旅行写真を印刷したら私が写るものだけ小さくて、突き放された気がした話
めくるたびに小さくなる私
束の中の写真は、どれもきれいに印刷されていました。旅先で見た海、宿の窓から眺めた景色、二人で食べた郷土料理。そのどれもが、大きなサイズでくっきりと写っています。彼が一人で写っているものも、同じ大きさです。
けれど私が写っている写真だけが、手のひらにすっぽり収まるほど小さく印刷されていました。並べて見比べてみても、その差は明らかです。何かの手違いだろうかと、私は同じ写真を二度、三度と見返しました。
「そのままにしておいて」
ちょうど部屋に戻ってきた彼に、私はその一枚を見せました。
「これ、私が写ってるやつだけ小さいね」
できるだけ軽い口調で聞いたつもりでした。彼は写真にちらりと目をやると、「それは、そのままにしておいて」とだけ言って、別の部屋へ行ってしまいました。理由は、何も教えてくれません。
私の写りがよくなかったのかもしれない。それとも、大きく残したいと思うほどの存在ではなかったのか。考えれば考えるほど、楽しかったはずの旅行の記憶が、少しずつ色あせていくようでした。
ふくらんでいく、悪いほうの想像
それ以上は、聞けませんでした。問い詰めて困った顔をされるのが怖くて、私は写真を元の場所にそっと戻しました。
小さな私の写真は、彼の大きな風景写真の下に、隠れるように重なっています。その並びが、今の二人の距離みたいに思えてなりません。彼はもう、私のことを大切に思っていないのかもしれない。たった一枚の写真の大きさから、私はそこまで考えてしまっていたのです。
そして…
数日後、彼が一冊のアルバムを差し出してきました。開いてみると、あの日小さかった私の写真が、風景と同じ大きさできれいに並んでいたのです。
「この前のは、刷り直す前の見本だったんだ。君が写ってるのは、どれを大きくするか迷ってて」と、彼は照れくさそうに言いました。
それなのに私は、一枚の大きさだけで彼の気持ちを決めつけ、一人で勝手に傷ついていたのです。きちんと最後まで見届けていれば、悩む必要なんてどこにもありませんでした。早とちりして、悪いほうへ転がしてしまう自分の癖を、少しだけ直せたらと思います。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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