「それどこの?」が止まらない!お値段以上で着心地抜群【褒められ服】

2025.01.22 17:05

着ていると、「それどこの服?」と聞かれる洋服があります。永冨佳代子さんが手がけるブランド『NIGELLA(ニゲラ)』は、永冨さんがたった一人でデザイン、パターン、縫製などを行い、展示会でのみ受注販売で洋服を製作しています。ぶれひとつない美しい縫い目、きちんと感があるのに袖を通すと驚くほど居心地がいい服。素材はリネンやコットンがメインですが、フォーマル感をさりげなく感じさせる美しいデザインが魅力です。『NIGELLA』の永冨佳代子さんにインタビューをして、ブランドを立ち上げたきっかけやブランドのコンセプトについて聞きました。

“自分が着たい服”を求めてブランドを立ち上げる

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永冨さんがブランドを立ち上げたのは、ちょうど10年前の2014年。服飾の専門学校を卒業後いくつかのアパレル会社を経て、「自分が着たい服を求めて」自然な流れでブランドを作ることになったそうです。
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「世の中に自分が着たいと思える“ちょうど良い服”が見つけられなかったので、『じゃあ作ろうか』という感じで始めました。ちょうど30歳の時です。ブランドを立ち上げる年齢としては30歳は、アパレル業界的には『ちょっと遅い』と言われる年齢なんですよ。当時働いていたアパレルの上司にも『無理じゃない?』と言われましたから。だけど私は1回決めたらやる頑固な性格なので、やると決意して始めました」

“日常着にドレスを”という新しい服のとらえ方

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『NIGELLA(ニゲラ)』のアイテムはパンツやシャツなどユニセックスのアイテムが多く、パートナーやファミリーで共有している人も多いです。注文する方の年齢層も幅広く、ジェンダーレスな印象です。また一般的にはワンピースと呼ばれているアイテムを「ドレス」と呼ぶのも特徴です。
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「最初はレディースのみを作っていたのですが、途中から男性のお客さんが増えてきて、サイズ展開を増やしたり、男性向けのアイテムも作るようになりました。今のお客さんの比率は男女半々くらいだと思います。ドレスについては、以前に働いていたのが『DRESSCAMP』というドレスをメインに展開している日本のブランドで、ドレスを日常着としてとらえる考え方がありました。その影響もあり、私自身もドレスとワンピースに特別な線引きをしておらず、ドレスが生活の中にあるといいなと思って“ドレス”という名称にしています」

手づくりの理由は、量より“質”にこだわりたいから

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洋服づくりの始まりはまず生地探しから。生地から立ち上がるデザインを描き、パターンを引き、生地を裁断します。そして1枚ずつ自分の手で縫い上げていきます。今の時代はデザインとパターンまでは自分たちで作り、サンプル製作以降は工場に発注するのが一般的ですが、永冨さんが手作りにこだわるのは理由があります。
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「ブランドを立ち上げて2年間は工場生産をして、それ以降は自分で作るようになりました。工場で作ってもらうにあたり自分でサンプルを作って工場に渡すと、『こんなにきれいに量産できない』と言われることが多くて。幸いにも縫製工場で働いた経験もあり、何より作るのが好きだったので自分でやってみようと思いました。同じタイミングで展示会での受注販売に変更しました。生産枚数とコストのバランスのハードルが高く、大量に作る事が目的ではなかったのも手作りにしたきっかけのひとつです」

生活しやすい・乾きやすい・だらしなく見えない服

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『NIGELLA』のデザインはシンプルでクラシック、どこかフォーマルな雰囲気が漂います。コットンやリネン、ナイロンなど着心地の良い軽い生地を使いながらも、きちんと感、キリッと感を感じるのが特徴です。『NIGELLA』ではアーティストの衣装やお店のユニフォームも手掛けており、それらにも同じ空気を感じます。
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「デザインのアイデア、それがどこからきているのか自分でも分かっていないんです。最近は展示会ごとにテーマは設けていなかったりもしていますが、ブランドとして考えているのは、まず生活です。普段の生活のしやすさと洗濯できる素材であること、乾きやすいこと。着ていて動きやすい、なおかつだらしなく見えないシルエットであること。常に居心地よくいられる服というのは毎シーズン考えています」

必要なものを必要な分だけ作る。受注販売で無駄をなくす

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『NIGELLA』の販売方法は受注生産、展示会で実際に袖を通してから注文を受けます(一部オンラインでも受付)。アパレル業界に起こっている大量生産・大量廃棄の問題に長年疑問を持ち続けていたことも、この販売方法に辿り着いた理由でした。
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「衣類の大量生産・廃棄の問題は昔からあり、アパレル業界は最先端に見えて、実は一番進化していないアナログな業界のようにも思えます。それを踏まえてもシンプルに必要なものを必要な分だけ作る、それが一番無駄がないと思います。あと受注販売にすることで、買う側もどんな人が作っているかが分かって安心感がありますよね。こちらとしてもどんな人が着てくれているのかが見られるのは嬉しいです。『NIGELLA』では、過去に購入したアイテムの修理も行っています。修理代をいただくこともありますが、なるべく直して長く着て欲しいと思って。ユニフォームを作らせてもらったカフェ『ym.』のブラウスは毎日着てくれているおかげで何度も修理して、つぎはぎだらけ(笑)。ここまで使ってくれるのは、とても嬉しいです」
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writer / Sheage編集部 photo / 沼田 学

※記事の内容(本文・画像など)に関しては、許諾を得て掲載しております。

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