彼女の依頼を未読のまま紙へ印刷していた私が、机の前で頭を下げた理由
紙で確認するようになった理由
入社して間もない頃、通勤中に彼女から届いた依頼を画面で読み、添付する資料を取り違えかけたことがあります。送信前に気づきましたが、それ以来、細かな指定がある依頼は紙で確認するようになりました。
社内チャットの内容は、仕事用のメールにも通知されます。私は通知メールに表示された本文を印刷し、余白へ確認項目を書き足してから作業していました。
通知メールを読んでも、チャットには既読がつきません。彼女の依頼には金額や資料の版について細かな指定があり、私にとって間違えたくない仕事でした。だからこそ、画面だけで済ませず、紙に赤い印をつけながら進めていたのです。
説明を避けたまま
「紙で確認しています」と伝えれば済む話でした。それでも、自分だけ古いやり方をしていると思われるのが嫌で、説明できませんでした。
理由を話せば、入社直後に資料を取り違えかけた失敗も知られます。給湯室で2人になったときも、仕事の振り返りをしたときも、私は別の話題を選びました。
グループチャットにはすぐ反応するのに、彼女の個別メッセージだけ未読のまま仕事を終える。相手からどう見えるかには気づいていました。それでも説明する恥ずかしさを優先し、引き出しへ紙を増やし続けました。
机の前で聞かれたこと
彼女が席まで来て、「私のメッセージ、読んでもらえてますか」と聞きました。いつもより硬い口調で、長く気にさせていたことが分かりました。
「後回しにしているわけじゃないんです」
説明だけでは伝わらないと思い、引き出しから紙の束を出しました。日付順に並んだ依頼と、余白につけた赤い印を見せ、通知メールから印刷していることを話しました。
以前の失敗を知られたくなくて、説明を避けていたことも伝えました。
「先に言えばよかったです。ごめんなさい」
彼女が紙の日付を確認する姿を見て、自分の方法を隠した結果、仕事を軽く扱っているように見せていたのだと分かりました。
そして...
今は依頼が届いたら、最初に「確認します」と返しています。そのあとで通知メールを印刷し、これまでと同じように赤い印をつけながら作業します。
紙で確認する方法を続けるにしても、変えるべきだったのは、相手に何も伝えないまま進めることです。
机の引き出しには、今も彼女からの依頼が日付順に並んでいます。以前との違いは、どの依頼にも、チャットで確認の返信をした記録が残っていることです。
(20代女性・経理事務)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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