男性の庇護欲ってなんだろう?【ひとみしょうの男ってじつは】
さて、今回は、というか、今回も、きれいごと抜きにさくっといきますね。
庇護欲、つまり、誰かのことを守りたいと思う気持ち、についてお話しましょう。
男性は女性のことを守りたいと思っているはずだ、とか、思っているだろう、というのは、ある面から見れば間違っています。女性の幻想です。しかし、別の一面から見れば、とても正しいものです。
すでに「嘘」とわかっていること
男性が女性のことを守りたいと思っているのは嘘だ、そんなのは幻想だ、ということは、少なくとも50年以上前にわかっていることです。
すなわち、(少しむずかしい言い方をすれば)、それは家父長制度の崩壊のことです。
戦前は、たとえば、お父さんが「絶対に」一番風呂に入っていました。「お父さん帰りが遅くなるらしいから、お母さん先にお風呂に入るね」なんて会話は、戦前には「絶対に」なかったのです。
お風呂も食事も、すべて「男」であるお父さんが一番。次に長男。そう「決まっていた」のです。
なぜなら、「男は<女子供>を庇護している」という「幻想」を、誰もがうすうす「嘘だ」と知りつつも、「王様は裸だ」とは「絶対に」言えない雰囲気があったから。
戦後、サラリーマン家庭が激増します。核家族化が急速に進みます。お父さんは毎日疲れて帰ってきます。給料日には薄い封筒をお母さんに手渡します。「飯はまだか?」「風呂」「寝る」お父さんのそんな短い言葉を聞きながら子どもたちは「へんな人」と思います。
「ちょっとへん」なお父さん
そう!じっさいに「ちょっとへん」なのです、お父さんって。
会社でこき使われて、家に帰ると部屋数が少ないから落ち着ける場所がない。だから居間で「我慢しつつ」黙って新聞を読む(ふりをする)。朝晩の通勤は文字通り「地獄」――そういう暮らしぶりのなかで、ちょっとへんにならない人の方がへんです。
かくして、お父さんはただの疲れている人、という風潮が社会全体を覆うようになります。
つまり、「お父さんは家族を守るために毎日会社に行っているけど、でも、なんかうちら守られてないよね、守るってああいうのじゃないよね?」と考える人が増えます。
で、ここ20年くらい、「はたらく女性」が増えると、もう終わりです。女性も男性並みに稼げるとわかると、男は「用なし」になります。
というわけで、男性の庇護欲は失墜したばかりか、「ただの幻想」になってしまったのです。
男性の庇護欲
とは言うものの、まわりを見渡すと、「彼女のことを守っている彼氏」とか「妻のことを庇護している旦那さん」っていますよね?
そういう男性は、「男」として愛する人を守っているのではないのです。「人として」守っているのです。
これまで「男の」愛情、とか、「女の」愛情、など、「愛」の前に性別をつけて語られることがしばしばありましたが、これが嘘なのです。
愛に男も女もありません。愛は愛です。「人としての」愛があるのみです。
「お姫様願望」を満たす男たち
ちょっと話を脱線させます。
キャバクラ業界に「チ●コ管理」という言葉があります。
ある特定のキャスト(キャバ嬢)の願望や欲望を満たすべく男が「しもべ」のように彼女に尽くした結果、彼女は「その気」になり、男に身体を許します。許してしまえば最後、彼女は「男のために」無理してまではたらくようになります。売上が店のナンバー1になります。そのお金は……男に貢ぐ金になります。
ある種の男は、「なにをすれば女子が『わたし守られてる』と思うのか」を熟知しています。だから、彼女が「お茶」といえば、コンビニダッシュでお茶を買ってきます。「明日の朝6時に起こして」と言えば、どんなに疲れていても6時に電話で起こします。
女子の願望と欲求を「的確」に「すべて」満たし、かつ、「適切な距離」を保っていると、女子は「守られている」と感じるようになり、やがてパンツを脱いでくれる。「ちょっとありえないこと」を男にしてくれるようになる――こういうことを知っている男もいるのです。
気をつけましょう。
大切な人を守るのに男も女もない
と書いても、やっぱり「男らしい彼氏」「男らしくわたしのことを守ってくれる男性」に惹かれる女性はいますね。
でもそれも幻想ですよ。
なぜなら、女性のなかにも「男らしい愛」で彼氏を愛する人っているからです。彼氏に「おれについてこい!」と言う「女性」。美人でかわいいのに「おれについてこい」と言う女性って、ちゃんといるんですよ。
つまり、彼女の中の「男性的な部分」が前に出ているということ。同様に、彼氏の中で女性的な部分が前に出る場合もあります。男性性と女性性の両方がバランスよく出る人もいます。そういう人は「中性的」と呼ばれたりしますが、ようするに「人として」人を愛することのバランス感覚に優れているのです。
大切な人を守るのに、男も女もありません。人は大切な人を「人として」守りたいと思うのです。
(ひとみしょう/作家・キルケゴール協会会員)
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