同窓会で「服もメイクも髪型も、全部ダサかったよね」と笑ったら、私が恥をかいてしまった話
あの頃の記憶、曖昧な優越感
正直に言えば、学生時代の彼女のことはあまり覚えていませんでした。覚えているのは、いつも地味な服を着ていたこと。メイクもしていなくて、髪型にも無頓着だったこと。当時の私たちのグループでは、そういう子は話題に上がることすらなく、存在が薄かったのです。
同窓会の会場で彼女の姿を見かけたとき、昔の印象のまま、つい軽い言葉を口にしてしまいました。「あー、あの子? 服もメイクも髪型も、全部ダサかったよね」「正直、あんまり覚えてないかも」。周りも笑っていたから、悪いことを言っている自覚すらなかったのです。
あの雑誌の名前が出た瞬間
学生時代の友人の一人が、彼女に声をかけたのはその直後でした。「今は人気ファッション誌で編集者をしているんだよね」。その雑誌の名前を聞いた瞬間、胸の奥がぎゅっと締めつけられました。私が毎月欠かさず読んでいる、あの雑誌。今日着てきたこのワンピースも、あの雑誌の特集を参考にして選んだもの。もしかしたら、彼女が関わったページを見てこの服を買ったのかもしれない。そう気づいたとき、自分の足元が崩れるような感覚に襲われました。
消したい「数分前の自分」
彼女と目が合いましたが、微笑んで、会釈をしていました。その後は周囲と穏やかに話をしていたのです。その姿が余計に眩しく、そして痛かった。「覚えてない」と笑った3分前の自分を、できることなら消してしまいたい。あの頃「ダサい」と思っていた相手が、私のおしゃれの基準をつくってくれていたなんて。恥ずかしさと申し訳なさが胸の中で絡み合い、まともに顔を上げることができませんでした。
そして...
同窓会が終わり、家に帰って自分のクローゼットを見つめました。並んでいる服の何着かは、きっと彼女たちが届けてくれたもの。人を見た目だけで判断し、過去の印象に縛られたまま笑っていた自分が、どれほど浅はかだったか。あの日の後悔は簡単には消えないけれど、これからは誰かを軽く扱わないと心に決めました。人の価値は、見た目の奥にある。そんな当たり前のことを、20年越しにようやく学んだ夜でした。
(30代女性・IT企業)
本記事は、読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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