「妻には言うなよ」同期に話す夫の声を、私は玄関で聞いてしまいました
いつもどおりの夫の声で
その日は、夫の同期が久しぶりに家へ飲みに来ていました。私も顔なじみの人です。お酒の氷が足りなくなり、コンビニへ買い足しに出ていました。
「妻には言うなよ」
玄関に戻った私の耳に、夫の声が届きました。同期の返事は聞き取れません。わざと音を立ててドアを閉め、「ただいま」と声をかけました。
「おかえり。早かったね」
夫は何事もなかったようにグラスを持ち上げました。同期もいつもどおりです。2人の様子からは、何を隠しているのか分かりませんでした。
「仕事の話だよ」とだけ言った夫
同期が帰ったあと、洗い物をしながら聞きました。
「さっき、何の話してたの?」
「仕事の話だよ」
夫はそれ以上話しませんでした。
それから、夫は電話が鳴るたびにベランダへ出るようになりました。窓を閉め、私に背を向けて話しています。
仕事の話なら、なぜ隠すのだろう。もしかして、浮気でもしているのだろうか。
考えすぎだと思いながらも、夫のスマホが鳴るたびに気になりました。私は半年前に転職したばかりで、ようやく仕事が楽しくなってきたところでした。夫も応援してくれていたのに、最近は自分の話をほとんどしません。夫が何を隠しているのか。確かめるきっかけは、思わぬ形でやってきました。
「人事部」と印字された封筒
数日後、ダイニングテーブルに夫の会社の茶封筒が置かれていました。隅には「人事部」の文字。中身は見ずに、夫の帰りを待ちました。
帰宅した夫は封筒を見つけると、すぐに鞄へしまいました。
「私に言えないことなの?」
「もう終わった話だから」
「仕事のこと?それとも、ほかに誰かいるの?」
夫は驚いた顔で私を見ました。
「違う。そういう話じゃない」
それなら、どうして教えてくれないのか。同期には話せるのに、妻の私には話せない。そのことが何より嫌でした。
そして...
夫が向かいの椅子に腰を下ろすのを待って、私は座り直しました。
「終わったかどうかは、私も一緒に聞きたかった」
夫は鞄を膝に抱えたまま、しばらくテーブルの木目を見ていました。やがて小さくうなずき、鞄の口に手を入れました。
責めたかったわけではありません。夫が1人で終わらせたのは、いったい何だったのか。同期には言えて、私には言えなかったその中身を、私はまだ知りませんでした。
(30代女性・商品企画)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
関連記事
「コラム」カテゴリーの最新記事
-
【角度当てクイズ Vol.2530】xの角度は何度?エキサイトニュース -
「私も1組、よろしく!」中学で友達になった明るい女の子 いじめをきっかけに別の顔が見え始め…【漫画】エキサイトニュース -
夫の相手が目の前に…! ところが、何か様子がおかしい!エキサイトニュース -
男性が溺愛する彼女は「ごめんね」が上手。本気で仲直りしたくなる3つの瞬間ハウコレ -
モテる女性は意識してやっていない。男性が自然と惹かれる"3つの無意識行動"ハウコレ -
「大げさだろ!いい迷惑だ」救急搬送された妊婦の妻に暴言!?しかし⇒ベッドの上で妻が密かに笑っていたワケ…!?愛カツ -
義実家の店を無給で回す嫁に「やって当然」と言い放つ義母。しかし翌日⇒「なによ…これ…」店内で義母が真っ青に…!?愛カツ -
大人ならわかる? 小学校の「算数」問題<Vol.2768>エキサイトニュース -
「しばらく帰りません」帰宅した夫を待っていたのは妻の置き手紙…仲良し夫婦に何があったのか?【漫画】エキサイトニュース