「そんなに隠して、何から守ってるの?」長袖の水着を笑う友人、1日後に逆転した立場
袖の長い水着
学生時代からの友人と、海旅行に来ていました。日差しに弱い肌のため、私の水着はここ数年、長袖タイプと決めています。海の家の更衣室で着替えを終えると、友人は新しい水着を鏡に映しながら、肩紐の位置を直していました。振り向いた彼女は、私の袖を指先でつまんで言いました。「そんなに隠して、何から守ってるの?」軽い言い方でしたが、目は笑っていませんでした。私は「日焼けしたくないだけ」と返して、日焼け止めを鞄にしまい、先に外へ出ました。背中の後ろで、小さな笑い声が続きました。
パラソルの下で
浜に出ると、友人は自分の写真を撮ってほしいと頼んできました。波を背に立ち、ポーズを変えるたびに撮り直しの注文が増えていきました。仕上がりを確かめた彼女は、その場でSNSに投稿し、こちらに画面を向けました。「その袖じゃ、写真映えしないね」。私は笑って受け流しましたが、心の中で彼女の水着を張り切りすぎだと値踏みしていました。パラソルの下で、私は借り物みたいに小さくなって座っていました。
波の中で
翌日、帰る前にもう一度泳ごうと、一緒に海に入りました。少し沖へ進んだあたりで、友人の声が変わりました。「足、なにかに触った」。引き返して足元を見ると、彼女のふくらはぎには赤い筋がいくつも浮かんでいました。クラゲでした。長い袖と膝丈のパンツに覆われた私の肌には、何も起きていませんでした。「つかまって。ゆっくりでいいから」波に押されながら岸まで戻り、監視員を呼ぶために大きく手を振りました。処置を受ける間、友人は砂の上にしゃがみ込んだまま、袖のない自分の肩をさすり続けていました。
そして...
帰りの電車で、隣の友人が口を開きました。「昨日のこと、ごめん。うらやましくて、あんな言い方しかできなかった」。窓の外を見たままの横顔に、私は「今度は一緒に選ぼう」と返しました。家に戻った私は、袖口の砂を洗い流した水着を、来年も着るつもりで衣装ケースの一番手前にしまいました。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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