旅行中、「仕事の電話」と言って何度も席を立つ彼。お菓子を抱えて待っていた私は、置いていかれた気持ちになりました
楽しみにしていた車内の時間
付き合って2年になる彼と、初めて泊まりがけの旅行に行くことになりました。列車の席は彼が予約してくれて、私は窓側、彼は通路側でした。
出発前から、私は車内で食べるお菓子を選んでいました。甘いものやしょっぱいものを少しずつ買って、彼と分けながら食べる時間まで楽しみにしていました。
席に座って袋を膝に置くと、彼は「いろいろ買ったんだね」と笑いました。そのときは、これから楽しい旅行が始まるのだと思っていました。
何度も立ち上がる横顔
列車が走り始めて少しすると、彼のスマホが鳴りました。彼は画面を見て、「ごめん、仕事の電話」と言い、デッキへ向かいました。
仕事なら仕方ないと思いました。けれど、席に戻ってきても、彼はお菓子に手を伸ばしません。話しかけても返事は短く、またしばらくすると「もう1本だけ」と席を立ちました。
せっかくの旅行なのに、彼は私の隣にいません。仕事が忙しいのか、私との時間を楽しみにしていなかったのか。考えたくないことまで浮かび、袋を開ける気になれませんでした。
ホームで聞いた本当の理由
目的地に着いてホームへ降りると、彼は荷物を持ったまま立ち止まりました。私は「仕事、大丈夫なの?」と聞きました。
彼は少し迷ったあと、「電話は嘘だった」と言いました。本当は乗り物酔いしやすく、車内で何度もつらくなっていたそうです。私の隣でつらそうな姿を見せたくなくて、仕事の電話ということにして席を外していたのだと話しました。
理由を聞いて、彼が私との時間を避けていたわけではないと分かりました。でも、隠されたまま何度も1人にされた時間も、なかったことにはできませんでした。
そして...
私は怒るより先に、「言ってくれたらよかったのに」と伝えました。乗り物酔いすることより、嘘の理由で席を立たれたことのほうが寂しかったからです。
彼は、かっこ悪いところを見せたくなかったと言いました。その気持ちは分かります。でも、旅行は格好よく見せるための時間ではなく、2人で過ごすための時間だったはずです。
帰りの列車では、彼は最初から「つらくなったら少し休む」と言ってくれました。私は残っていたお菓子を開けて、無理に食べなくていいから隣にいてほしいと伝えました。弱さを隠すより、先に話してくれるほうが、ずっと一緒にいられるのだと思います。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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