バカリズム脚本作品、「映画だからといって変えることのないようにしました」 まったりと楽しめる映画「架空OL日記」を紹介
市川実日子主演、バカリズム脚本の新ドラマ「ホットスポット」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系)が、2025年1月12日(日)より放送を開始する。バカリズム作品といえば、「ブラッシュアップライフ」や「素敵な選TAXI」など、SFチックな作風が特徴的だが、一方で共感性の高い何気ない会話劇なども持ち味の一つ。中でも“OLたちの日常”を描いた「架空OL日記」はドラマティックな展開こそないものの、思わず聞き入ってしまうような登場人物たちの“リアリティあふれる会話”が繰り広げられる。そんな同ドラマは2020年に映画化もされており、動画配信サービス・Huluにて見放題配信中。そこで本記事では、映画「架空OL日記」のあらすじや見どころについて紹介していく。
坂井真紀、志田未来、シム・ウンギョンらが新キャストとして投入
お笑い芸人としてだけでなく、俳優や脚本家といったマルチな活動で才能を発揮するバカリズム。そんな彼が2006年からこっそりと3年間したためていたブログ「架空升野日記」。バカリズムが銀行で働くOLになりすまして日常のあれこれを綴ったそのブログの内容は、どこから見てもOLそのもの。のちに種明かしをして正体が“バカリズム”だと明らかになった際、あまりのOLとしての解像度の高さに「女心が分かりすぎている」「嘘だろ」など、話題騒然となった。
そんなブログは2013年に書籍化され、2017年には待望のドラマ化が決定。主人公をバカリズム本人が演じ、夏帆や臼田あさ美、佐藤玲、山田真歩といった実力派たちが仲良し5人組OLを演じる。バカリズムがそのままの姿で登場し、絶妙にOLたちに溶け込んでいるシュールな姿や、OLなら一度は共感したことのある“あるある”をふんだんに盛り込んだ同ドラマ。バカリズムならではの脚本は世間でも高い評価を受け、「第55回ギャラクシー賞」奨励賞や「第36回向田邦子賞」を受賞した。
そして2020年に劇場版として公開された映画「架空OL日記」は、“映画だから”とスケールを広げすぎることなく、ドラマと同様にOLたちの日常を淡々とユーモラスに、また時に辛辣に描いた作品となっている。
キャストに関しては、ドラマ版のメインキャスト5人に加え、機嫌の波があり怒ると怖い課長役として坂井真紀が、主人公・“私”(バカリズム)の地元の友人役として志田未来と石橋菜津美が出演。さらに、映画「新聞記者」でアカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた韓国人女優のシム・ウンギョンが、海外採用で入行した銀行員を演じている。
ドラマ版の世界観をそのままに、気軽に楽しむことができる脱力系作品
物語の主人公は、銀行で働くOL“私”(バカリズム)。眠気と憂鬱に耐えながらしっかりとメイクをし、満員電車に揺られ、職場の最寄り駅で同期のマキ(夏帆)と合流する。価値観が近くて気の合うマキと会話をしながら職場へ着くと、更衣室で後輩のサエ(佐藤玲)や先輩社員の小峰(臼田あさ美)、酒木(山田真歩)が加わり、いつものように仕事前のおしゃべりに華を咲かせる――。
時にはブラックジョークも飛び出す本作では、「月曜日はみんないつもより性格が悪い」「ノーザン(ノー残業デー)の朝は比較的憂鬱度が低い」など、誰もが共感できる“あるある”を取り上げ、永遠に聞いていられる彼女らの軽快なトークが最大の見どころだ。
当時映画化が決定した際、バカリズムは“ドラマ版との違い”について「映画だからといって変えることのないようにしました。ドラマ版と同じ世界で、その世界が壊れないように。ドラマ版を見ていた人もすんなりと作品に入れるように心がけました」とコメント。さらに、「ドラマ版と一緒で、これといった事件は起きないのですが、見る人が心地好く、ずっと見ていられる作品だと思います」と語っていた。そのため本作は、ドラマ版と同様に意気込まずにゆるく鑑賞できる作品に仕上がっている。
誰もが共感できる日常の“あるある”を絶妙な空気感で描いた本作。Huluでは劇場版に加え、ドラマ版(全10話)も配信中。脱力しながら楽しめる作品のため、年末年始に一気見するのもアリかもしれない。
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