発展する――。

ヒナコ(平手友梨奈)、宇津帆(堤真一)/(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
ヒナコ(平手友梨奈)、宇津帆(堤真一)/(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
ヒナコ(平手友梨奈)、宇津帆(堤真一)/(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
ヒナコ(平手友梨奈)、宇津帆(堤真一)/(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
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この記事へのコメント(4)

  • ミイ 2021.06.29 17:32

    凄いな
    平手友梨奈さんは
    監督とちやんと話してるは変だけど
    他の映画とかはなんだろう、決まりきった
    会話をしてる感じなのに
    平手友梨奈さんは、ほんとに気持ちのまま話してる感じがする、おべんちゃらとか凄い人とかそんな安ぽい言葉を使わないからかな
    素敵な映画だった
    ファブル、彼女が出なきゃ絶対みてない
    闘いものが苦手だから
    みてよかった、めちゃくちゃ面白かった

  • ミイ 2021.06.29 21:53

    素敵🥰

  • 2021.07.01 08:24

    演技が上手い女優さんは沢山いらっしゃるのですが、個人的に平手さん程演技に説得力がある方はそういらっしゃらないように思いました。下半身付随という難しい役どころに加えヒナコの壮絶な過去をへたうえで佐藤と出会い、心が変化していく様子を演じるのはかなり難しかったと思いますが、ヒナコという役に命がきちんと吹き込まれていた本当に素敵な演技でした。特に驚いたのが言葉を発したり動いたりしていない時のシーンにおいての佇まい、雰囲気もヒナコになりきられていたのが流石だなと思いました。平手さんの元々お持ちの才能もあると思うのですが、記事中からも感じられる役に真摯に向き合う姿勢が沢山の人を魅了する演技に繋がっているように感じました。宇津帆にさからうシーンでの葛藤はその部分が顕著に出ていたと思います。撮り直したとお二人が言われていた手紙のシーン本当に感動しました。1人でも多くの人にこの映画を見て欲しいです!

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