

ディズニー新作で“ヒロイン”務める屋比久知奈とは? 女子大学生時代の“鮮烈デビュー”から7年 多彩な役をこなすミュージカル俳優に<モアナ2>

12月6日(金)に公開されるディズニー・アニメーション映画最新作「モアナと伝説の海2」で、2017年公開の前作に続いて主人公・モアナの日本版声優を務める屋比久知奈。前作当時はまだ沖縄県在住の大学生だった彼女もキャリアを重ね、多彩な役をこなすミュージカル俳優に。前回の冒険から3年の時を経て、妹ができたモアナの成長ぶりを見事に表現している。新作公開を前に、屋比久のキャリアをたどる。
女子大学生時代に「モアナ」に抜てき
1994年6月6日生まれ、沖縄出身の屋比久は家庭環境も相まって幼少期より芸術を身近なものとして過ごし、4歳の頃から始めたクラシックバレエは、今では指導もできるほどの腕前。琉球大学在学中に映画「モアナと伝説の海」(ディズニープラスで配信中)のオーディションを受け、ヒロイン・モアナ役に抜てきされた。当時は無名の新人だったことから、“シンデレラガール”と大きな脚光を浴び、2017年3月に映画デビューを果たす。
大学卒業後は上京し、本格的に芸能の道へ。翌2018年6月に東京・本多劇場で上演されたオフィス3○○(さんじゅうまる)40周年記念公演となる超音楽劇「肉の海」では、シン・アリスとヒロイン・美希子の二役を演じ分け、同年秋に上演されたトム・サザーランド演出のミュージカル「タイタニック」にも出演。子どもの頃から夢見ていたプロとしてのミュージカル作品出演も実現させた。12月にはリーディングドラマ「シスター」で、「モアナと伝説の海」にてモアナ役とマウイ役として対峙(たいじ)した尾上松也と再共演するなどして、キャリアを重ねていく。
2019年にはオーディションを経て東京・帝国劇場で上演された“ミュージカルの金字塔”「レ・ミゼラブル」にエポニーヌ役で出演(トリプルキャスト)。帝国劇場の舞台作品にはこれが初出演だが、本格デビュー前に同舞台は踏んでいた。実は大学3年生の時に、ミュージカル曲の歌唱力を競う「全国拡大版ミュージカル・ワークショップ『集まれ!ミュージカルのど自慢』」に応募。全国から2000人を超える応募がある中、帝国劇場で行われたグランドファイナルまで駒を進め、最終選考では同ステージでミュージカル「ミス・サイゴン」(のちに出演も果たした)の曲目「命をあげよう」を歌い上げ、最優秀賞を受賞していた。幼少の頃から音楽に触れ、歌唱力にも定評のある彼女ならではのエピソードだ。「レ・ミゼラブル」は2021年公演、2024年12月20日(金)に初日を迎える現・帝国劇場最後の同作公演にも同じ役で出演する。
「ジェーン・エア」では上白石萌音とWキャストで2役好演
「レ・ミゼラブル」以降も「天使にラブ☆ソングを~シスター・アクト~」や「NINE」「屋根の上のヴァイオリン弾き」「GREASE」「next to normal」などで幅広い役を務め、2023年にはジョン・ケアードが脚本・作詞・演出を手掛けるミュージカル「ジェーン・エア」にて、上白石萌音と共に主人公のジェーン・エア役と親友ヘレン・バーンズ役を役替わりのWキャストで演じた。
この大役に屋比久は「本当に大きな挑戦だと思っています。2役を演じることでそれぞれの役の気持ちがずっと深まると思うので、真摯に2人の女性と向き合いたいです。見てくださったお客様に、明日に向かっていく希望や勇気、信じる大切さといったポジティブなエネルギーを持って帰っていただけるよう精いっぱい努めます」とコメントを寄せていたが、その言葉通り見る者がポジティブなエネルギーをもらえるような演技を見せ、2役を体現。Wキャストの上白石からは同作の囲み取材時に「笑みを絶やさず、ガシガシと己を磨く姿を見ていて『こんな人がいるんだ』と刺激を受けています」と言われるほど、エネルギッシュに役に挑んだ。
常に前を向き、一度取り組み始めたら最後まで努力を惜しまない。高校時代にはアメリカ・ミシガン州に約10カ月間海外留学しており、TOEICスコアは驚異の915点をたたき出すほど英語が堪能。英語の歌詞が入る楽曲を歌っても違和感が全くない、どころか聞き惚れてしまうのは、この英語力の高さによるところも大きいのだろう。
そして前作「モアナと伝説の海」公開から7年、一回りも二回りも大きく成長した屋比久が再びモアナ役として帰って来た。新作は、前作の冒険から3年がたち、海と特別な絆で結ばれた主人公・モアナが、すべての海をつなぐ1000年に1人の「タウタイ(導く者)」となり、彼方の島にいる人々を探すことに。ある日、人間を憎み世界を引き裂いた「嵐の神の伝説」を知ったモアナは、その呪いを解くため、変幻自在な半神半人の英雄・マウイや新たな仲間と共に、世界を再び一つにする航海に繰り出す――という物語だ。
先日行われた今作のメイン楽曲の一つである「ビヨンド ~越えてゆこう~」の初歌唱イベントでは、あらためてモアナ役に続投が決まったときの心境を「本当にうれしかったです。私自身が作品のファンなので、また純粋にモアナとして新しい旅に出られるんだっていう喜びでいっぱいでした」と語った屋比久。新キャラも続々と登場するということで、ストーリーはもちろん彼らとの声の演技でのセッションにも注目が集まる。
もちろん、さまざまなミュージカル作品で大舞台を経験し、この7年間での歌の成長ぶりは誰の目(耳)にも明らか。先述の歌唱イベントで、前作に続いて音楽ディレクターを担当した市之瀬洋一氏が「前作の時よりも確実に成長しているのだが不思議とその純粋さは失われていない」「南国の海のように透き通り、表現は深く、自由なのに力強く――自然体のまま軽やかに歌いこなしている」「歌という音楽表現方法に迷いながらも真摯(しんし)に取り組んできた成果」などとつづった手紙を寄せ、彼女に最大級の賛辞を送っていた。
鮮烈なデビューから7年。地に足を着けて一歩一歩進んできた屋比久の“シンデレラロード”はまだまだ始まったばかりだ。
映画「モアナと伝説の海2」は、12月6日(金)に劇場公開される。
◆文=アルスラン鴫山
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