

“大人になる”意味とは…?ピーターパンの言葉が響きフック船長に共感<ピーター・パン&ウェンディ>

ディズニーが名作おとぎ話「ピーター・パン」をアニメーション映画として発表したのは、1953年のこと。それから70年経った今、最新鋭の技術を駆使して実現した実写版「ピーター・パン&ウェンディ」がディズニープラスにて4月28日から配信された。ジュード・ロウがフック船長を演じることも話題の本作は、大人になるとはどういうことか、考えさせられる傑作に仕上がっている。
何度見ても飽きない夢の冒険
世代を超えて世界中で語り継がれる「ピーター・パン」。夢の国ネバーランドに住む空飛ぶ少年ピーター・パンはどれだけの子供たちをドキドキワクワクさせてきたか、その数は計り知れない。1911年にJ.M.バリーの小説「ピーター・パンとウェンディ」が発表されて以来、幾度となく映画化や舞台化がされてきたが、1953年公開のディズニーアニメーション「ピーター・パン」に最も親しみがあるという方も多いのでは?
ロンドンに住む3人姉弟のウェンディとマイケルとジョン。同じ部屋で一緒にお母さんが読むお話を聞いて眠りについていたが、ウェンディは寄宿学校に行くことになり、離れ離れになる日が近づいてしまう。そんな大人になりたくないウェンディの前に、ある日、影を探しにやってきたピーター・パンが妖精ティンカーベルと共に現れ、空を飛べる魔法の粉でいつまでも子供のままでいられる“ネバーランド”へと旅立つことに…。
ロンドンの時計塔と空を飛ぶ影、フック船長に忍び寄るワニ…、目を閉じれば浮かぶ名シーンの数々が実写化によってリアルに再現。「語り継がれるには理由がある」とフック船長役のジュード・ロウが話すように、製作陣は原作の世界観を損なわないよう最大限の注意を払ったことが感じられる。
大人になることの意味を問う少年ピーター・パンの言葉
原作小説と1953年公開のアニメに基づきながらも、個性を加えてオリジナリティを発揮したのは、デヴィッド・ロウリー監督。なお、ロウリーが監督を務めた2016年公開のディズニー映画「ピートと秘密の友達」は、1977年公開のアニメーション&実写の融合作品「ピートとドラゴン」(1977年)を、CG技術を用いて新たに実写映画化したものだ。
監督自身、これまで手掛けた作品の中でも“最も個人的”で“最も大人的”で特に気に入っていると話している本作。中でも力を入れたのが、ピーター・パンとフック船長の関係について物語ることだった。
会うたびに剣を振りかざし戦っている印象の強いピーター・パンとフック船長。互いを宿敵とみなし因縁の関係になった過去にはなにがあったのか?その知られざる秘密が本作で明らかになる。“大人になること”を決して受け入れないピーター・パンと大人になってネバーランドに戻ってきたフック船長。ウェンディが外の世界からやってきたことを機に、これまで続いてきた理想郷にも変化が起き始める。
ヒーローとヴィランが切っても切れない関係にあるように、ピーター・パンとフック船長もまた互いを映し合う鏡のようで、実は互いになくてはならない存在。「家に帰ったら楽しい冒険は終わる。あとは大人になるだけ」と話すピーター・パンの言葉に、大人の視聴者の心は疼き、思いがけずフック船長に共感してしまう瞬間も訪れるはずだ。
見事な再現度にあっぱれ 若手を中心に豪華キャスト集結
小さい頃から慣れ親しんできた思い出がある分、厳しい目で評価されることの多い実写作品のキャスティング。特に本作は70年の歴史がある分、脳裏に焼き付いたイメージがより強いが、それぞれのキャラクターの特性を見事に捉えたキャストが集結した。
軽快で冒険心溢れるピーター・パン役には、ロンドン出身16歳のアレクサンダー・モロニーが抜擢。これまで主に海外ドラマで活躍していた彼は、本作で長編映画デビューを果たした。
面倒見がよくて恐れ知らずの少女ウェンディ役は、ミラ・ジョヴォヴィッチを母に持つエヴァー・アンダーソンが好演。本格的に俳優活動を始めた「ブラック・ウィドウ」に続く、2作目で大役を射止めたエヴァーは存在感を発揮し、早くも大物になることを予感させるオーラを放っている。
さらに製作段階から話題を呼んでいたのがフック船長役をハリウッドきっての二枚目俳優ジュード・ロウが演じること。ジム・ガフィガン演じるスミーとナイスコンビネーションを発揮。二人の息の合ったコミカルなコメディパートもみどころだ。
さらに「ブラッキッシュ」のヤラ・シャヒディがティンカー・ベル役を、アリッサ・ワパナータがタイガー・リリー役を演じるが、特に注目してほしいのがマイケルとジョン役のジョシュア・ピカリングとジャコビ・ジュペ。アニメーションから出てきたかと思うほどの見た目の再現度はもちろん、冒頭のちゃんばらごっこのシーンなどでみせる自然体の演技がお見事。
これだけ多くの子役を束ねることは簡単なことではないに違いないが、ロウリー監督は子供たちの好奇心に輝く瞳など、演技を超えた表情を引き出すことに成功。ジュード・ロウも「彼は素晴らしい対応をしてくれて、とてもハッピーな撮影現場でした。みんな彼のためなら何でもすると思うよ。彼は子どもたちにとても温かく接してくれていたしね」と監督を絶賛している。
お子さんと揃って家族で楽しめるのはもちろん、立ち止まることを忘れてしまった大人にこそ、ふと肩の力を抜くことを思い出させてくれる「ピーター・パン&ウェンディ」。幼い頃に何度も本を開いたように、何度も見返したくなるはずだ。
◆文=KanaKo
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