亭主関白の夫「なんでこんなこともできない!?」→耐えられなくなって「離婚したい」と伝えた結果
思い描いていた新婚生活との違い
交際中の彼は、いつも穏やかで優しい人でした。デートの帰り道には「疲れてない?」と気遣ってくれ、私の些細な話にも楽しそうに耳を傾けてくれたものです。「この人とならきっと幸せになれる」。そう確信してプロポーズを受けました。
しかし、一緒に暮らし始めてから、夫の様子は少しずつ変わっていったのです。新居での生活が始まると、夫は家の中のあらゆることに口を出すようになりました。料理の味付け、食器の並べ方、タオルのたたみ方……。「実家ではこうだった」「普通はこうするだろ」。そんな言葉が、毎日のように私に向けられるようになったのです。
新婚のはずなのに、家に帰るのが憂うつになっていく自分がいました。
「なんでこんなこともできない!?」
ある休日の朝のことでした。私は少し寝坊してしまい、朝食の準備が遅れてしまったのです。慌ててキッチンに立つ私に、夫は冷たい声で言いました。
「なんでこんなこともできないの? 社会人として当たり前のことだろ」
その言葉に、私は何も言い返せませんでした。平日は私もフルタイムで働いていて、仕事から帰れば夕食の支度や洗濯が待っている。それなのに夫は、家事を手伝おうとはしません。「俺は稼いでるから」というのが夫の言い分でした。
新婚なのに、どうしてこんなに苦しいのだろう。夜、一人でベッドに横たわりながら、涙が止まらなくなることが増えていきました。このまま何十年もこの生活が続くのかと思うと、胸が締め付けられるようだったのです。
「離婚したい」と伝えたら…
結婚して4か月が過ぎた頃、私はとうとう限界を感じていました。このままでは自分が壊れてしまう。そう思い、ある夜、夫に向き合う決心をしたのです。
「あなたと離婚することを考えています」
声は震えていましたが、私は夫の目をまっすぐ見て伝えました。夫は一瞬、時間が止まったかのような表情を浮かべ、それから黙り込みました。
「……本気で言ってるのか」
「本気よ。毎日怒られて、否定されて……私、もう限界なの」
夫はしばらく何も言えない様子でした。やがてぽつりと「そんなつもりは……」と漏らしましたが、その後は長い沈黙が続いたのです。
そして...
あの夜から、夫は明らかに変わり始めました。翌朝、珍しく夫の方から「昨日言われたこと、考えてた」と話しかけてきたのです。
「俺、親父がそういうタイプだったから、それが普通だと思ってた。でも君がいなくなるかもって思ったら……怖くなった」
その言葉を聞いて、私は少しだけ救われた気持ちになりました。夫は自分なりに振り返ってくれていたのです。
それから私たちは、週に一度「話し合いの時間」を設けるようになりました。お互いの不満や気持ちを、冷静に伝え合う時間です。まだぎこちないところもありますが、夫は少しずつ私の話を聞いてくれるようになりました。
新婚でこんなことになるなんて、と思ったこともあります。でも、まだやり直せる時期に気づけてよかったのかもしれません。完璧な夫婦にはなれなくても、二人で歩み寄る努力を続けていきたい。そんな静かな希望を胸に、私たちは今日も小さな一歩を重ねています。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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