北村匠海、乾パン1つ・水抜き…役作りで壮絶な体重増減「感情は皆無」戦争シーンへの真摯な向き合い方【「あんぱん」インタビューVol.2】
NHK連続テレビ小説「あんぱん」(毎週月~土あさ8時~ほか)に出演する俳優の北村匠海(きたむら・たくみ/27)に、モデルプレスらがインタビュー。戦争シーンの裏話や壮絶な役作りに迫った。<Vol.2>
今田美桜ヒロイン連続テレビ小説「あんぱん」
今作は、“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった2人が、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。ヒロイン・朝田のぶを今田美桜、のぶの夫・柳井嵩を北村が務める。
北村匠海、戦争シーンで感じた過酷さ
― 軍服に袖を通して戦争シーンを撮影したことで感じたことをお聞かせください。北村:戦争というものは悪だと思いました。「あんぱん」の現場なので明るくて温かい雰囲気ではあるものの、軍事所作指導の方の丁寧な指導を受けながら撮影をしていると、リアルな辛さが演じている僕らの間に漂い、全てが大変です。声量から姿勢まで何をとっても感情を殺して個性をなくさなければいけなくて、嵩にとっては窮屈に感じる部分もありました。入るときも着帽して、右手で開けて…というように箇条書きで書かれたことをなぞるような毎日なので、すごく大変ですが、この時代だからこそしっかりと描かなければいけないと思っているので、身を持って臨んでいます。
北村匠海「乾パン1つ」壮絶な役作り
― ストイックに戦争シーンに向き合っていたとお聞きしましたが、具体的にどのような準備をして撮影に臨んだのか教えてください。北村:体重の増減は作品を通してずっとやっています。例えば、学生時代の嵩は骨の細さを見せたいので高知でのクランクイン初日から痩せているのですが、美術学校に行き東京に出ると新しい出会いや東京の景色への充実感を感じさせるように結構体重を増やしました。そこからの戦争で、まずは復員兵だったので、8キロくらい走って、お風呂に入って汗を抜いて、次のシーンに乾パン1つで挑むようなことを毎日していました。体重は測っていませんが、かなり落ちていたと思います。みんなも付いてきてくださって、足並みを揃えて取り組んでいました。僕は役へのアプローチとして、絶食したり体重を微増したりするのはよくやっているので慣れてはいましたが、戦争なので最終的には水も抜きました。
大変なのは、一言に戦争と言ってもずっと飢えているわけではないということ。最初は食料があり訓練もしているので少し骨太な感じも必要で、そこから次第に食料がなくなって乾パンが3つになり、1つになり、最終的にはたんぽぽの根っこを食べたりするようになっていくんです。撮影上、1日の中で減っている状態と元気な状態のどちらも求められることがあるので、瞬間的に炭水化物を摂取して目に活力を宿したりしていました。それがどのように画に映っているかはわかりませんが、自分たちのメンタリティの問題で、やはり飢えを経験したかったですし、経験しないと説得力は生まれないと思っています。「アンパンマン」誕生に至る、食べ物への考え方など、この先の柳井嵩を作り上げるいろいろな要素が詰まっているパートなので、極力リアリティを持って向き合いたいと考えています。
北村匠海、戦争シーンは「感情は皆無」
― 今田さんとのシーンでは受けのお芝居を意識されているとのことですが、男性ばかりの戦争シーンではどのようなお芝居を考えていましたか?北村:軍隊なので感情を殺していかなければいけません。少しでも腑抜けた瞬間があると指導される世界なので、攻め受けは度外視の場所です。嵩は戦争の中で軍隊の訓練や戦地での経験、敵・仲間の死に直面することで達観していくので、その姿を精一杯演じています。目線や姿勢、帽子の角度まで決められて、感情は皆無で、しんどいです。嵩も僕も息苦しい中でも殴られるのは嫌だからちゃんとやるし、「早く高知に帰りたい」と思いながら戦争に真摯に向き合っています。みんなで軍事訓練も受けましたし、それぞれブーツやゲートルも自分で着用しており、リアリティがあると思います。
― 今田さんがいらっしゃらない戦争シーンは、北村さんがある種座長の立場になると思うのですが、どんなことを意識していますか?
北村:確かに、戦争パートは自分が座長の気持ちでいました。でも僕が引っ張っていくというよりは、スタッフさんも含めみんなで会話を多くしたいタイプなので、そういう意識を持っていました。戦争シーンは「あんぱん」の色がなくなればなくなるほど面白いと思うので、別作品のような雰囲気で、今田さんが座長としていらっしゃるときの雰囲気は一旦捨てて、柳井嵩という人間が主演の戦争作品をやっているという気持ちでいました。
― 朝田家のシーンなど楽しい場面と雰囲気が違うのでしょうか?
北村:キャスト陣は人が移り変わっていくので空気感も変わっていくのですが、スタッフチームは変わらずにいてくれるので現場全体の空気としては温かさがずっとあります。明るさだけではなく苦しい部分も描かなければいけないのですが、スタッフさんもすごく寄り添ってくれて、前室に戻るとメイク部が涙を流していたこともあります。僕は前室が好きで、いまだに楽屋に一度も入っていないのですが、スタッフさんと話していると、みんなが楽しそうに仕事をしていて、良い現場だと感じます。
★Vol.3に続く!
(modelpress編集部)
北村匠海(きたむら・たくみ)プロフィール
1997年11月3日生まれ、東京都出身。映画「君の膵臓をたべたい」(2017)で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。近年はドラマ「教場」シリーズ(フジテレビ系/2021、2023)、「にじいろカルテ」(テレビ朝日系/2021)、「アンチヒーロー」(TBS系/2023)、「幽☆遊☆白書」(Netflix/2023)、映画「東京リベンジャーズ」シリーズ、「明け方の若者たち」(2021)、「法廷遊戯」(2023)、「悪い夏」(2025)など数々の話題作に出演し、2025年2月には初監督作品「世界征服やめた」が公開された。もっと詳しくみる
-
【写真】北村匠海、吉高由里子と情熱キス
-
【写真】北村匠海、吉高由里子とベッドで密着
-
北村匠海、憧れの人物と親戚だった
-
北村匠海、“二度とやりたくない”仕事明かす
-
北村匠海"涙”の熱唱にあいみょん「抱きしめに行きたいぞ~!」
関連ドラマ
あわせて読みたい
-
朝ドラ「あんぱん」北村匠海、自問自答の日々で創る“柳井嵩像” 制作統括が語る俳優業・音楽活動を両立する姿も【インタビューVol.4】
モデルプレス
-
北村匠海、東日本大震災で人生観が変化 やなせたかしに感じる“運命”とは【「あんぱん」インタビューVol.3】
モデルプレス
-
北村匠海、今田美桜と1日中“泣き芝居”「涙腺がぶっ壊れた」夫役としての在り方語る【「あんぱん」インタビューVol.1】
モデルプレス
-
北村匠海、朝ドラ「あんぱん」撮影裏話 ハマっているもの告白しツッコミ受ける【悪い夏】
モデルプレス
-
視聴総合ランキング
2025年07月10日 12:00時点
※TVer内の画面表示と異なる場合があります。
-
01
誘拐の日
第1話 パパは誘拐犯!?記憶喪失の少女と殺人の謎
7月8日(火)放送分
TVerで見る -
02
マツコの知らない世界
「30代からの婚活の世界」
7月8日(火)放送分
TVerで見る -
03
初恋DOGs
第2話 それって、初恋…?御曹司と横浜デート
7月8日(火)放送分
TVerで見る -
04
明日はもっと、いい日になる
第1話 刑事が児童相談所へ出向!?
7月7日(月)放送分
TVerで見る -
05
完全不倫 ― 隠す美学、暴く覚悟 ―
#2 暴け!不倫人間のあるある行動―不倫ミステリー
7月8日(火)放送分
TVerで見る
最新ランキングはこちらPowered by -
-
北村匠海、朝ドラ「あんぱん」タイトルバック考察で“RADWIMPS愛”爆発
モデルプレス
-
北村匠海、“初めて会った有名人”と小学生ぶり再共演に喜び 忘れられないエピソード告白【あんぱん】
モデルプレス
おすすめ特集
-
7月のカバーモデルはLE SSERAFIM
特集
-
“日本一かわいい高校一年生“を決める「高一ミスコン2025」開催中!
特集
-
“日本一のイケメン高校一年生”を決める「高一ミスターコン2025」開催中!
特集
-
国民的推しランキング!各種エンタメにまつわる読者ランキング、読者アンケート実施中
特集
-
モデルプレス独自取材!著名人が語る「夢を叶える秘訣」
特集
-
インフルエンサー影響力トレンドランキングを発表!「モデルプレスカウントダウン」
特集
-
モデルプレス読者モデル 新メンバー加入!
特集
-
"史上最大級のファッションフェスタ"TGC情報をたっぷり紹介
特集
-
国内作品見放題数2位!アニメ・お笑い・ドラマ・映画が充実!オリジナル作品も!
特集
おすすめ記事
SPECIAL NEWS
記事ランキング
RANKING
-
01
前田大輔「タイプロ」後の選択に“迷いがなかった”理由 西山智樹との挑戦秘話&師匠・NOSUKEからの熱いメッセージ【モデルプレスインタビュー】
モデルプレス
-
02
朝ドラ「あんぱん」鳴海唯、涙のヒロインオーディション秘話「人生を変えたい」奇跡的な縁と覚悟から巡り合った琴子役への想いとは【インタビュー】
モデルプレス
-
03
松本かれん×桜庭遥花の新ユニット「PiKi」お披露目ステージ裏直撃 “ぱるれんたん”の関係は?【モデルプレスインタビュー】
モデルプレス
-
04
「ちはやふる」當真あみ、学生時代に救われた作品で連ドラ初主演「少し暗い時期の中で出会った」広瀬すずらとの交流エピソードも【インタビュー】
モデルプレス
-
05
Snow Man向井康二&マーチ、言葉を超えた深い絆――キュンシーンで心通じ合った瞬間・互いの芝居が支えに【「Dating Game」インタビュー】
モデルプレス