「文字だけじゃ気持ちは伝わらない」が口癖の彼に反論→翌日、スクロールが止まらない長文が届いて
「了解」しか返ってこない日々
彼はメッセージのやりとりが苦手な人でした。私が少し長めに気持ちを書いて送っても、返ってくるのはいつも「了解」か「おう」の一言。「今日楽しかったね」と送っても「だな」の2文字で終わり。
何か込み入った話をしようとすると、決まって「電話でよくない?」と切り替えたがります。電話は嫌いじゃないけれど、文字でしか伝えられない気持ちもあると思うのです。でもそれをうまく説明できなくて、いつも「そうだね」と引き下がっていました。
ぽろっと出た本音
ある夜、電話で些細なすれ違いがありました。私が「こういうことをメッセージで伝えたかったんだけど」と切り出すと、彼はまた同じ言葉を繰り返しました。
「文字だけじゃ気持ちは伝わらない」
その瞬間、ぽろっと本音がこぼれました。
「文字でも本気なら相手に伝わるでしょ…」少し挑むような、でも本気の言葉でした。
彼は「え、無理だって」と笑いましたが、私は引きませんでした。「無理じゃなくて、一回やってみて。私に、文字で気持ちを伝えてみてほしい」
電話の向こうで彼が黙り込む気配がしました。数秒の沈黙のあと「わかった」とだけ言って、電話は終わりました。
スクロールが止まらなかった夜
翌日の夜。スマホが震えて、彼からのメッセージを開いた瞬間、スクロールする指が止まりました。普段「了解」しか打たない彼が、画面を何度もスクロールしないと読みきれない長さの文章を送ってきたのです。
「うまく書けないけど、伝えたいことがある」
そんな書き出しから始まる文章は、句読点の位置がおかしかったり、同じことが書いてあったり、お世辞にも上手とは言えませんでした。でもそこには「お前がツッコむときの声が好きだ」「怒った顔も泣いた顔も全部覚えてる」と書いてありました。そして最後にこうありました。
「文字じゃ伝わらないって言ってたのは、ちゃんと伝えたいのにうまく言葉にできない自分が怖かったから」
画面がにじんで、何度も読み返しました。
そして...
翌朝、私は彼にメッセージを送りました。
「昨日のメッセージ、スクリーンショット撮った」
返ってきたのは「やめろ」。でもそのあとに、小さく「また書く」と続いていました。
文字にすれば薄っぺらくなる。彼がそう思い込んでいたことを、私はずっと知りませんでした。あの長文は今もスマホの中にあります。落ち込んだ日にそっと開く、私だけのお守りです。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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