彼が送ってきた指輪のサイズ表。丸で囲まれていたのは私のサイズじゃなかった。「これ、誰のサイズ?」
赤い丸で囲まれた数字
彼とは付き合って三年になります。連絡はこまめなほうですが、自分のことはあまり話さない人でした。その彼から、めずらしく画像が一枚届いたのです。
それは、指輪のサイズを号数で確かめるための一覧表でした。指に紙を巻いて測るタイプの、よくあるものです。表の中のひとつの数字が、赤いペンで丸く囲まれていました。
私は自分の号数を知っています。けれど、囲まれていたのは、それとは違う数字でした。私の指のサイズではない誰かの号数が、そこにはっきりと記されていたのです。
「ごめん、間違えて送った」
画像を見つめていると、すぐに次のメッセージが届きました。
「ごめん、間違えて送った」
そして、先ほどの画像は彼の手で取り消されていました。けれど、丸で囲まれた数字は、もう私の頭に焼きついていました。
なぜ彼が指輪のサイズ表を持っているのか。なぜ私のものではない号数が囲まれているのか。なぜ、それを間違えて私に送ってしまったのか。考えるほどに、答えはひとつのほうへ傾いていきました。
彼は私の知らないところで、誰かに指輪を贈ろうとしているのではないか。画面を伏せても、その考えは消えてくれませんでした。
送れずにいた問いかけ
聞けばはっきりするのに、私はなかなか打ち出せませんでした。返ってくる答えが怖かったのです。それでも、黙ったまま勝手に苦しむのは、もうやめようと思いました。
「これ、誰のサイズ?」
送ってからも、返事はなかなか来ません。やはり聞かなければよかったのか。そう思いかけたころ、彼から電話がかかってきました。電話の向こうの声は、いつもより落ち着きがありませんでした。
彼は、本当はもっと先に伝えるつもりだったのだと、ためらいながら話しはじめました。
そして...
丸で囲まれていたのは、私のために選ぼうとしていた指輪のサイズでした。私が彼の家に置き忘れていた指輪を、こっそり測ったのだそうです。けれどそれは、私が中指にはめていたもの。だから号数が、私の知っている数字とずれていたのです。
誰かのための指輪ではなく、私のための指輪。その事実に、抱えていた不安はゆっくりとほどけていきました。それでも彼は、肝心なところでいつも少しだけ抜けています。せっかくの計画を、自分の手で半分こぼしてしまった。
そんな彼を、私はやっぱり憎めませんでした。次に正しいサイズを伝えるのは、私の役目になりそうです。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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