「駅から出られない」と送ったらナビより頼りない彼氏が→「何が見える?」から始まる伝言ゲームに笑った話
迷子の私と、頼りない救世主
新しくオープンしたカフェで彼と待ち合わせをしていた金曜日の夜のことでした。初めて使う駅で改札を出た瞬間、私は出口がわからなくなりました。エスカレーターと案内板とパン屋が見えるけれど、どれが何番出口に繋がっているのか、頭の中で結びつきません。
電車で15分の場所なのに、この駅で降りるのは初めて。彼は車で来るから道は知っているはず。とりあえず助けを求めるしかありません。
スマホを取り出して、「方向音痴すぎて駅から出られない」とメッセージを送りました。
返信はすぐに届きました。「何が見える?」それが、伝言ゲームの始まりでした。
「何が見える?」のラリーが始まった
私は「案内板とパン屋とエスカレーター」と返信しました。彼からは「パン屋なら出口は左じゃないかな」と返事が来たので、言われた通り左へ進んでみたところ、行き止まり。
引き返して「行き止まりだった」と送ると、今度は「赤い看板ある?」と聞かれました。見当たりません。「青い看板は?」「ない」「黄色は?」「ない」
何往復したでしょうか。彼の質問はだんだん雑になり、私は構内を行ったり来たり。スマホの地図アプリを開けば一発で出口を教えてくれるはずなのに、なんとなくその選択肢が頭から抜けていました。彼に頼ったほうが早いと思い込んでいたからかもしれません。
「タクシーで迎えに行く」の一言
ラリーが10分ほど続いたあと、彼から届いたメッセージは「タクシーで迎えに行く」でした。家から駅までは車で20分。私はその間にも構内を歩き続けていて、ふと顔を上げた瞬間、目の前に大きな出口表示が現れたのです。さっき何度も通り過ぎていた場所でした。
あんなに見つからなかった出口が、こんなに堂々と存在していたのか。自分の方向音痴ぶりに笑ってしまいながら、外に出て「自力で出られた」と返信しました。すると「ごめん、待っててくれていいよ。もう出ちゃったから」と返事。彼はもうタクシーの中でした。
そして...
カフェで合流した彼は、開口一番「ごめん、俺もあの駅うろ覚えで」と苦笑しました。私が「ナビより頼りなかったよ」とからかうと、「ナビには勝てないって最初から思った」と笑い返してきます。
でも、本当はちょっと嬉しかったのです。私が「困った」と送った瞬間、彼が仕事を切り上げてタクシーに飛び乗ってくれたことが。
「すぐ駆けつけようとしてくれたのが嬉しかった」と素直に伝えると、彼は少しほっとした顔をしました。ナビなら数秒で済んだ道のりを、私たちは30分かけて遠回りしたけれど、出口が見つからなかった夜が、なぜか宝物みたいに感じられたのです。
(20代女性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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