結婚式の途中で突然元彼が乱入「まだお前のことが――」→会場のさりげない連携が私を守ってくれて...
余興の時間に現れた、招待していないはずの人
披露宴も中盤にさしかかり、友人たちによる余興が始まろうとしていました。和やかな空気の中、私は隣に座る夫と目を合わせて微笑んでいたのを覚えています。
そのとき、会場の後方から一人の男性が歩いてきました。見覚えのあるその姿に、私は一瞬で血の気が引くのを感じました。数年前に別れた元カレだったのです。招待状は出していません。なぜここにいるのか、頭が真っ白になりました。彼はまっすぐ前方に進み、余興をやっていた方からマイクを奪い取りました。
「俺はまだお前のことが——」
マイクを握った彼は、私のほうを向いてこう言い始めました。「俺はまだお前のことが——」。その瞬間、会場の空気が凍りついたのがわかりました。私は動けませんでした。こんな場所で、こんなタイミングで何を言い出すのか。恐怖と困惑で、頭の中がぐるぐると回っていたのを覚えています。夫の手が、テーブルの下でそっと私の手を握ってくれました。
夫の落ち着いた行動と、会場の「見えない連携」
すると、夫がゆっくりと立ち上がりました。取り乱すこともなく、スタッフのほうを向いてこう言ったのです。「すみません、次の余興をお願いします」。
その声を合図に、会場が動き出しました。音楽を流し、友人たちが何事もなかったかのように余興の準備を始めました。誰も元カレを見ない。誰も声をかけない。まるで「そこには誰もいない」かのように、式は淡々と進行していきました。スタッフに腕を取られ、会場の外へと連れ出されました。
そして...
式が終わり、夫と二人きりになったとき、私はようやく涙が出ました。「怖かった」と言うと、夫は「俺も少しだけ緊張したよ」と笑って答えてくれました。あの日、会場にいた人たちは誰も騒がず、責めず、ただ黙って私たちの式を守ってくれました。それがどれほど心強かったか、言葉ではうまく伝えられません。これから夫と歩んでいく日々の中で、きっといろいろなことがあると思います。でも、あのとき隣で私の手を握ってくれた人となら、どんなことも乗り越えていける。そんなふうに思えた、忘れられない一日となりました。
(20代女性・販売職)
本記事は、読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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