彼が「本当の私」を見てくれていない!【ひとみしょうの男ってじつは】
それなりにいい大学を出て、それなりに美人で、性格もまあまあいい女性のことを、男は「女神」と思ったりします。「神」という表現が強すぎるなら、「俺とは別の存在だ」とか「俺より育ちがよさそうでかなわない」と思ったりします。付き合う前も後も。
が、当の女子からすれば、女神だなんて思われたら肩が凝ってしかたないし、なにより「本当の自分」を見てくれていない気がしてつらいでしょう。
ではどうすればいいのかについて、以下に一緒に見ていきましょう。
あなたにとっての「本当の自分」
あなたにとっての「本当の自分」とは、ルックスも性格も端正で、頭脳明晰で、仕事もできて、コミュ力も高くて、というような自分ではなく、ちょっとズボラで、ちょっと天然で、何事も必死になって努力するというよりまあまあできていればそれでよく、というような「普通」の人でしょう。
しかし、そういう女性のことを、冒頭に書いた通り、男たちは見た目で判断して美化します。そこに問題があります。
が、男は、これまた冒頭に書いたとおり、そういった女性をどうしても美化して見てしまう生き物なので、どうしようもできません。男ってそういうものなのだ、と思うしかありません。
ただ、まれにそうじゃない男がいます。彼らは「女子の実態」を熟知しています。なので、他の多くの男性が「美人すぎて声を掛けれない」と思っていても、普通に声を掛けます。もちろん「美人すぎる」とか「俺より頭がいいはず」とか「いついかなる時も怒らなさそうで人間ができてる」とは思います。でも彼女の前で緊張しません。
そういう男性と出会えたら、きっと女性は幸せでしょうし、「そのままの君が好き」なんて言われたらさらに幸せでしょう。
でも、そういう男性はすごく数が少ない。今時、「人を見る目」に長けていて「そのままの相手」を評価できる人は少ないからです。
なので、「本当の私を見てくれない問題」は、男性側の問題として語っても、これといった答えが得られそうもない。
「本当の自分」ってなんだろう?
ということで、次に女性の側からその問題を見たいと思います。
つまり、「本当の自分」ってなんだろう?という問題です。
誰もがすぐに浮かぶ答えとして「よそゆきではない、普段着のラフな自分」が「本当の自分」である、という答えでしょう。
これはたしかにそのとおりですね。
自分のなかの「ちょっとダメな自分」とか「完全にプライベートでしか見せない自分」を「本当の自分」と呼称している人がきっと多いでしょう。
では、その「本当の自分」とはなにか?
この問いに関しては答えられない人が多いかもしれませんね。そんなこと考えたこともない――。
答えのひとつを挙げるなら、「そうありたい自分」です。よそゆき顔のバリアを張った自分ではなく、もっとラフに、いい加減に生きる自分でありたい。その自分こそを私は「本当の自分」と呼称しており、その自分を見抜いてくれ、愛でてくれる男性と付き合いたい、と――。
希望が生まれるとき
そのような男性とやがて出会えるので大丈夫です――これがひとつの答えです。
私たちは心の底から願い、祈ることが現実化することもある、と知っていますね。なので、願い祈り続けるとやがて出会える、つまり奇跡は起こる。こう考えることに、さほど無理はないように思います。
なぜなら、「本当の自分」って、根も葉もない絵空事ではなくて、よりよく生きたいとなぜか願う心の中のもうひとりの自分のことだからです。
私たちの心の中には、神様とか永遠と呼ぶにふさわしい何者かがいて、その何者かはつねに「本当の私はこうだ」「本当はこう生きたい」「こう評価されたい」と願っています。その永遠を諦めるのではなく、また他者に対して隠すのではなく、永遠に向かってまっすぐ歩く。このことから真の希望が萌芽するのです。
ちょっとズボラで、ちょっと天然で、何事も必死になって努力するというよりまあまあできていればそれでよく、というような「本当の自分」を生き、その自分を他者に評価され抱きしめてもらいたい。
こう願い、祈り続けることで「いい彼氏」に出会えます。隠したり諦めたりするから出会えないのです。
※参考 『希望を生みだす方法』ひとみしょう(玄文社)2021
(ひとみしょう/作家・キルケゴール協会会員)
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