「石子と羽男」最終回の“伏線回収”6つ サブタイトル・役名・ビジュアルにも繋がる
2022.09.17 01:40
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女優の有村架純と俳優の中村倫也がW主演を務めるTBS系金曜ドラマ「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」(毎週金曜よる10時~)の最終話が、16日に放送された。最終話で回収された多数の伏線が話題を呼んでいる。<※ネタバレあり>
有村架純&中村倫也W主演「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」
本作は、4回司法試験に落ちた崖っぷち東大卒パラリーガル・“石子”こと石田硝子(有村)と、1回で司法試験予備試験と司法試験に合格した高卒の弁護士・“羽男”こと羽根岡佳男(中村)の“石羽コンビ”が、誰にでも起こりうる珍トラブルに挑む異色のリーガル・エンターテインメントだ。プロデュースと演出は、新井順子×塚原あゆ子コンビで、西田征史が脚本を務める。最終話では、不動産投資詐欺と放火殺人の事件を追い、「ナカマル」社長の刀根(坪倉由幸)とエンジェル投資家の御子神(田中哲司)に制裁を下した。
「石子と羽男」最終話の伏線回収1:傘
オープニングカットでも石子と羽男が、メインビジュアルでも石子の父・綿郎(さだまさし)と大庭(赤楚衛二)が差している傘。そして情報解禁時に公開されたビジュアルの1つでは石子と羽男が信号前で閉じた傘を持っており、本編では「傘を差し出す」という行為が「相手を助ける」という意味として描かれていた。事件が解決し、穏やかな日々が流れ出した終盤、石子は大庭と、弟の拓(望月歩)の書道の展示を観に行く。拓の作品は綺麗な青の墨で書かれた「晴」。大庭は「石子さんと羽男先生は俺と拓の疑いを“晴”らしてくれた。そういう想いで書いたんじゃないですかね」と推測し、「ずっと晴れていれば傘もいらない」とつぶやいた。
さらにラストシーン。最初の司法試験にて会場の目の前で交通事故を目撃したトラウマから、落ち続けていた石子は、司法試験に再び挑戦する決心を固める。迎えた試験当日、横断歩道前で当時の記憶が蘇る石子のモノクロの世界に、青い傘が差し込む。
途端に石子の視界はカラフルな現実に戻り、隣には「今日も暑いっすなあ~」と何気なく話す羽男が。石子は笑顔になり、「なんとも絶妙なタイミングでいらっしゃいましたね?」と羽男との初対面を振り返って軽口を叩くなど緊張がほぐれる。そして、「とっとと受かってこい」と背中を押され、石子が一歩を踏み出し会場に入る背中のカットで終了した。
「石子と羽男」最終話の伏線回収2:サブタイトル
刀根は、不動産投資詐欺の黒幕は全て御子神だと自供するが、証拠を巧妙に隠していた御子神は逮捕を免れる。しかし、写真のように見たモノを記憶する「フォトグラフィックメモリー」の能力を駆使して御子神のSNSをくまなくチェックしていた羽男は、御子神がタバコをいつもポイ捨てしていることに気づき、石子と大庭と手分けして執念で53回のポイ捨てされた吸い殻を回収し、記録。警察に提出し、御子神を廃棄物処理法違反で逮捕に追い込んだ。
「こんな大したことない罪じゃすぐ釈放される、結局そこまでってことですよ」と余裕の捨てゼリフを石子と羽男に放っていた御子神だが、務めていた理事を解任されたり、SNSで批判を受けたりと、結局は社会的制裁を受け、一方で評判を高めた「潮法律事務所」には依頼が殺到する。
毎回小さな町の珍トラブルから大きな社会問題に斬り込んでいくストーリーが見どころとなっていたが、最後は逆に詐欺という大きな罪を、ポイ捨てという身近な犯罪に結びつけ、「そんなコトで訴えます?」というサブタイトルを回収した。
「石子と羽男」最終話の伏線回収3:足元の演出
御子神を逮捕したシーンにて、最初の対面で法律について“力の強いものが作り、彼らが勝つもの”と持論を述べていた御子神に対し、石子は「毎年増えていく法律のほとんどは力の弱い人々に寄り添ってできたものです。その方々が声を上げた歴史なんです」と反論する。しかし、それを受けても「だとしても弱い人間っていつまでも弱いんですよ」とあざわらった御子神。羽男は「あなたが弱者と呼ぶ人たちのほとんどは力が強くなりたいなんて思ってないんじゃないですかね」「そういう人たちこそがこの社会を支えているんです」と代わりに言い返し、“マチベン”として胸を張った。
この場面にて、石子が反論をしようと踏み出す一歩、御子神のさらなる言葉に口をつむんでしまい下がった一歩、羽男が石子の前に立ち言い返した一歩…足元をアップに足音を強調した演出がされたが、これは第1話で石子が羽男を助けて一歩踏み出したシーンとの対比にもなっていた。
本作ではこれまでも一貫して足元のシーンを強調していたため、それぞれの登場人物が“一歩を踏み出す”ということを象徴していたのかもしれない。
「石子と羽男」最終話の伏線回収4:大庭の名前“蒼生”
今作でキーパーソンとなった大庭の名前「蒼生(あお)」。珍しい名前だが、第9話で拓が大量に半紙に書いていた文字が「蒼」だった。兄の名前を書いていただけと思われていたが、最終話で大庭は緑がかった青信号を見て「蒼」の意味が緑色に近い青色であることを思い出し、そこから放火殺人の現場に落ちていたライターの色は青色ではなく緑色だったと言う事実が発覚。そのことから刀根の逮捕へ繋がった。
また、前述のラストシーンで羽男が差し出した傘も青色、石子が渡ったのはもちろん青信号だ。
「石子と羽男」最終話の伏線回収5:「声を上げる」
初回から一貫して“声を上げる”ことを訴えてきた今作。最終話冒頭では、石子から「声を上げていただかなければお手伝いできません」と諭されてきた大庭が不動産投資詐欺の被害者である綾(山本未來)に「一緒に声を上げましょう!」と声をかけた。この1つのワードだけでも、大庭の成長が伝わるだろう。「石子と羽男」最終話の伏線回収6:爆盛り
劇中の食事シーンは“爆盛り”が定番となっていたが、最終話の終盤にも事務所にて2人で爆盛りのカツ丼を食べるシーンが登場。羽男が石子のサポートがないと裁判がうまく行かないと正直に打ち明け、「だけど石子さんと一緒だったら2人前どころかそれ以上になれる感じがあってさ。だからこれからも俺の隣にいて下さい」と伝えると、石子は司法試験に再チャレンジすることを告白。「私も2人なら2人前以上の爆盛りになれると思ってます。だから相棒弁護士として先生の横にいて見せますから~」と“爆盛り“の言葉を使って、今度は弁護士同士でタッグを組むと予告した。
「石子と羽男」最終話の数々の伏線回収に反響
ここで上げたもの以外にも、きっと仕掛けられていた伏線や練られた演出、繋がっている背景が沢山あるはず。サブタイトル、放送前に公開されたビジュアルや役名にまで張られた細かい伏線の数々に、視聴者からは「なんて爽快!」「最終回でポイ捨てに繋がるとは見事」「次々と回収されて感服」「伏線の張り方オシャレすぎない?」と反響が寄せられている。(modelpress編集部)
情報:TBS
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