「なんでデートの時いつも右側歩くの?」夜中のメッセージに返ってきた、ぽつりとした一言
気づけばいつも、私の左を歩いていた
彼と歩いていると、いつの間にか私は左側、彼は右側にいます。最初は偶然かと思っていたのですが、何度デートを重ねても同じ。お店から出たあとも、駅から向かう時も、必ず彼が私の右側に来るのです。こちらが意識して左に回り込もうとすると、彼もすっと右に移動する。気のせいじゃないなと思ったのは、同じ道を3回続けて歩いた時でした。
細かい人なのか、何かこだわりがあるのか。直接聞くほどのことでもない気がして、ずっとそのままにしていたのです。
夜の雑談で、ふと送ってみた
私たちは毎晩、寝る前に他愛ない雑談のメッセージを交わします。その日の出来事とか、明日の予定とか、そんな程度の。ベッドに入って天井を見つめていたら、ふと彼のあの癖のことが頭をよぎりました。指が勝手に動いて、私は短くこう送ったのです。
「なんでデートの時いつも右側歩くの?」
送ったあと、少しドキッとしました。深い意味はなかったのですが、夜中のメッセージで聞くには、ほんの少し踏み込んだ質問だった気もしたのです。
「手が繋ぎやすい」
返信は、思ったよりすぐに来ました。「車道側にいたいから」。男らしい理由だな、と最初は素直に受け取ったのです。車が走る方に自分が立って、私を守るつもりでいる。優しい人だなと、胸があたたかくなりかけました。
けれど、今日までに歩いた道を記憶の中でたどるうちに、気になることを思い出しました。商店街も、駅前の大通りも、私たちから見て車道は左側だったはず。気がついたら私は「左側が車道の時も右にいるけど?」と返信していました。
既読がついてから、しばらく返信が来ませんでした。画面を見つめたまま待っていると、ぽつりと届いたのです。「…手が繋ぎやすい」
そして…
私はどう返せばいいかわからず、「そっか」とだけ送りました。続けて何か打とうとしたのですが、指が動かなかったのです。スマホを胸のあたりに置いたまま、天井を見上げていました。
車道側という格好いい理由を先に打ち込んで、追及されて本音をこぼした。不器用な理由を隠すために、もっと格好いい理由を先に送ってしまう人。そのぎこちなさまで含めて、この人のことを前より少し好きになった夜だったのです。
(20代女性・看護師)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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