娘の担任が俺の学歴を知ったのはその日が初めてだった→校長室で気づいた、あの子が守ってくれていたもの
娘が泣きながら話してくれた夜
娘はめったに泣くことはありません。だからこそ、泣きながら話しかけてきたとき、胸のあたりがざわっとしました。
進路相談で担任にこう言われた、と娘は話してくれました。「中卒の父親に育てられて可哀想ね。せめてあなたは大学に行きなさい」と。
怒りよりも先に来たのは、痛みでした。娘がそんな目で見られていたことへの、じわじわとした痛みです。俺は娘に「明日、学校に行く」と告げました。
中卒であることの意味
高校に進まなかったのは、家の事情からです。後悔はない。建設の現場に入って25年、手を動かして今の仕事を作ってきた。学歴は持ち合わせていないが、それを恥じたことは一度もありません。
ただ、娘の進路相談でその話が出るとは、考えてもいませんでした。娘がどんな顔で担任の言葉を聞いていたのか、想像するたびに苦しくなりました。
校長室で知ったこと
翌日、校長室に担任と校長が揃っていました。担任は「言い方が悪かったかもしれません」と言いました。俺が聞いたのは一つだけです。
「うちの娘の成績は何番ですか?」
担任が「学年で3番です」と答えた。俺は言いました。
「中卒の父親に育てられても、ちゃんと育っています」
それから、校長からひとつ聞かされました。娘は進路相談で父親の話を聞かれるまで、誰にも俺の学歴を話したことがなかったそうです。担任が「なかなか話してくれなくて」と言いました。あの子は3年間、ひそかに守り続けていたのです。
そして...
校長室を出ると、娘がそっと俺の手を握りました。その小さな手を感じながら、俺は何も言えませんでした。勝った気はしない。ただ、目頭が熱くなりました。この子の父親で、よかった。それだけで十分でした。
(40代男性・自営業)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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