マッチングアプリで経歴詐称しまくる俺→「経営者って言えば食いつくから楽。今回もいけそうだわ」と誤送信した結果
いつもの誘い文句
俺にとって、マッチングアプリは数をこなすゲームのようなものでした。プロフィールに目を通したら、あとは決まった流れに乗せるだけです。
俺:「はじめまして。俺、自分で会社をやってるんだ」
相手:「はじめまして。すごいですね」
俺:「まあね。プロフィール見たけど、君は普通の会社員かな。今度、いい店に連れてってあげるよ。ちゃんとした店、行ったことなさそうだし」
本当は会社など経営していません。けれど経営者だと伝えると、相手の反応が柔らかくなるのを何度も見てきました。少し見下すくらいがちょうどいい。そう考えて、俺はいつも同じ言葉を並べていたのです。
はぐらかしていた本当の理由
やりとりが進むと、俺はますます調子に乗っていきました。
俺:「店は俺が予約するから。もちろん全部奢るよ。経営者だからそのくらい余裕」
相手:「ありがとうございます」
俺:「会社って言っても何の会社か気になるでしょ?まあ会ってからのお楽しみってことで」
会社の中身を聞かれても、俺は具体的に答えられません。語れる事業などないからです。はぐらかすのが癖になっていました。それでも相手は丁寧な返事を続けてくれて、俺はこの相手も簡単だと決めつけていたのです。
誤送信したメッセージ
その後、友人とのやりとりと画面を取り違えました。本音をそのまま、相手に送ってしまったのです。
俺:「経営者って言えば食いつくから楽。今回もいけそうだわ」
送信した直後に、宛先の違いに気づきました。慌てて取り繕おうと、すぐに次のメッセージを打ちます。
俺:「ごめん、今のは友達への冗談。誤送信しちゃった」
冗談で済ませられると、そのときの俺はまだ思っていました。
そして...
相手:「そのメッセージ、私宛てじゃないですよね」
俺:「だから誤送信だって。気にしないで、会おうよ」
相手:「いえ、おかげではっきりしました。経営者だと食いつくと思われているみたいですが、私も自分で事業をやっているんです。だから、奢っていただく必要もありません」
長い言い訳を打ち込んで送りました。けれど返事は来ません。後で確かめると、俺はすでにブロックされていました。経営者を装って見下していた相手は、本物の事業主だったのです。格下だと思い込んでいたのは、ほかでもない俺自身でした。
同じ手口を、これまで何人もの相手に使ってきました。けれど一度の操作ミスで、その全部が安っぽく見えてしまったのです。経営者だと嘘をついて気持ちよくなっていた俺の中身こそ、一番空っぽでした。アプリを閉じても、最後に返ってきたあの言葉だけは、しばらく頭から離れませんでした。
(30代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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