婚約者の「式は挙げない」に、何も返せなかった俺
式の話は、彼女に任せていたつもりだった
婚約者に結婚を申し込んだのは、まだ寒さの残る頃でした。式場探しは彼女がやってくれると言ったので、俺は仕事に集中していたのです。ちょうどその頃、担当プロジェクトの納期が迫り、残業が続いていました。
彼女から式場候補のメッセージが届いても、確認する余裕がないまま、いつも同じ猫のスタンプで返してしまいました。あのスタンプは「了解」の意味だと、俺は自分の中では思い込んでいたのです。
通知の数が増えていくのは、気づいていたのに
婚約者から「電話で予定を決めたい」というメッセージが届いた日、俺は取引先とのオンライン会議で頭がいっぱいでした。スタンプ1つで返信したのは、その場しのぎのつもりでした。翌日には別の案件が入り、週末は寝て過ごしました。
「一緒に決めたいって、何度も送ってるよね?」というメッセージにも、俺はまた例のスタンプで済ませてしまいます。頭の片隅では、後で全部読み直そうと考えていました。だが、そうしないまま、日々は流れていきました。
実家の食事会で、婚約者が口にした一言
実家に婚約者を招いた食事会でした。母が食事を出しながら「式の準備はどう進んでる?」と聞いた瞬間、俺はご飯をつつきながら「うん、まあ、そこそこ」と適当に返しました。準備の詳細を、俺は何一つ答えられなかったからです。次の瞬間、隣に座る婚約者が箸を置き、母と父の顔を順番に見て、告げました。
「式は挙げないので」
母の手が止まり、父が湯呑みを置きました。婚約者は父と母を見たまま、もう1度、同じ言葉を繰り返しました。
「式は挙げないので。2人で決めた結果です」
俺は箸を握ったまま、婚約者の横顔を見ていました。
そして...
食事会の帰り道、俺は「なんで勝手にあんなこと言うんだよ」と声を荒げました。婚約者は歩幅を変えずに、「3ヶ月間、あなたの返事はスタンプだけだったから」と答えました。あの猫のスタンプを何度送ってきたか、頭の中で数え直そうとして、俺は道の途中で足を止めました。
翌朝、俺は会場見学の予約を3件分入れて、婚約者にメッセージを送りました。
「明日、会場見学の予約入れた。何時に集合する?」
返ってきたのは、俺が3ヶ月間送り続けた、あの猫のスタンプ1つでした。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
関連記事
「コラム」カテゴリーの最新記事
-
【誕生月別】「漢字に強い」知的な一面にドキッとする女性ランキング<第1位~第3位>ハウコレ -
【星座別】今週の恋愛運(7/27-8/2)<てんびん座〜うお座>ハウコレ -
娘の発熱連絡を既読スルーする夫に、私はもう頼らないと決めた日ハウコレ -
最初は「めっちゃ好き」だったのに。恋が3ヶ月で終わる女性に共通する致命的な特徴ハウコレ -
「妊婦妻をサポートしてる」医師にアピる夫。しかし直後⇒医師「おかしいですね?」夫「えっ?」凍りついたワケ愛カツ -
娘の通帳から【30万円】が消えた!?数日後”犯人”が発覚した結果⇒夫が震えることになったワケGrapps -
SNSでイクメンインフルエンサーごっこをする夫!だが数日後「外面だけの人間ね」なぜかフォロワーにバレた話愛カツ -
【誕生月別】この夏、モテ運が急上昇する女性ランキング!<第4位〜第6位>ハウコレ -
【誕生月別】「漢字に強い」知的な一面にドキッとする女性ランキング<最下位~第10位>ハウコレ