何、その言い方! 「言ってる意味、分かる?」と言ってくる人への対処法
仕事やプライベートで、「ちょっと気に障る発言をされた」という経験はありませんか? そんな時本音を伝えられたらラクだけれど、大人だから自分が我慢すればいいやと感情を押し殺してしまう人も多いでしょう。
この連載では、そんな場面に次回遭遇した時に自分なりに納得できる対応ができるよう、スマートなリアクションや対処法をOLコラムニストのぱぴこさんが紹介してくれます。
モヤモヤする気持ちは溜め込みすぎず、適切にリアクションすることで成仏させましょう!
■今回の気に障る発言
「言ってる意味、分かる?」
上司のこの言葉が、とにかく気になります……!
私の理解度を確かめてくれているのは分かるのですが、どうしてもバカにされているように聞こえてしまうんです。てか、バカにしてますよね?
「そもそもお前の話が分かりずれーから理解できねんだよ!」と本音を漏らしそうになるですが、大人なので「すみません、理解できていません」としか返答できず。
説明下手な上司に分かるように説明してほしい時、どんなリアクションをするのが正解なのでしょうか?
うっ!!! 昔のトラウマが蘇る!!! 過去に上司に言われたあの日が思い出されて過呼吸を起こしてしまいそう……。
私も何度も言われたことがある「言っている意味、分かる?」。
類義語で「普通に分かると思うけど」「当たり前のことだけど」「常識だけど」など、おもんぱかってくれているように見せかけて、詰められているように感じる言葉があります。言われた側は委縮したり、憤りを感じてしまったりするこの発言。なぜモヤっとするのでしょうか?
端的に「バカにされているように感じる」からです。できる人から言われると「すみません、無能で……」と感じるし、できない人から言われれば「分かるわ、ボケ!」とムカつきます。
しかし、その根底に共通するのは「バカにされている感」「見下されている感」に対する抵抗感や反発心です。
発言者側はわざと意地悪をしようとしていたり、パワハラ、モラハラの気がないのであれば、大した意図はなく「意味分かる?」という言葉通りの意味で使っていたりします。なんなら、そう質問している本人は親切心で「意図が正しく伝わっていますか?」と聞いているつもりなので性質が悪い。
「自分の説明に過不足がないですか?」「言い方などで分かりにくい点はありませんか?」など親切心が含まれているのですが、受け手的にはそう思えない。「だったらそう言えよ!」と思ってしまいますが、そんなところも含めてコミュニケーションが下手くそな人が発しがちな一言かもしれません。
■この発言の問題点と対処法&リアクション
「お前はその言葉を発する意味を分かっているのか?」と真顔で反論したくなりますが、そんなことできるわけありません。
今回の問題点は以下の3つです。
(1)「言っている意味、分かる?」という表現の問題
(2)上司の説明がそもそも分かりにくい問題
(3)自分の理解力や背景知識が足りない問題
1つずつ、見ていきましょう。
◇(1)「言っている意味、分かる?」という表現の問題
冒頭でも触れたように「言っている意味、分かる?」という言葉は、受け手に抵抗感や反発心を呼び起こさせる表現です。いわゆる「言っていることは正しいが、言い方が悪い」という種類の問題ですね。
今回の相談では、上司はそもそも説明が分かりづらいとのことですが、理路整然と説明してくれて、非常に分かりやすい説明をしてくれる人から「言っている意味、分かる?」と聞かれても多くの人はきっとモヤっとします。
学会で、その分野の権威が「この分野は詳しくないのですが……」「素人質問で恐縮ですが……」とキラーパンチを繰り出してくる事例は有名ですが、これと同じことです。
ニュアンスや表現といったコミュニケーションの問題で、当人は意識していない場合が多いため、改善に向けて取れる行動は以下の2つです。
1つ目は、率直に「表現が強く感じて委縮してしまうので、気をつけてほしい」とリアクションすること。
2つ目は、「そういう人だ」と割り切ることです。
上司だからこそ、コミュニケーションについてのかけ違いがあると日々のストレスが蓄積されます。相手の変化か、自分の変化しか解決策はないので、どちらか、あるいはどちらも無理のない範囲で試してみましょう。
◇(2)上司の説明が分かりにくい問題
そもそも「説明が分かりづらい」というのは、コミュニケーションコストが高いだけでなく、上司の意図が適切に伝わらないリスクをはらむ問題です。
「説明が分かりにくいので改善してください」と言えればラクですが、そうもいかない。しかし言わないと一生伝わらない。ジレンマです。
でも、「聞き返し方」の種類を増やすことは重要なので、その練習をしましょう。
幸い「言っている意味、分かる?」と確認はしてくれるので、分からない点はどんどん質問してしまうのが吉です。
「私の理解が足りなくて、〇〇の点が分からなかったのですが」(再説明の要求)
「××と言っていたのは、△△という意味で合っていますか?」(別の表現での確認)
「おっしゃる内容は分かったのですが、具体的に着手の方法が分からないので、サポートいただきたいのですが」(並走の依頼)
このように聞かれると、本人も「分かりにくい説明をしている」と自覚してくれる可能性もありますし、「何が分からないのか」が相互にクリアになります。
また、何がなんだか分からない場合は、会議の目的や確認事項をテキスト化して「これに答えてもらう」と項目化するなどの工夫が必要です。
◇(3)自分の理解力や背景知識が足りない問題
自分の理解力、もしくは業務知識や周辺知識が足りないことで、「言っていることがよく分からない」という場合もあります。
私も新人の頃に、IT知識がゼロの状態で出席した会議では、出てくる単語の意味が分からず、「日本語で喋ってるの!?」というレベルで何を言っているのか全く理解できませんでした。
これは極端な例ですが「前提にしている知識範囲が違う」と、双方の前提知識が違うことにより「説明が分からない」は容易に発生します。
よって、「自分のせい VS 相手のせい」を自分自身で客観的に判断することは難しいので、「周囲の人は上司をどう評価しているか」の情報を集めるのも大切です。情報源は、できる限り年齢や性別に幅がある方が比較しやすいでしょう。
比較した結果、周囲の人もお墨つきの「説明が分かりにくい人」と判断するならば、(2)の解決策で提示した「聞き返し方」の種類を増やし「分かりにくい説明をしている」と自覚をさせたり、「何が分からないのか」が相互にクリアになるよう働きかけたりするとよいでしょう。
反対に、自分の理解力や背景知識が足りないと判断した場合は、どのような部分で上司と噛み合わないのか、理解にギャップがあるのかをまずは確認すること。そして、自分の不足部分を自覚してキャッチアップする努力と、分からない部分やギャップがある部分については、上司に再説明を依頼することも必要です。
■冷静な分析スキルで対処しよう
3つの問題点と対処法を解説しましたが、上司の言葉の足りなさや説明不足を、真意の伝わらないリアクションのみで解決するのは正直難しいです。
「いや~私の頭が足りなくて、ちょっと分からなかったので、ぜひ! もう一度! 説明していただけます!?」と明るくカラっと聞いたらいいよ! と言われたらあなたはできますか? 私は無理です。そもそもできるキャラならすでにやっています。
「これをやれば解決」という魔法の杖はないので、「そもそもお前の話が分かりずれーから理解できねんだよ!」と言いたくなった時は、一旦上述した方法を試しつつ、大人なリアクションで全方位がストレスフリーに過ごせる状況を目指しましょう。
(文:ぱぴこ、イラスト:のがみもゆこ)
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