「おうちあついから、ここがいいの」フードコートで知った妻と娘の夏
昼間の部屋を知らずに決めました
今年の夏の初め、俺は電気代の値上がりを理由に、クーラーを使わないと決めました。「暑い日だけでもつけたい」と話す妻に、俺は着替えながら答えました。「扇風機で十分だろ」。妻は2回、暑さを伝えていました。2回目も、俺は電気代の話で返しました。俺が家へ戻る頃には外の気温も下がっていて、扇風機で眠れたからです。妻と娘が過ごす昼間の部屋を、俺は一度も体験しないまま、その決まりだけを置いて出かけていました。
誰もいない部屋
その日は取引先に出す書類を忘れ、取りに戻りました。玄関を開けると、扇風機は止まり、ベビーカーはなく、テーブルには娘の麦茶のコップだけが伏せてありました。普段はここで娘が昼寝をしているはずだと考え、この時間の暑さを初めて意識しました。位置共有のアプリを開くと、2人は駅前のショッピングモールにいました。
「おうちあついから、ここがいいの」
フードコートの隅で、妻と娘は1つのかき氷を分けていました。荷物かごには保冷剤と大きな水筒。「なんで毎日ここにいるんだ」と聞いた俺に、娘が先に答えました。「おうちあついから、ここがいいの」。妻は、家では娘が眠りにくいことと、あせもが増えたことを、その場で話しました。保冷剤と水筒を持って通っていた日々を聞き、2回退けた訴えの先にあったものを、俺はそこで初めて見ました。
そして...
帰り道、俺は妻より先に家に着いて、クーラーのスイッチを入れました。「ごめん。今日から、つけよう」。今は、家にいる妻が必要だと判断したときにクーラーを使い、月末に2人で電気代を確認しています。節約の方法を、俺だけで決めることはやめました。
(30代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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