結婚式で新婦の友人を「地味婚」とバカにした私→自分の結婚式が中止になって気づいたこと
あの日、私が笑ったもの
友人が少人数の結婚式を挙げたとき、私は内心で見下していました。「アットホームって言えば聞こえはいいけど、要は地味婚でしょ」。そんなふうに思いながら、本人にも軽い口調でそう伝えてしまったのです。「アットホームな式だったね。地味婚って感じ? 私はちゃんとした式場で挙げるつもりだから」と。
私は翌年、有名な式場で盛大な結婚式を挙げる予定でした。だからこそ、友人の選択が小さく見えたのだと思います。帰り道、SNSに「友達の結婚式行ってきた。アットホーム(笑)」と投稿しました。「いいね」がつくたびに、自分の感覚が正しいと確認できたような気がしていたのです。あの頃の私は、比較することでしか自分の価値を測れなかったのだと、今ならわかります。
白紙に戻った未来
それから一年が経った頃、婚約は解消になりました。理由はいくつもありましたが、どれも決定的で、引き返すことはできませんでした。残ったのは、式場の高額なキャンセル料だけ。あれほどこだわった会場も、演出のプランも、すべてが意味を失いました。悔しさと情けなさが混ざり合い、つい気持ちの整理がつかないままストーリーにキャンセル料への愚痴を投稿してしまいました。あの日友人の式を笑った自分が、今度は誰かの画面の向こうで、同じように見られているのかもしれない。そう思うと、胸の奥がじくじくと痛みました。
誰もついてこない場所で
心機一転、新しい環境に移りました。以前のように自分が場を仕切ろうとしましたが、誰も私の話に乗ってきません。前の場所では自然と周囲が集まってきたのに、ここでは私の肩書きも、かつての婚約者の会社名も、何の意味も持ちませんでした。飾りをすべて外された状態で向き合う人間関係は、驚くほど淡々としていて、そして厳しいものでした。自分には、肩書き以外に人を惹きつけるものがない。そんな事実に、初めて正面からぶつかったのです。
そして...
ふと思い立って、昔のグループに連絡を取ってみました。「元気? 久しぶりだね」と送ったメッセージは、全員に既読だけつけられ、返信はひとつも届きませんでした。あの頃の関係は、私が思っていたほど確かなものではなかったのだと、ようやく認めることができました。
そのとき、ふいにあの友人の結婚式が思い浮かんだのです。小さな会場に集まった人たちの、穏やかな笑顔。私が「地味」と笑ったあの空間には、飾らなくても残るつながりがありました。今の私にはまだ何もありません。けれど、ゼロから関係を築いていくことは、きっと恥ずかしいことではない。そう思えたことが、今の私にとっての小さな一歩でした。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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