「ゴジラVSビオランテ」「ゴジラVSキングギドラ」など、シリーズ6作品を一挙放送 富山省吾プロデューサーのコメントも到着
BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)の放送枠「よる8銀座シネマ」と「土曜ゴールデンシアター」では、ゴジラ70周年を記念して、11月4日(月)より「平成・VSシリーズ」6作品を一挙放送。また今回の放送にあたり、「ゴジラVSビオランテ」以降12本のゴジラシリーズの企画製作に携わった富山省吾プロデューサーからのコメントも到着した。
3年余の準備期間を掛けた「ゴジラVSビオランテ」
11月4日(月)夜8時からは「ゴジラVSビオランテ」を放送。富山は、「『ゴジラ』(84)の後、公募ストーリーから選ばれた小林晋一郎さんの原案をもとに、3年余の準備期間を掛けて、脚本・監督大森一樹、特技監督川北紘一で制作。“スタッフを一新して、これまでと違うゴジラ映画を作る”という田中友幸プロデューサーの想いが結実した作品として、時と共に評価が上がっている。ビオランテは、多くのデザイナーの考案による苦心の造形。自衛隊の全面協力で臨んだ撮影や、デジタル視覚効果の走りなど見どころも多く、伊福部昭が手掛けた『ゴジラのテーマ』と、すぎやまこういちによる音楽の融合は必聴」とコメントを寄せている。
11月5日(火)夜8時からは「ゴジラVSキングギドラ」を放送。ゴジラの対戦相手に最強のキングギドラを迎え、「平成・VSシリーズ」の人気が定着した本作。キングギドラを、宇宙怪獣から未来人が生み出した怪獣に設定を変更し、さらには戦うヒロインの中川安奈扮するエミー・カノーが操縦するメカ怪獣へと変身させてゴジラとの最強決定バトルを展開する。大森演出のスピーディな運びと川北特撮の力業が、東京都庁大破壊と相まってファンを熱狂させた。トップシーンの空飛ぶ円盤に始まり、ゴジラ誕生秘話や人工知能アンドロイドの活躍などSF色に加えて、人気外国人タレントの熱演を楽しめる。
11月6日(水)夜8時からは「ゴジラVSモスラ」を放送。自然と女性の象徴である巨大蛾、モスラ。新怪獣バトラも登場しての三つ巴の戦いが、高層ビルの夜景が美しい横浜みなとみらいで繰り広げられ、実写・特撮・アニメが融合した川北特撮の外連味が開花した空中バトルと熱線ショーは名場面となった。モスラの歌とその自己犠牲のメッセージも強く、子供のファンの心を捉え、小林聡美やモスラファンである田中好子など女性キャストが輝いた。2大スター怪獣共演によって「平成・VSシリーズ」最高観客動員を記録。監督は大河原孝夫にバトンタッチ。
メインタイトル曲がファンの度肝を抜いた「ゴジラVSメカゴジラ」
11月7日(木)夜8時からは「ゴジラVSメカゴジラ」を放送。冒頭、伊福部の新曲である冒頭のメインタイトル曲がファンの度肝を抜いた本作。ベビーゴジラを登場させた三村渉脚本は怪獣の生命の絆を謳い、メカゴジラ=人間社会との対比を描く。ラドンまでもが登場したのは、ハリウッドゴジラに向けてシリーズ終了が予定されていたためで、対ゴジラ組織Gフォースなどフィクション色が増し、戦いに参加する三枝未希(小高恵美)の苦悩が深まる。特撮では、ゴジラが初めて京都に出現。圧巻はラストのゴジラとベビーゴジラの見つめ合いで、情愛あふれるゴジラの表情は川北特撮の快挙。
11月8日(金)夜8時からは「ゴジラVSスペースゴジラ」を放送。監督山下賢章・脚本柏原寛司・音楽服部隆之と、一新されたスタッフが異彩を放った「平成・VSシリーズ」の間奏曲。山下・柏原がちりばめたアクションシーンを縫って語られる、シリーズヒロイン小高恵美と橋爪淳の熱演による淡いラブストーリーも見どころ。敵怪獣スペースゴジラは“悪魔的”ゴジラとして人気を博す。バトルエリアは福岡タワー周辺で、川北特撮の見せどころはモゲラと結晶体ミサイル。何より、川北監督好みのリトルゴジラが愛くるしい魅力を放ち、渋いオヤジキャラを演じた柄本明と好対照を見せた。
11月9日(土)夜9時からは「ゴジラVSデストロイア」を放送。1995年に起きた阪神・淡路大震災への鎮魂を込めて、シリーズ最終作として大河原監督、大森脚本で「ゴジラの死」を描く。1954年の初代「ゴジラ」への合わせ扉として、オキシジェン・デストロイヤーから生まれた怪獣デストロイアが出現。さらには一作目のヒロイン河内桃子さんが再登場。伊福部レクイエムによって葬送されたゴジラの描写は川北監督が果敢にCGに挑戦し、特撮との融合で魅せる。
富山省吾プロデューサー コメント
1954年に製作され、900万人を超える日本人が観た映画。それが「ゴジラ」です。僕がゴジラの生みの親のひとりである田中友幸プロデューサーに命じられて「ゴジラVSビオランテ」の製作に就いたのは、1986年。
子供の頃からスクリーン上の大文字で見てきた「田中友幸」のアシスタントとして学んだこと、それは、「ゴジラは怖いけど可愛い」という教えでした。この二律背反こそがゴジラの魅力、そして魔力です。これを座右の銘として、「ゴジラVSデストロイア」まで6本の「平成・VSシリーズ」でプロデューサーを務めました。
近年では、庵野秀明監督が手掛けた「シン・ゴジラ」(16)、山崎貴監督による「ゴジラ-1.0」(23)など、それぞれの監督が作家性を全編に込め、創作への熱意と類稀なイマジネーションによって、アート性を高めた素晴らしいゴジラ映画が誕生しています。
デジタルの黎明期に開花した歌舞伎のような外連味たっぷりの光線や光粒子、金粉を駆使した川北紘一特技監督による特撮は「平成・VSシリーズ」の大きな見どころのひとつですが、そのアナログとデジタルを融合させた視覚効果は、現代にも受け継がれていると感じます。
ゴジラが、老若男女、国境、人種を問わずここまで愛されているのは、認知されたキャラクターとしてのゴジラの根源的な魅力によるとも言えるでしょう。これからも、作家性の強いゴジラ映画が生まれる期待と予感を抱いています。新しい才能による新たな表現と装いを纏いながら、ゴジラは愛され続けることでしょう。
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