親友に「夫の話されても、私には分かんないよ」と言われた夜、届いた長いメッセージ
久しぶりのカフェで切り出した相談
3歳の子どもを母に預けた平日の午後、私は駅前のカフェで親友と待ち合わせていました。半年ぶりに会う彼女は、相変わらず仕事用のきれいなコートを羽織って、颯爽と現れたのです。「久しぶり」と笑い合って、コーヒーを注文しました。
近況をひと通り話したあと、私はずっと相談したかったことを切り出しました。「ねえ、最近うちの夫、家にいてもスマホばっかり見ててさ」夫が家にいるのに会話がない寂しさ、子育てに追われる私を放っておく態度。誰かに話を聞いてほしくて、私は彼女に頼ろうとしたのです。
返ってきたのは予想外の一言
私が話し始めた瞬間、彼女はスマホを見つめたまま「ふぅ」と短く息を吐きました。それから顔を上げて、こう言ったのです。
「夫の話されても、私には分かんないよ」
コーヒーを口に運びかけたまま、私は黙り込みました。突き放すような口調に、すぐには何も返せませんでした。彼女は私と目を合わせず、窓の外を見ています。「あ、ごめん、なんでもないから話して」と言い直してくれましたが、私はもう何も話せませんでした。
残りの時間は、当たり障りのない仕事の話と、お互いの近況報告で過ぎていきました。別れ際の「またね」は、いつもより少しだけぎこちなかった気がします。
夜のスマホに届いた長い文章
帰宅してからは、子どもの夕食、お風呂、寝かしつけと、休む間もなく時間が過ぎました。夜10時を回ったころ、ようやくソファに座り、スマホを開きました。
親友からのメッセージが、画面いっぱいに表示されていたのです。
「今日はごめん。あんたの話、ちゃんと聞けなかった。実は私、付き合ってた人と先月別れたの。結婚も考えてた相手だったから、まだ気持ちの整理がつかなくて。あんたが家庭のことで悩んでるの、本当は分かってた。なのに自分のことで頭がいっぱいで、突き放すような言い方をしちゃった。本当にごめん」
文字を読みながら、私はあのカフェでの彼女の横顔を思い出していました。スマホを見ていたのは、仕事のメッセージじゃなかったのかもしれない、と。
そして...
「夫の話されても、私には分かんないよ」
あの一言は、私への拒絶だけではなかったのだと、ようやく分かりました。彼女が抱えていたのは、恋人を失ったばかりの自分のしんどさ。そしてそれは確かに、家庭を持つ私には、すぐには想像できないものでした。
私はその夜、彼女に返信を打ちました。
「今日は気づけなくてごめん。今度ゆっくり話そう、何時間でも聞かせて」と。送信ボタンを押すと、すぐに「ありがとう」のひとことが返ってきました。
親友だからといって、すべての悩みを共有できるわけではない。それでも、相手のしんどさに気づける友達でありたいと、改めて思いました。
(30代女性・専業主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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