Q. 「こたつは、やけどや死亡リスクがあって危険」って本当?【医師が回答】
【医師が回答】こたつは安全性の高い暖房器具の1つですが、注意した方がいい点もあります。分かりやすく解説します。(※画像:amanaimages)
Q. 「こたつは、やけどや死亡リスクがあって危険」って本当?
Q. 「寒い季節になると毎晩こたつでうとうとしてしまいます。『こたつで寝ていて死んだ人がいる』『深い低温やけどにつながるから危険』と聞いて、少し不安です。本当にこたつは危険なのでしょうか? 注意すべき点があれば教えてください」
A. 過度な心配は不要です。いくつかのリスクに注意しましょう
死亡例や低温やけどなどの事故の話を耳にすると、不安になってしまうと思います。しかし、過度に心配する必要はありません。入浴中に心筋梗塞が起きるリスクと同じく、こたつで温まっているタイミングで急変が起こることはありえますが、基本的にはこたつは安全性の高い暖房器具です。
こたつについて、いくつかのリスクを挙げておきましょう。まず、長時間こたつで眠りこんでしまった場合、大量の汗をかいて脱水状態になることがあります。その結果、血液が濃くなり、血栓ができやすくなることで、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まる可能性は否定できません。
また、寒い部屋とこたつの中の温度差が大きいと、自律神経が乱れ、風邪をひきやすくなることもあります。個人差がありますが、体調が優れないときには注意が必要です。
さらに、医学的に注意すべき点として、「低温やけど」「脱水」「事故」「火災」の4つが挙げられます。高温でなくても、長時間さらされるとやけどを起こしますし、スイッチの切り忘れで火災を起こすことがあります。乳幼児や高齢者はもちろん、健康な人でも飲酒後にこたつで眠るのは危険を伴います。特に小さな子どもの場合は、こたつで温まることそのものよりも、こたつ布団で顔が覆われたり、コードに足を取られたりすることによる事故の危険性があります。
安全にこたつを使うためには、こまめな水分補給や電源管理、布団や周辺の整理が大切です。
小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院にて小児科診療に従事。論文発表・学会報告多数。診察室に留まらず多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。
執筆者:清益 功浩(医師)
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