「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』特別編は佐藤里佳アナウンス室長(C)モデルプレス

フジ佐藤里佳アナウンス室長が語る、採用とマネジメント術「個性が見える活躍の場を増やしたい」【「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載特別編】

2021.02.16 17:00

2017年12月から約3年半にわたった「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』。今回は特別編として佐藤里佳(さとう・りか)アナウンス室長にインタビュー。

『女子アナの“素”っぴん』連載を振り返って

(C)モデルプレス
テレビには映らない女性アナの素顔を2本のインタビューで見せてきた本連載。2017年12月に宮澤智アナからスタートし、井上清華アナまで計35人のアナウンサーの仕事や私生活を含めた“素”っぴんをお届けしてきた。

佐藤室長には本連載を振り返りながら、フジテレビアナウンサーのこと、アナウンス室の展望についてなどを語ってもらった。

佐藤里佳アナウンス室長(C)モデルプレス
佐藤里佳アナウンス室長(C)モデルプレス
― まずは約3年半、お忙しいスケジュールの中で皆さんにお時間をいただきありがとうございました。振り返っていかがですか?

佐藤:3年半本当にお世話になりました。こちらこそありがとうございました。女性室員全員の素顔に迫るという企画は初めてでしたので、私も長年アナウンス室にいながらも、インタビュー記事で初めて知るエピソードも多々ありました。それぞれが失敗をして涙を流したり、悔しい思いをしたり、傷ついたりしながら、一生懸命自分なりに解決法を見つけて仕事に向き合っているということを改めて知ることができました。

宮澤智アナウンサー (C)モデルプレス
宮澤智アナウンサー (C)モデルプレス
永島優美アナウンサー (C)モデルプレス
永島優美アナウンサー (C)モデルプレス
― 皆さんの今まで知らなかった一面もありましたか。

佐藤:そうですね。もちろん要所要所で室員とは話をしていますが、皆の深い悩みまでは全て把握できていないので、「彼女は強そうに見えるけれど、そんなに悩んで泣いていたことがあったなんて」「この子はやっぱり天真爛漫ね(笑)」というように、新たに知る部分も多かったです。アナウンサーは仕事柄、インタビューをすることは多いのですが、自分のことを語る機会は少ないので、皆もこれまで自らのことをじっくり語る機会は少なかったでしょうし、自分を見つめ直す良い機会になったと思います。

山崎夕貴アナウンサー (C)モデルプレス
山崎夕貴アナウンサー (C)モデルプレス
三田友梨佳アナウンサー (C)モデルプレス
三田友梨佳アナウンサー (C)モデルプレス
― 皆さんのストイックなお仕事への向き合い方も印象に残っています。

佐藤:日々の放送に向けて、アナウンス室でノートをまとめたり新聞を読んだりという姿はよく見ていましたが、やはりオフの時間でも陰で努力をしているということがよくわかりました。

アナウンサーの仕事はどうしても華やかなイメージを持たれがちなのですが、表に出ている仕事だけが全てではありません。この連載を通してアナウンサーの仕事はもちろんのこと、フジテレビやアナウンス室のことを知り、身近に感じていただけていたら嬉しいです。

時代、アナウンサーに求められているものの変化

佐藤里佳アナウンス室長(C)モデルプレス
佐藤里佳アナウンス室長(C)モデルプレス
― 西山アナにお話を伺った時、「私が入社した頃は“アナウンサー、30歳定年説”があった」とおっしゃっていたのも印象的でした。西山アナもお話ししていたように、今は時代も変わり、結婚や出産でライフスタイルが変わってもキャリアを重ねているママさんアナがたくさん在籍されています。

時代とともにアナウンサーに求められているものも変化しているように感じるのですが、今、佐藤室長の考えるフジテレビアナウンサーとしての理想はどんなものですか?


佐藤:たしかに私が入社した頃に比べ時代が変わり、アナウンサーを取り巻く環境も変わりました。以前は30歳頃に結婚して、それを機に退社される方も多かったのですが、今は西山アナをはじめ結婚・出産を経て復職する人も増えています。アナウンサーとして、ひとりの人間として、経験を重ねれば重ねるほど知識も増えますし、ナレーションなどの声の表現ひとつをとっても深みを増していきますから、求められる場、活躍の場も広がっています。

ベースとして必要なことは、たしかなアナウンススキルがもたらす“信頼感”です。この点は昔と変わらないですが、報道機関としてきちんとニュースを伝えてくれるという“信頼感”があるからこそ、届けられるものがあると考えています。

西山喜久恵アナウンサー (C)モデルプレス
西山喜久恵アナウンサー (C)モデルプレス
佐々木恭子アナウンサー (C)モデルプレス
佐々木恭子アナウンサー (C)モデルプレス
― では、採用においてはどんなことを重視していますか。

佐藤:アナウンサーの採用においては、さまざまな視点から判断するので一概には言えませんが、いつの時代も“親しみやすさ”は重視されていると思います。初めて会った気がしないような、気さくで話しかけやすい雰囲気はアナウンス室の皆に共通していることのひとつですね。もちろん話し手としての基本的な部分も大事ですし、「この子と一緒に仕事がしたいな」「アナウンス室に馴染めそうだな」というところは見ているかもしれません。

あとは「この子は伸びしろがありそう」「この子はどんなふうに成長するのだろう」という将来性でしょうか。

宮司愛海アナウンサー (C)モデルプレス
宮司愛海アナウンサー (C)モデルプレス
井上清華アナウンサー (C)モデルプレス
井上清華アナウンサー (C)モデルプレス
― その“将来性”はどんなところで判断しているんですか?

佐藤:その人の醸し出す雰囲気や選ぶ言葉のセンス、突拍子もない質問が来た時の“素”の表情やリアクションです。一見アナウンススキルとは関係なさそうですが、今は昔に比べアナウンサーもフリートークを求められる場面が増えています。そうした時にどんな対応をして、どんな言葉を選ぶのか、というところに通じるものがあるからです。

70人の室員を束ねる管理職として「アナウンス室は皆にとっての“ホーム”でありたい」

佐藤里佳アナウンス室長(C)モデルプレス
佐藤里佳アナウンス室長(C)モデルプレス
― 佐藤室長自身も産休・育休を経て復職されていますが、仕事から離れようと思ったことはありましたか。

佐藤:出産後はこのまま子どものそばにいて成長を見守るという選択も考えましたが、子どもが幼稚園に入るタイミングで仕事復帰を決めました。

会社のために自分に何ができるのかを考えたところ、出産前に担当していたデスク(制作現場などと相談しながらアナウンサーのスケジュール管理やキャスティング調整を行う)として、アナウンス室を裏から支えたいという考えに至りました。

― そして女性初のアナウンス室長に。管理職として心がけていることはありますか。

佐藤:自分がそのような立場になるとは全く予想もしていませんでした。管理職になり、他のセクションとの繋がりを持って会社を広く知ることができ、とても新鮮に感じています。

また、子育てで得ている経験が今の仕事に活きていると感じることもあります。アナウンス室には約70人の室員が在籍していて、ある意味個性的な職人集団です。各々の個性を大切にする、話を良く聞くことは心掛けています。

オンエアの最前線で活躍する室員を尊敬しているからこそ、アナウンス室は皆にとっての“ホーム”でありたい。時には見守りつつ、時には厳しくお尻を叩きながら、しっかりサポートしていきたいと常に思っています。

生野陽子アナウンサー(C)モデルプレス
生野陽子アナウンサー(C)モデルプレス
松村未央アナウンサー(C)モデルプレス
松村未央アナウンサー(C)モデルプレス
― ママさんアナの皆さんのお話を聞いていて、ライフスタイルが変わっても復職される方が多いのはアナウンス室の協力体制が根付いているからだろうなと感じました。佐藤室長は同じママでありアナウンス室を率いる立場として、何か意識していることはありますか?

佐藤:ワークライフバランスは、それぞれ少しずつ異なるものですが、出来るだけ個々の希望は聞いてあげたいと思っています。ママアナの人数が増えたからこそ、交代が可能な仕事はママアナ同士で調整してくれることもあり、アナウンス室としても今はすごくバランスが取れています。アナウンス室でパパアナもママアナもフランクにコミュニケーションが取れている結果だと思います。

皆ママになったからといって仕事の質が下がったとは思われたくないし、パフォーマンスを下げたくないという高い意識は共通しています。今の時代、仕事の生産性はとても重要なことです。限られた時間を有効に使い効率良く働く。男女問わずそういった意識を持つことも働きやすい環境づくりに繋がっていくと思います。

アナウンサーの個性が見える“更なる活躍の場”を増やしたい

佐藤里佳アナウンス室長(C)モデルプレス
佐藤里佳アナウンス室長(C)モデルプレス
― 最後に、室長としてアナウンス室の今後の展望をお聞かせ下さい。

佐藤:基本はアナウンサーとしての皆の仕事が滞りなく進むように、皆の健康を第一に働きやすい環境づくりをしていくということです。

そして、代々続いているフジテレビアナウンス室の“雰囲気の良さ”はずっと大事にしていきたいです。メディアを取り巻く環境が変わってきている今、フジテレビのことをより知ってもらい身近に感じてもらうために、局の顔である皆の“更なる活躍の場”を作っていくことも、私の仕事だと考えています。

フジテレビアナウンス室公式Instagramは、室員達が企画して運営していて、自分たちだから見える裏側を公開していますし、コロナ禍にスタートしたYouTube動画「デジタル紙芝居」もママアナが中心となって発案してくれたものです。

アナウンサーは画面に見える時以外に何をしているか分かりにくいのですが、アナウンサーの仕事やお互いのことを知っているからこそ生まれるアイデアも多いので、番組だけにとどまらず皆の個性や才能を発揮できる場を増やしていくことが、ひいてはアナウンサーを目指す学生さんへのアプローチに繋がっていく。こうした取り組みからもフジテレビ、そしてアナウンス室に興味を持ってもらう方が増えることを願っています。

3年半お読みいただきありがとうございました!

皆さんありがとうございました!(C)モデルプレス
皆さんありがとうございました!(C)モデルプレス
多忙なスケジュールの合間を縫って本連載に登場していただいたフジテレビアナウンサーの皆さんは、佐藤室長のお話にもあるように皆明るく気さくな人ばかり。真剣に自分の壁と向き合い、時には恥ずかしそうに失敗を振り返り、笑いを交えながら前向きに語る姿にこちらも元気をもらい、励まされ、刺激を受けていました。

この連載を通して、アナウンサーの皆さんの“素”っぴんとともに、皆さんにとっての“癒しの場”であるフジテレビアナウンス室の雰囲気を読者の方にもお届けできていたら幸いです。

35名の皆さん、佐藤室長、そして関係者の皆さん、本当にありがとうございました。

今後は新たなコラボ企画がスタート予定です。お楽しみに!(modelpress編集部)

【Not Sponsored 記事】

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