「年収1000万」と嘘をついた婚活男、私の職場に現れた瞬間...顔面蒼白になった理由
「ハイスペック」を誇る彼との出会い
35歳になった年、私は婚活アプリに登録しました。そこで出会ったのが、4歳年上の彼でした。プロフィールには「外資系企業勤務・年収1000万」と記載されており、メッセージのやり取りも丁寧で知的な印象を受けたのです。
初デートでは、高級レストランを予約してくれて、「いつもこういうお店で接待があるから慣れてるんだ」と笑っていました。仕事の話になると専門用語を交えながら自信たっぷりに語る姿に、私は「しっかりした人なんだな」と安心感を覚えたのです。
私の仕事について聞かれたとき、「小さな会社で働いています」とだけ答えると、彼は「そうなんだ」と興味なさそうに頷きました。その反応に少し引っかかりを感じながらも、交際はスタートしました。
繰り返された見下しの言葉
付き合いが深まるにつれ、彼の言葉の端々に気になるものが増えていきました。「君は低収入だからわからないかもしれないけど」「俺くらい稼いでると税金も大変なんだよ」。そんな言葉が、何気ない会話の中に何度も挟まれるようになったのです。私が「そうなんだね」と相槌を打つと、彼は満足そうに頷いていました。
ある日、将来の話になったとき「結婚したら君には家庭に入ってほしい。俺の収入があれば十分だから」と言われたことも。私の仕事について深く聞こうともせず、「どうせ大したことない」と決めつけているような態度が続きました。心のどこかで違和感を覚えながらも、私は何も言わずにいたのです。
実は私が、従業員30名ほどの会社を経営していることを。でも、それを伝えるタイミングを逃したまま、時間だけが過ぎていったのです。
面接室での思いがけない再会
ある日、私は自社の中途採用面接に同席していました。社長として最終確認をするためです。次の候補者の履歴書に目を通したとき、貼られた写真を見て息が止まりました。そこには、紛れもなくユウジさんの顔があったのです。職歴欄には中小企業の名前が並び、現在の年収は「420万円」。外資系という言葉はどこにも見当たりませんでした。
面接室のドアが開き、彼が入ってきた瞬間、私たちの目が合いました。上座に座る私を認めた彼は、一瞬で顔色を失っていきました。「社長の○○です」と名乗った私の声に、彼は何も言葉を発することができず、ただ立ち尽くしていました。面接は形式的に進められましたが、彼の声は終始震えていたのを覚えています。
そして...
あの出来事から半年が経ちました。彼とはそれきり、連絡を取ることはありません。不思議と、怒りや恨みといった感情は湧いてきませんでした。ただ「なぜ自分を偽る必要があったのだろう」という、静かな疑問が残っただけ。
そして同時に、私自身も「なぜ本当の自分を見せなかったのだろう」と考えるようになりました。肩書きや収入ではなく、ありのままの自分を受け入れてくれる人と出会いたい。今はそう思っています。
最近、仕事を通じて知り合った方と食事に行く機会がありました。まだ何も始まっていませんが、今度こそ、最初から正直な自分でいようと決めています。等身大の自分を大切にしてくれる人と、穏やかな未来を築いていけたら。そんなささやかな希望を胸に、私は今日も静かに歩み続けています。
(30代女性・経営者)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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