26歳で脱OL、わずか2年でNFLチアリーダーへ 齋藤佳子が夢を叶えた秘訣とは モデルプレスインタビュー
2015.11.13 08:00
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元NFLサンフランシスコ49ers(フォーティナイナーズ)チアリーダーの齋藤佳子(39)がモデルプレスのインタビューに応じた。26歳まで普通のOLとして日本で過ごしていた彼女は、大失恋を機に一念発起。かねてより憧れていたチアリーディングを始め、わずか2年でアメリカの超人気スポーツNFLの名門チーム・サンフランシスコ49ersのチアリーダーに唯一の外国人として選出された経験を持つ。単身アメリカへ渡り、言葉の壁、容姿へのコンプレックス…。様々な苦悩を乗り越え、彼女はいかにして成功を掴んだのか。
現在発売中の著書『信じる!伝える!実現する! 夢を叶える超ポジティブ思考』(宝島社)では、チアリーディングに出会って大きく変わった彼女の人生、そしてその経験から学んだ“ポジティブ思考”の重要性を紹介している。
齋藤佳子:不安はなかったですね。その当時は、「26歳でチアを始めるなんてマイナスからのスタートだ」とは思っていたんですけど、「でも、今、大失恋をしてすでにマイナスだから、あとはもう上がるしかない。もう怖いものはないな」という心境でした。「もうここまで落ちたらこれ以上は落ちることはないでしょ」と(笑)。
― そんなに大きな失恋だったんですか。
齋藤:そうですね。すごく堪えましたね。“仕事をするのもやっと”というか、「むしろ仕事があってよかったな」というくらい。一瞬でも集中する瞬間があると、数分でもその悲しさを忘れられるので。そんな時もありましたけれど、今となっては「振ってくれてありがとうございました」という感じです(笑)。
齋藤:そうです。でもチアを続けていたら、その彼から「会おう」という連絡があったんです。私はもうチアに夢中だったので、お断りしましたけど。あの経験からだいぶ強くなったんだなと思いました(笑)。
― チアリーディングを始めたばかりの頃は大変なことも多かったのでは?
齋藤:もちろん辛くて大変な時もありました。でも始めたら本当に楽しくて。「こんなに素晴らしいスポーツをなんで世の中の人はやらないんだろう」というほどに惹かれていたんです。そして、“「49ers」のチアリーダーになりたい”という人生で初めて強く思った夢があったので、本当に無我夢中でやっていました。
― どんなところに一番魅力を感じていたんですか?
齋藤:実際にチアリーディングをやり始めると、外見的なことよりもマインドの部分を言われることが多いんです。やっぱり人を応援しているので、キャプテンやディレクターからは「ネガティブな気持ちを持ってどうするの?そんな人に応援されたって、選手は嬉しくないでしょ。だから普段からポジティブなマインドを心がけなさい」といつも言われていました。それは私もすごく納得できたし、チームメイトもみんなやっぱりそういうマインドを持った人が多いので、逆にネガティブになることに違和感を抱くようになるんです。なので仕事で嫌なことがあっても、練習に来ると忘れてしまう。本当に“チアリーダー”って素敵な人たちなんだなと思いました。
齋藤:踊っているその時間は楽しいんです。でも、最初の1ヶ月間はそれ以外の時間がすごく辛かったですね。失恋の時も落ち込んだんですけど、もっと自分の根本から自分の全ての自信を失ってしまったような出来事があって。どんどん自己嫌悪に陥って、自分を卑下するようになってしまった時期がありました。
― それはどんな出来事だったんですか?
齋藤:英語ができないとチームメイトの輪に入れないじゃないですか。となるといつも一人。私は身長が158cmしかないんですけど、アメリカではだいぶ小柄な方になるので、「みんな背は高いし、顔はこんなに小さいし、足は長いし…。何で私はこんな醜く生まれてきたんだろう。なんでアメリカ人に生まれなかったんだろう。ネイティブスピーカーだったらこんなに苦労しなくてよかったのに」と、どんどん悪い方向に考えてしまったんです。そんな時、ファーストフード店で店員さんに“ハンバーガー”と言っても全然通じないという出来事があって。何回言っても店員さんに「はぁ?」とすごく嫌そうな顔で返事をされたんです。日本にいた頃もそういうことがあったかもしれないんですけど、やっぱりその時はすごく弱っていたので、「もう英語なんかしゃべりたくない!」と思って、1週間ぐらい家に閉じこもる日々が続きました。
― とても辛い日々だったんですね。
齋藤:全てに自信がなくなったんですよね。だけど来てしまったからにはやめるわけにはいけないし、「なんとかこの状況を打開しないといけない、でもどうすればいいのかわからない」というネガティブな心境のまま、デビュー戦を迎えたんです。でも、フィールドでブワーッと頭上を飛んで行く戦闘機や、国歌斉唱の時の大歓声を聞いた時、すごく感動してようやく気づいたんです。「私、夢の場所に立っているのになんでこんなにネガティブになっているんだろう」って。「この場に立てるならどんな苦労をしてもいい。ここに立つためにはどうしたって苦労がついてくるんだから、それは全部受け入れよう」とやっと思えたんですよね。
齋藤:そうなんです。アメリカでは自信を持つことが素敵な文化だと言われていますが、実際にアメリカ人と接してみると、自信があるように見えても、実はそうではないことも多いんですよね。“ダメな自分、できない自分を受け入れて、できないながらも頑張る自分になろう”というポジティブな考えにシフトしてからは色々なことが変わっていきました。自信がないからといって、自分を卑下するのはあまりよくないですけど、その分向上したいという気持ちは強くなりますし、今はそう考えられる自分で良かったと思っています。
― 素敵な考え方ですね。
齋藤:ありがとうございます。ちょうど自信を失ってネガティブ思考に陥っていた頃、飛行機で荷物をなくしたりアンラッキーな出来事が立て続けに起きたんです。今まで生きてきた中でそんなことはあんまりなかったので、「私ってなんでこんなに不幸なんだろう」と思ったんですけど、思考を転換した途端、ピタッとそういうことがなくなって。主人や親友と呼べる友人に出会ったり、現在も続けているピラティスを知ったのもその時期です。本当にハッピーな毎日になったんですよね。
齋藤:そうですね。今までそんなことはあんまり思っていなかったんですけど、「やっぱりネガティブでいると悪いものを引き寄せてしまうんだな」とその時改めて感じました。失敗して、ネガティブになることもありましたけど、そういう時は夜お風呂に入っている時なんかに「こんなに大変なのに私よく頑張っているな」と褒めてあげるようにしていました。何をやっても上手くいかない時もあります。そんな時は嵐が通りすぎるのを静かに待っても良いと思います。
― ネガティブであることを受け入れるということですね。気持ちの切り替えは早いタイプですか?
齋藤:私、基本的にあんまり引きずらないタイプなんですよ。だからこそ、一度深みにはまるとドツボにはまってしまうんですけど(苦笑)。
― では、普段からイライラしたりすることもあまりないですか?
齋藤:ないですね。そういう負のエネルギーに対して力を使うのがもったいない気がして。怒ることも結構エネルギーを使うじゃないですか。
― 確かに。怒るのも怒られるのもすごく疲れますよね。
齋藤:そうそう。例えば主人と喧嘩をして、感情的になってブワーッと言いたいことを言っても、相手を傷つけるだけで結局根本的には何の解決にもならないんですよ。一旦深呼吸をして心を落ち着けて、相手のしたことを責めるのではなく、「あなたがこういうことをしたから、私はこういう風に傷ついてとても悲しい」という事実を伝えるだけにするんです。
― 恋人が相手の時なんかは特に感情的になりがちですよね。勉強になります。
齋藤:私も色々な経験を経て、そういう心境になってきたのかもしれません(笑)。年々、精神的に豊かになってきたような気がして、年を重ねることが怖くなくなってきました。
― すごく素敵な年の重ね方をされていて憧れます。お話しているとこちらまで元気になります。
齋藤:嬉しいです。そう思っていただけるとチア冥利に尽きますね。チアの素晴らしさに気づいてから、「私は誰に対してもずっとチアリーダーでいよう」と決めているので、そのマインドは常に持っています。だから家でも主人のチアリーダーですし、アメリカの友人にも「私はずっとチアリーダーなの」と言っています。
齋藤:主婦業をしながら、日本でチアの協会をやっているのでそれ関係の仕事をしていますね。あとはトレーニングもやっています。
― トレーニングは毎日されているんですか?
齋藤:いえ、週に3回ぐらいですね。
― S字にくびれたボディラインにすごく憧れます!どんなメニューをやってらっしゃるんですか?
斎藤:自分で考案した「チア・グラマサイズ」というエクササイズと、簡単なウェイトトレーニングですね。ピラティスの資格も持っているので、ピラティスもしますし、基本的には自分でメニューを考えて取り組んでいます。
― チアの経験があるからこそ、自分に合った方法を知っていらっしゃるんですね。
齋藤:そうですね。やっぱり美と健康は女性の永遠のテーマだと思うので、継続的に取り組むことが大切です。私の場合は音楽とダンスが好きなので、そういった運動で楽しみながらやるようにしています。
― 姿勢もすごく良いですよね。常に気をつけていらっしゃるんですか?
齋藤:デスクワークをしている時なんかは崩れてちょっと丸くなったりはしますけどね。やっぱり姿勢を正すと気合が入りますし、意識するようにしています。
― スキンケアは何か特別なことをされているんですか?
齋藤:気をつけてはいますけれど、そんなには…。でも朝と晩は必ずシートマスクをしています。あとは自分に合うものを探したりでしょうか。
― 何事に対しても向上心や探究心が尽きないんですね。
齋藤:そうですね。英語もまだまだなので、カフェとかで隣の人に話しかけてみたりして。
― すごい行動力ですね!
齋藤:でもアメリカの人って、同性でも異性でもフレンドリーに話すのが普通の習慣なので、嫌悪感を持たれることもないんですよ。だからそれを利用して生きた英語に触れて、もっと上達したいと思っています。
齋藤:今は物が溢れていますし、選択肢も色々ありすぎて何をしたいかわからない人も多いと思うんです。だから、なんとなくみんなそうしているから大学に行って、そのまま就職活動して、就職して、なんとなく仕事をして。私もそんな流れだったんですけど、今はそれでよくても、女性は必ず25~30歳ぐらいの頃に「このままでいいのかな」と人生について考える時が来ると思うんですよ。
― なんだか心を見透かされているようで…。仕事のキャリアや結婚、色々なことが頭をよぎる人は多いと思います。
齋藤:そういう時、「何をしている時が一番楽しいんだろう」というのを考えるのが一番良いかもしれません。「自分が心から楽しいと思えることをやる、見つける」というのはすごく大事なこと。自分の内側と向き合って、外にも目を向けてみる。何かに興味を持ったらとりあえずトライしてみる。もしかしたら自分にすごく合ったものに出会えるかもしれませんし、その時は大して惹かれなかったとしても、10年経ったら「やっぱりあれ楽しかったな」と思う時も来るかもしれない。若いうちは色々なことにトライしていくと良いと思います。
― 自分の可能性を狭めないということですね。
齋藤:そうですね。私は16歳だった高校2年生の頃、アメリカにホームステイに行った時にたまたまチアリーディングと出会いました。でも先ほどからお話しているように、私がチアリーダーになったのは10年後の26歳の時です。当時はこんな風になるとは思っていなかったですし、人生何がきっかけになるかわからないですよね。だからこそ、色々なことにトライしてみると良いと思います。
― ありがとうございました。
チアリーディングを始めてわずか2年でNFLチアリーダーという夢を叶えた彼女が、どれほどの困難を乗り越えてきたのかは計り知れない。話しているだけでこちらまで勇気づけられるような明るいオーラは、元来身についていたものではなく、弱さやコンプレックスを受け入れてきた彼女の努力の証だ。著書『信じる!伝える!実現する! 夢を叶える超ポジティブ思考』(宝島社)には、仕事や恋、そして人生の壁にぶつかった時のヒントが散りばめられている。(modelpress編集部)
大失恋を機に26歳でチアリーディングの世界へ「もう怖いものはない」
― 本を読ませていただきました。まず、チアリーディングを始められたきっかけが“大失恋”だったということにとても驚きました。26歳という決して早くない年齢から、新たな挑戦をすることに不安はなかったですか?齋藤佳子:不安はなかったですね。その当時は、「26歳でチアを始めるなんてマイナスからのスタートだ」とは思っていたんですけど、「でも、今、大失恋をしてすでにマイナスだから、あとはもう上がるしかない。もう怖いものはないな」という心境でした。「もうここまで落ちたらこれ以上は落ちることはないでしょ」と(笑)。
― そんなに大きな失恋だったんですか。
齋藤:そうですね。すごく堪えましたね。“仕事をするのもやっと”というか、「むしろ仕事があってよかったな」というくらい。一瞬でも集中する瞬間があると、数分でもその悲しさを忘れられるので。そんな時もありましたけれど、今となっては「振ってくれてありがとうございました」という感じです(笑)。
― その失恋がなかったら、今の人生はなかったかもしれないですしね。
齋藤:そうです。でもチアを続けていたら、その彼から「会おう」という連絡があったんです。私はもうチアに夢中だったので、お断りしましたけど。あの経験からだいぶ強くなったんだなと思いました(笑)。
― チアリーディングを始めたばかりの頃は大変なことも多かったのでは?
齋藤:もちろん辛くて大変な時もありました。でも始めたら本当に楽しくて。「こんなに素晴らしいスポーツをなんで世の中の人はやらないんだろう」というほどに惹かれていたんです。そして、“「49ers」のチアリーダーになりたい”という人生で初めて強く思った夢があったので、本当に無我夢中でやっていました。
― どんなところに一番魅力を感じていたんですか?
齋藤:実際にチアリーディングをやり始めると、外見的なことよりもマインドの部分を言われることが多いんです。やっぱり人を応援しているので、キャプテンやディレクターからは「ネガティブな気持ちを持ってどうするの?そんな人に応援されたって、選手は嬉しくないでしょ。だから普段からポジティブなマインドを心がけなさい」といつも言われていました。それは私もすごく納得できたし、チームメイトもみんなやっぱりそういうマインドを持った人が多いので、逆にネガティブになることに違和感を抱くようになるんです。なので仕事で嫌なことがあっても、練習に来ると忘れてしまう。本当に“チアリーダー”って素敵な人たちなんだなと思いました。
わずか2年で憧れの「49ers」チアリーダーに
― その後、夢だった「49ers」チアリーダーを目指して、単身で渡米されたんですよね。新しい環境に戸惑いはなかったですか?齋藤:踊っているその時間は楽しいんです。でも、最初の1ヶ月間はそれ以外の時間がすごく辛かったですね。失恋の時も落ち込んだんですけど、もっと自分の根本から自分の全ての自信を失ってしまったような出来事があって。どんどん自己嫌悪に陥って、自分を卑下するようになってしまった時期がありました。
― それはどんな出来事だったんですか?
齋藤:英語ができないとチームメイトの輪に入れないじゃないですか。となるといつも一人。私は身長が158cmしかないんですけど、アメリカではだいぶ小柄な方になるので、「みんな背は高いし、顔はこんなに小さいし、足は長いし…。何で私はこんな醜く生まれてきたんだろう。なんでアメリカ人に生まれなかったんだろう。ネイティブスピーカーだったらこんなに苦労しなくてよかったのに」と、どんどん悪い方向に考えてしまったんです。そんな時、ファーストフード店で店員さんに“ハンバーガー”と言っても全然通じないという出来事があって。何回言っても店員さんに「はぁ?」とすごく嫌そうな顔で返事をされたんです。日本にいた頃もそういうことがあったかもしれないんですけど、やっぱりその時はすごく弱っていたので、「もう英語なんかしゃべりたくない!」と思って、1週間ぐらい家に閉じこもる日々が続きました。
― とても辛い日々だったんですね。
齋藤:全てに自信がなくなったんですよね。だけど来てしまったからにはやめるわけにはいけないし、「なんとかこの状況を打開しないといけない、でもどうすればいいのかわからない」というネガティブな心境のまま、デビュー戦を迎えたんです。でも、フィールドでブワーッと頭上を飛んで行く戦闘機や、国歌斉唱の時の大歓声を聞いた時、すごく感動してようやく気づいたんです。「私、夢の場所に立っているのになんでこんなにネガティブになっているんだろう」って。「この場に立てるならどんな苦労をしてもいい。ここに立つためにはどうしたって苦労がついてくるんだから、それは全部受け入れよう」とやっと思えたんですよね。
― この日のために努力してきたんですもんね。
齋藤:そうなんです。アメリカでは自信を持つことが素敵な文化だと言われていますが、実際にアメリカ人と接してみると、自信があるように見えても、実はそうではないことも多いんですよね。“ダメな自分、できない自分を受け入れて、できないながらも頑張る自分になろう”というポジティブな考えにシフトしてからは色々なことが変わっていきました。自信がないからといって、自分を卑下するのはあまりよくないですけど、その分向上したいという気持ちは強くなりますし、今はそう考えられる自分で良かったと思っています。
― 素敵な考え方ですね。
齋藤:ありがとうございます。ちょうど自信を失ってネガティブ思考に陥っていた頃、飛行機で荷物をなくしたりアンラッキーな出来事が立て続けに起きたんです。今まで生きてきた中でそんなことはあんまりなかったので、「私ってなんでこんなに不幸なんだろう」と思ったんですけど、思考を転換した途端、ピタッとそういうことがなくなって。主人や親友と呼べる友人に出会ったり、現在も続けているピラティスを知ったのもその時期です。本当にハッピーな毎日になったんですよね。
ネガティブな自分も受け入れて「私はずっとチアリーダー」
― ポジティブマインドが幸せを引き寄せたということでしょうか?齋藤:そうですね。今までそんなことはあんまり思っていなかったんですけど、「やっぱりネガティブでいると悪いものを引き寄せてしまうんだな」とその時改めて感じました。失敗して、ネガティブになることもありましたけど、そういう時は夜お風呂に入っている時なんかに「こんなに大変なのに私よく頑張っているな」と褒めてあげるようにしていました。何をやっても上手くいかない時もあります。そんな時は嵐が通りすぎるのを静かに待っても良いと思います。
― ネガティブであることを受け入れるということですね。気持ちの切り替えは早いタイプですか?
齋藤:私、基本的にあんまり引きずらないタイプなんですよ。だからこそ、一度深みにはまるとドツボにはまってしまうんですけど(苦笑)。
― では、普段からイライラしたりすることもあまりないですか?
齋藤:ないですね。そういう負のエネルギーに対して力を使うのがもったいない気がして。怒ることも結構エネルギーを使うじゃないですか。
― 確かに。怒るのも怒られるのもすごく疲れますよね。
齋藤:そうそう。例えば主人と喧嘩をして、感情的になってブワーッと言いたいことを言っても、相手を傷つけるだけで結局根本的には何の解決にもならないんですよ。一旦深呼吸をして心を落ち着けて、相手のしたことを責めるのではなく、「あなたがこういうことをしたから、私はこういう風に傷ついてとても悲しい」という事実を伝えるだけにするんです。
― 恋人が相手の時なんかは特に感情的になりがちですよね。勉強になります。
齋藤:私も色々な経験を経て、そういう心境になってきたのかもしれません(笑)。年々、精神的に豊かになってきたような気がして、年を重ねることが怖くなくなってきました。
― すごく素敵な年の重ね方をされていて憧れます。お話しているとこちらまで元気になります。
齋藤:嬉しいです。そう思っていただけるとチア冥利に尽きますね。チアの素晴らしさに気づいてから、「私は誰に対してもずっとチアリーダーでいよう」と決めているので、そのマインドは常に持っています。だから家でも主人のチアリーダーですし、アメリカの友人にも「私はずっとチアリーダーなの」と言っています。
美しいプロポーションの秘密
― 現在はアメリカにお住まいということですが、あちらではどんな生活を?
齋藤:主婦業をしながら、日本でチアの協会をやっているのでそれ関係の仕事をしていますね。あとはトレーニングもやっています。
― トレーニングは毎日されているんですか?
齋藤:いえ、週に3回ぐらいですね。
― S字にくびれたボディラインにすごく憧れます!どんなメニューをやってらっしゃるんですか?
斎藤:自分で考案した「チア・グラマサイズ」というエクササイズと、簡単なウェイトトレーニングですね。ピラティスの資格も持っているので、ピラティスもしますし、基本的には自分でメニューを考えて取り組んでいます。
― チアの経験があるからこそ、自分に合った方法を知っていらっしゃるんですね。
齋藤:そうですね。やっぱり美と健康は女性の永遠のテーマだと思うので、継続的に取り組むことが大切です。私の場合は音楽とダンスが好きなので、そういった運動で楽しみながらやるようにしています。
― 姿勢もすごく良いですよね。常に気をつけていらっしゃるんですか?
齋藤:デスクワークをしている時なんかは崩れてちょっと丸くなったりはしますけどね。やっぱり姿勢を正すと気合が入りますし、意識するようにしています。
― スキンケアは何か特別なことをされているんですか?
齋藤:気をつけてはいますけれど、そんなには…。でも朝と晩は必ずシートマスクをしています。あとは自分に合うものを探したりでしょうか。
― 何事に対しても向上心や探究心が尽きないんですね。
齋藤:そうですね。英語もまだまだなので、カフェとかで隣の人に話しかけてみたりして。
― すごい行動力ですね!
齋藤:でもアメリカの人って、同性でも異性でもフレンドリーに話すのが普通の習慣なので、嫌悪感を持たれることもないんですよ。だからそれを利用して生きた英語に触れて、もっと上達したいと思っています。
夢を叶える秘訣とは
― では、最後に、モデルプレス読者に向けて「夢を叶える秘訣」があれば教えて下さい。齋藤:今は物が溢れていますし、選択肢も色々ありすぎて何をしたいかわからない人も多いと思うんです。だから、なんとなくみんなそうしているから大学に行って、そのまま就職活動して、就職して、なんとなく仕事をして。私もそんな流れだったんですけど、今はそれでよくても、女性は必ず25~30歳ぐらいの頃に「このままでいいのかな」と人生について考える時が来ると思うんですよ。
― なんだか心を見透かされているようで…。仕事のキャリアや結婚、色々なことが頭をよぎる人は多いと思います。
齋藤:そういう時、「何をしている時が一番楽しいんだろう」というのを考えるのが一番良いかもしれません。「自分が心から楽しいと思えることをやる、見つける」というのはすごく大事なこと。自分の内側と向き合って、外にも目を向けてみる。何かに興味を持ったらとりあえずトライしてみる。もしかしたら自分にすごく合ったものに出会えるかもしれませんし、その時は大して惹かれなかったとしても、10年経ったら「やっぱりあれ楽しかったな」と思う時も来るかもしれない。若いうちは色々なことにトライしていくと良いと思います。
― 自分の可能性を狭めないということですね。
齋藤:そうですね。私は16歳だった高校2年生の頃、アメリカにホームステイに行った時にたまたまチアリーディングと出会いました。でも先ほどからお話しているように、私がチアリーダーになったのは10年後の26歳の時です。当時はこんな風になるとは思っていなかったですし、人生何がきっかけになるかわからないですよね。だからこそ、色々なことにトライしてみると良いと思います。
― ありがとうございました。
チアリーディングを始めてわずか2年でNFLチアリーダーという夢を叶えた彼女が、どれほどの困難を乗り越えてきたのかは計り知れない。話しているだけでこちらまで勇気づけられるような明るいオーラは、元来身についていたものではなく、弱さやコンプレックスを受け入れてきた彼女の努力の証だ。著書『信じる!伝える!実現する! 夢を叶える超ポジティブ思考』(宝島社)には、仕事や恋、そして人生の壁にぶつかった時のヒントが散りばめられている。(modelpress編集部)
齋藤佳子(さいとう・けいこ)プロフィール
1975年生まれ、埼玉県出身。7歳でクラシックバレエ、ジャズダンスを始め、1999年には東京読売巨人軍のマスコットガールをつとめる。その後、OLとして働きながら2002年にチアリーディングの活動を始め、日本社会人アメリカンフットボール協会のXリーグ・富士通フロンティアーズなどでチアリーダーとして活動。2004年には、アメリカのNFLサンフランシスコ・49ersのチアリーダーに唯一の外国人として選ばれ、1シーズンをアメリカで過ごした。2010年には、一般社団法人プロフェッショナルチアリーディング協会を設立。代表理事を務め、国内外で活躍するチアリーダー育成に尽力している。
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