向井理&綾野剛の“絆” 「初めての喜び」といくつもの共通点 モデルプレスインタビュー
2015.08.28 14:00
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俳優の向井理(33)と綾野剛(33)が、モデルプレスのインタビューに応じた。映画「S-最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」(8月29日公開)で共演する2人。同作は、2009年より「ビッグコミック」(小学館刊)にて連載中の人気コミック「S エス-最後の警官-」が原作。2014年1月にTBS系にて連続ドラマ化され、平均視聴率14.2%、最高視聴率18.9%を記録し、映画化へと続いた人気作。連続ドラマから、約1年半――再び2人が帰って来た。
同作は、犯人を生かしたままの「確保」を目的とする、警察庁直轄部隊の「National Police Safetyrescue」(警察庁特殊急襲捜査班 通称:NPS)を舞台にした重厚で骨太なストーリー。向井は“人を守る手”を持つ主人公・神御蔵一號(かみくらいちご)役、綾野は天才スナイパーで、一號のライバルでありバディとなる蘇我伊織(そがいおり)役を演じる。
今回の映画化は、ドラマのスタートより前にすでに決定。異例の形で続編の制作が発表されたが、それゆえ「延長線のような感覚」(向井)「ずっと続いていた」(綾野)と、2人の気持ちも途切れることがなかったという。
綾野:お互い、同じスタジオで別のドラマを撮っていたので、顔を合わせてました。それに、よく飲んでたよね?
向井:会ってたね。そのドラマが終わってすぐ「S」だったから、久しぶりという感覚は全くなかったです。ほかの共演者の方とも、よく会っていましたし。
― 実際に映画として、現場に入られてからも、役にはすんなり戻れたということでしょうか?
綾野:ドラマインする前から映画が決まっていたので、一時解散、みたいな感覚だったんです。理もよく言いますが、ドラマ終わったというだけで、僕たちの中では終わってないんです。なので、戻るのに僕は全く苦労しなかったですね。体重増やしたりっていう肉体的な違いはありますが、それくらいの準備で十分済みました。
向井:そうですね、気持ち的には全然。あとは、アクション練習はもちろんやりました。オダギリジョーさんやテロリストとのアクションは、インする前から手を稽古したり、それに必要な下半身や体幹のトレーニングをしたり。期間でいうと、2ヶ月くらいでした。
― 短期間で詰めていった感覚でしょうか?
向井:今回は、ドラマを撮りながらだったので、そこに負担のかからないように、というのは意識していました。そのときやっている仕事が一番大事だから、それを蔑ろにするんだったら1年に1本ぐらいしかやっちゃいけないと思っているので。インする直前のトレーニングだけ、少しハードにはしました。
綾野:僕の場合も短期間でウエイトを上げました。3ヶ月あれば体に負担もなくできますが、3週間とか4週間くらいでした。食事も最低5食は摂っていました。ドラマのときはすごくきつかったんですが、今回はベースができていたので、楽でした。今は逆に落としているんですが、そっちの方がきつく感じています。
綾野:ドラマでは、ぶつかる部分が多かったんですが、映画ではそれが理解となり「お前のやり方はお前が貫けばいい、俺は俺のやり方を貫く」と、尊重に変わっていった気がしています。これは大きな変化だなと思いますね。映画の中では、あまり一緒のシーンがなかったんですが、顔を合わせれば、話さなくてもお互い分かっていました。
向井:確かに。くだらない会話はしてますけど、演技に関してはあんまり話してないですね。お互い役者ですから。
綾野:僕は演技のプランを基本的に作らないので。それは理もそうだと思う。現場に行って監督の指示の下、作っていくんです。もし作っていってもそれがダメだったとき、覆すのが大変なんです。
― なるほど。そういったスタンスというものは、仕事をはじめた頃から?
綾野:デビュー当時と比べると全然違います。以前はコミュニケーションもとらなかったですし、衣装を持ち帰れるのなら、持ち帰ってそれで生活してました。あと、人との時間も作らず、飲みにも行かず、半ば引きこもりみたいな感じでした。それがかっこいいと思ってた時期もあったんですよね。でも、そういう経験も経て、よーいスタートからカットの間だけ集中力を高めていれば、あとはもうオフでいいんじゃないかなって思うようになったんです。今回の作品は特に、自分の主観だけで決めるものってあまり効力を発揮しないものが多いし、監督の情報を取り入れて、それを具現化できるかって言うことだけに集中することで、いい作品ができるなと。作品によってはアプローチの仕方を変えていくタイプですが、今回の「S」に関しては限りなく削っていくっていうアプローチをとりました。
向井:僕もいろいろやってきたなって思います。作品によって違いますし、今も試行錯誤しています。もしかしたら今後もっと変わっていくかもしれないですが、一応気を付けているのはそのときベストだと思ったことをやることです。全くセリフを覚えないで行って、あえて追い込んでみようとかってチャレンジして、大失敗したこともあるけど、いろいろやってきた過程で分かることもある。これからもまた変わってくるだろうし、作品や役柄によって変えていかなくてはならないものだとも思うので、自分のやり方はこれって持たないようにしていますね。
向井:テロとか特殊部隊などに対する、ニュースの見方が変わりました。原作には今の時代とリンクするものが詰まっているもので、描かれた時代は違うのに、不思議だなって思いながら。「S」の世界で描かれているものが、今の日本の情勢と似ているなっていうのは感じています。ニュースで出てくる制圧法や突入法についても、より具体的に観るようになりました。
綾野:この作品に出会って、10年後も映像化できるなって喜びを初めて感じました。最近は、当たり前のようにすぐ映画化だとか続編だとかっていうのが増えてきて、その真価がなくなっているような気がしているんです。昔は、「うわっ!これ続編するだ」ってワクワク感みたいなのがありましたが、前編後編で映画撮ることも多いですから。「S」に関しては、単純に僕たちが隊長になってる可能性があるし、新しいキャストとして新人の突入士隊員とかスナイパーが入ってきて…という未来が豊かだなって思うんです。
― なぜ、この作品はそう感じることができたのでしょうか?
綾野:それは、原作が現在進行形だからです。そして、理も言ってましたが、フィクションとノンフィクションが混在していることなので。こういう物語が完結しないってことは悲しい世の中ですけど、だからこそ続けていけるっていうのはありますね。
― 向井さんは続編についていかがですか?
向井:原作が続いているというのは、大きいですね。それに、描きようはいくらでもあると思いますし、今回たまたま僕が前に立っているだけで、他の人が主役でやっても成り立つ作品だなと感じています。僕はむしろ「S」メンバーのそういうところを観てみたいです。
― 可能性が広がりますね。映画では、ドラマよりスケールアップしており、様々な場所でロケを行ったということですが、一番印象に残っている撮影について教えてください。
綾野:俺は百里基地でしたヘリの撮影です。百里は「空飛ぶ広報室」ってドラマでも、非常にお世話になった基地で、そこに違う作品で戻ってこれたのは個人的には嬉しかったですね。撮影は1日終わるところを3日かかったんで大変でしたが、その場所でしか会えない人にまた会えるわけですから、素直に喜びがありました。一度お世話になった場所だと変に構えないし、ノウハウがあるので、僕から伝えてあげられることもありますし、安心感もあります。
向井:百里基地では、入れ違いでロケしたよね?
綾野:そうだったね。会ったね。
向井:僕はそこで、池内博之くんが茨城出身だから、いいお店教えてもらって、スタッフさん6人くらいとあんこう鍋の店に行ったよ。すごい美味しかった。
― それも地方ロケの楽しみのひとつですよね。
向井:やっぱり東京にいると、撮影終わったら「お疲れ様ー」って解散してしまうけど、地方だと一緒にご飯を食べたり、どこかに行ったりできるので、僕はすごく好きですね。チームみんなでがんばって戦ってるから、より一致団結するし、そういう人達と一緒に現場のことを言い合うっていうのもストレス発散になります。
― お2人とも、人との繋がりをとても大切にしているんですね。
向井:そういう話を聞くっていうのは大事だし、コミュニケーションをとるっていうのも地方でしかできなかったりするんですよね。美味しいもの食べて、ストレス発散して、次の日カラッとしてくれるなら、それが一番。
綾野:やはり人とのコミュニケーションっていうのは大事ですから。
綾野:夢は夢で終わります。だから、夢を目標に変換できたらいいんじゃないか、と思います。夢っていうのは、具体的なものじゃないんですよ。どれだけ具体的なものに変えていけるかっていうこと。僕は箱根駅伝大好きで、箱根駅伝で走りたいなって夢がありますが、絶対叶いませんから。だから夢は夢で終わるんです。空飛びたいなとか羽生やしたいなとか、夢は持っていてもいい。でも、叶えるもんじゃないと思います。
― 叶えるものと言ったら目標?
綾野:僕自身は夢を目標に変えてきました。できないことはできないって、潔くなれると思うんです。マネージャーさんから、「国際映画祭に連れて行くことが夢」って言われたことがあるんですが、「夢だと思ってたら叶いませんよ」って。そんなに安易でも、曖昧でもないんです。人が夢を見ると書いて、「儚い」と読みますから………(向井の方を見て)ね。
向井:俺は、そんなクサイこと言えないよ(笑)。
綾野:ギリギリアウトだと思ったから、理の方向いたんだ(笑)!
向井:照れるなら言うなよ(笑)。
綾野:とにかく、そういうものだと思うので、僕は夢を見ることはやめました。それはそれで寂しい人生かなって思いますが、全部形に絶対変えたいので。今だと…村とか作りたい。
向井:村…分かる!無人島とかで、知り合いとか集めて暮らしたい。無人島とか買いたいんですよ。いつかやるだろう(笑)。
― 実行するんですか!?
向井:それは目標ですもん。夢じゃない。
― では、そんな向井さんから「夢を叶える秘訣」やアドバイスを!
向井:僕は単純で、熱意と努力以外ないです。ただが熱意あっても意味ないし、何の想いもなくがむしゃらに努力しても意味がない。方向性が見つからないと、その努力は水の泡ですから。
綾野:努力は返ってくるからね、ちゃんと。一番近道だと思う。
向井:妥協しないでちゃんとやることが大事だと思う。そういう先輩たちの成功を見てきたので。みなさんもがんばってください。
― ありがとうございました。
映画の中で、ぶつかり合う一號、伊織とは違い、常に笑顔で世間話に花を咲かせる2人。そこには、役柄同様、強い絆が見えた。お互いを役者として尊敬し、尊重する。自分の色を全面で出すのではなく、現場の中で染まっていく。作り上げてきたものを、一度取り払って、真っ白な状態になることは決して簡単ではないはず――これに、向井は「現場に行ってみないと分からないから、なるべく自分の世界だけで動かないようにしています」と当たり前のように笑い、綾野は「美しい程の透明さはないけどね。限りなく黒に近い白です」と表現する。2人のパワーがぶつかり合う「S」。ドラマから、さらに進化した彼らに注目だ。(modelpress編集部)
監督:平野俊一
原作:小森陽一、藤堂裕
キャスト:向井理、綾野剛、新垣結衣、吹石一恵、青木崇高、オダギリジョー、大森南朋
今回の映画化は、ドラマのスタートより前にすでに決定。異例の形で続編の制作が発表されたが、それゆえ「延長線のような感覚」(向井)「ずっと続いていた」(綾野)と、2人の気持ちも途切れることがなかったという。
ドラマから1年――「全く苦労しなかった」役作り
― ドラマから約1年間が経ち、映画の撮影が始まったということですが、いかがでしたか?
綾野:お互い、同じスタジオで別のドラマを撮っていたので、顔を合わせてました。それに、よく飲んでたよね?
向井:会ってたね。そのドラマが終わってすぐ「S」だったから、久しぶりという感覚は全くなかったです。ほかの共演者の方とも、よく会っていましたし。
― 実際に映画として、現場に入られてからも、役にはすんなり戻れたということでしょうか?
綾野:ドラマインする前から映画が決まっていたので、一時解散、みたいな感覚だったんです。理もよく言いますが、ドラマ終わったというだけで、僕たちの中では終わってないんです。なので、戻るのに僕は全く苦労しなかったですね。体重増やしたりっていう肉体的な違いはありますが、それくらいの準備で十分済みました。
向井:そうですね、気持ち的には全然。あとは、アクション練習はもちろんやりました。オダギリジョーさんやテロリストとのアクションは、インする前から手を稽古したり、それに必要な下半身や体幹のトレーニングをしたり。期間でいうと、2ヶ月くらいでした。
― 短期間で詰めていった感覚でしょうか?
向井:今回は、ドラマを撮りながらだったので、そこに負担のかからないように、というのは意識していました。そのときやっている仕事が一番大事だから、それを蔑ろにするんだったら1年に1本ぐらいしかやっちゃいけないと思っているので。インする直前のトレーニングだけ、少しハードにはしました。
綾野:僕の場合も短期間でウエイトを上げました。3ヶ月あれば体に負担もなくできますが、3週間とか4週間くらいでした。食事も最低5食は摂っていました。ドラマのときはすごくきつかったんですが、今回はベースができていたので、楽でした。今は逆に落としているんですが、そっちの方がきつく感じています。
デビュー当時から変化した役者論 “何も”「持たない」「作らない」ことへのこだわり
― ドラマから映画になり、演じる上で変わった点などはありますか?綾野:ドラマでは、ぶつかる部分が多かったんですが、映画ではそれが理解となり「お前のやり方はお前が貫けばいい、俺は俺のやり方を貫く」と、尊重に変わっていった気がしています。これは大きな変化だなと思いますね。映画の中では、あまり一緒のシーンがなかったんですが、顔を合わせれば、話さなくてもお互い分かっていました。
向井:確かに。くだらない会話はしてますけど、演技に関してはあんまり話してないですね。お互い役者ですから。
綾野:僕は演技のプランを基本的に作らないので。それは理もそうだと思う。現場に行って監督の指示の下、作っていくんです。もし作っていってもそれがダメだったとき、覆すのが大変なんです。
― なるほど。そういったスタンスというものは、仕事をはじめた頃から?
綾野:デビュー当時と比べると全然違います。以前はコミュニケーションもとらなかったですし、衣装を持ち帰れるのなら、持ち帰ってそれで生活してました。あと、人との時間も作らず、飲みにも行かず、半ば引きこもりみたいな感じでした。それがかっこいいと思ってた時期もあったんですよね。でも、そういう経験も経て、よーいスタートからカットの間だけ集中力を高めていれば、あとはもうオフでいいんじゃないかなって思うようになったんです。今回の作品は特に、自分の主観だけで決めるものってあまり効力を発揮しないものが多いし、監督の情報を取り入れて、それを具現化できるかって言うことだけに集中することで、いい作品ができるなと。作品によってはアプローチの仕方を変えていくタイプですが、今回の「S」に関しては限りなく削っていくっていうアプローチをとりました。
向井:僕もいろいろやってきたなって思います。作品によって違いますし、今も試行錯誤しています。もしかしたら今後もっと変わっていくかもしれないですが、一応気を付けているのはそのときベストだと思ったことをやることです。全くセリフを覚えないで行って、あえて追い込んでみようとかってチャレンジして、大失敗したこともあるけど、いろいろやってきた過程で分かることもある。これからもまた変わってくるだろうし、作品や役柄によって変えていかなくてはならないものだとも思うので、自分のやり方はこれって持たないようにしていますね。
「S」で感じた「初めての喜び」 続編&スピンオフへ意欲
― では、この作品を通して変わったと感じるところはどこですか?
向井:テロとか特殊部隊などに対する、ニュースの見方が変わりました。原作には今の時代とリンクするものが詰まっているもので、描かれた時代は違うのに、不思議だなって思いながら。「S」の世界で描かれているものが、今の日本の情勢と似ているなっていうのは感じています。ニュースで出てくる制圧法や突入法についても、より具体的に観るようになりました。
綾野:この作品に出会って、10年後も映像化できるなって喜びを初めて感じました。最近は、当たり前のようにすぐ映画化だとか続編だとかっていうのが増えてきて、その真価がなくなっているような気がしているんです。昔は、「うわっ!これ続編するだ」ってワクワク感みたいなのがありましたが、前編後編で映画撮ることも多いですから。「S」に関しては、単純に僕たちが隊長になってる可能性があるし、新しいキャストとして新人の突入士隊員とかスナイパーが入ってきて…という未来が豊かだなって思うんです。
― なぜ、この作品はそう感じることができたのでしょうか?
綾野:それは、原作が現在進行形だからです。そして、理も言ってましたが、フィクションとノンフィクションが混在していることなので。こういう物語が完結しないってことは悲しい世の中ですけど、だからこそ続けていけるっていうのはありますね。
― 向井さんは続編についていかがですか?
向井:原作が続いているというのは、大きいですね。それに、描きようはいくらでもあると思いますし、今回たまたま僕が前に立っているだけで、他の人が主役でやっても成り立つ作品だなと感じています。僕はむしろ「S」メンバーのそういうところを観てみたいです。
― 可能性が広がりますね。映画では、ドラマよりスケールアップしており、様々な場所でロケを行ったということですが、一番印象に残っている撮影について教えてください。
綾野:俺は百里基地でしたヘリの撮影です。百里は「空飛ぶ広報室」ってドラマでも、非常にお世話になった基地で、そこに違う作品で戻ってこれたのは個人的には嬉しかったですね。撮影は1日終わるところを3日かかったんで大変でしたが、その場所でしか会えない人にまた会えるわけですから、素直に喜びがありました。一度お世話になった場所だと変に構えないし、ノウハウがあるので、僕から伝えてあげられることもありますし、安心感もあります。
向井:百里基地では、入れ違いでロケしたよね?
綾野:そうだったね。会ったね。
向井:僕はそこで、池内博之くんが茨城出身だから、いいお店教えてもらって、スタッフさん6人くらいとあんこう鍋の店に行ったよ。すごい美味しかった。
― それも地方ロケの楽しみのひとつですよね。
向井:やっぱり東京にいると、撮影終わったら「お疲れ様ー」って解散してしまうけど、地方だと一緒にご飯を食べたり、どこかに行ったりできるので、僕はすごく好きですね。チームみんなでがんばって戦ってるから、より一致団結するし、そういう人達と一緒に現場のことを言い合うっていうのもストレス発散になります。
― お2人とも、人との繋がりをとても大切にしているんですね。
向井:そういう話を聞くっていうのは大事だし、コミュニケーションをとるっていうのも地方でしかできなかったりするんですよね。美味しいもの食べて、ストレス発散して、次の日カラッとしてくれるなら、それが一番。
綾野:やはり人とのコミュニケーションっていうのは大事ですから。
「夢を叶える秘訣」を語る
― 最後になりますが、夢や目標に向かって突き進む一號、伊織を演じたお2人から、モデルプレス読者に「夢を叶える秘訣」やアドバイスをお願いいたします。綾野:夢は夢で終わります。だから、夢を目標に変換できたらいいんじゃないか、と思います。夢っていうのは、具体的なものじゃないんですよ。どれだけ具体的なものに変えていけるかっていうこと。僕は箱根駅伝大好きで、箱根駅伝で走りたいなって夢がありますが、絶対叶いませんから。だから夢は夢で終わるんです。空飛びたいなとか羽生やしたいなとか、夢は持っていてもいい。でも、叶えるもんじゃないと思います。
― 叶えるものと言ったら目標?
綾野:僕自身は夢を目標に変えてきました。できないことはできないって、潔くなれると思うんです。マネージャーさんから、「国際映画祭に連れて行くことが夢」って言われたことがあるんですが、「夢だと思ってたら叶いませんよ」って。そんなに安易でも、曖昧でもないんです。人が夢を見ると書いて、「儚い」と読みますから………(向井の方を見て)ね。
向井:俺は、そんなクサイこと言えないよ(笑)。
綾野:ギリギリアウトだと思ったから、理の方向いたんだ(笑)!
向井:照れるなら言うなよ(笑)。
綾野:とにかく、そういうものだと思うので、僕は夢を見ることはやめました。それはそれで寂しい人生かなって思いますが、全部形に絶対変えたいので。今だと…村とか作りたい。
向井:村…分かる!無人島とかで、知り合いとか集めて暮らしたい。無人島とか買いたいんですよ。いつかやるだろう(笑)。
― 実行するんですか!?
向井:それは目標ですもん。夢じゃない。
― では、そんな向井さんから「夢を叶える秘訣」やアドバイスを!
向井:僕は単純で、熱意と努力以外ないです。ただが熱意あっても意味ないし、何の想いもなくがむしゃらに努力しても意味がない。方向性が見つからないと、その努力は水の泡ですから。
綾野:努力は返ってくるからね、ちゃんと。一番近道だと思う。
向井:妥協しないでちゃんとやることが大事だと思う。そういう先輩たちの成功を見てきたので。みなさんもがんばってください。
― ありがとうございました。
映画の中で、ぶつかり合う一號、伊織とは違い、常に笑顔で世間話に花を咲かせる2人。そこには、役柄同様、強い絆が見えた。お互いを役者として尊敬し、尊重する。自分の色を全面で出すのではなく、現場の中で染まっていく。作り上げてきたものを、一度取り払って、真っ白な状態になることは決して簡単ではないはず――これに、向井は「現場に行ってみないと分からないから、なるべく自分の世界だけで動かないようにしています」と当たり前のように笑い、綾野は「美しい程の透明さはないけどね。限りなく黒に近い白です」と表現する。2人のパワーがぶつかり合う「S」。ドラマから、さらに進化した彼らに注目だ。(modelpress編集部)
向井理 プロフィール
1982年2月7日生まれ。2006年俳優デビュー。2010年NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」でヒロインの夫・村井茂(水木しげる)役を演じ、一躍ブレイク。2011年には、大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」では、主人公・江の夫、徳川秀忠役を演じ、時代劇デビューを果たした。2015年は、10月から主演ドラマ「遺産争族」(テレビ朝日)がスタートするほか、映画「天空の蜂」が9月12日公開予定。綾野剛 プロフィール
1982年1月26日生まれ。2003年に「仮面ライダー555」で俳優デビュー。2010年放送の「Mother」(日本テレビ系)で注目を集め、2012年NHK朝の連続テレビ小説「カーネーション」で認知度を上げた。主演映画「そこのみにて光輝く」では第36回ヨコハマ映画祭 主演男優賞など数々の賞を受賞。現在は、映画「ピース オブ ケイク」「天空の蜂」「64 -ロクヨン-」「怒り」の公開が控えているほか、自身初の連続ドラマ単独主演となる「コウノドリ」(TBS)が10月よりスタートする。「S-最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」
公開日:2015年8月29日監督:平野俊一
原作:小森陽一、藤堂裕
キャスト:向井理、綾野剛、新垣結衣、吹石一恵、青木崇高、オダギリジョー、大森南朋
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