公開中の映画「ブルーサーマル」で共演する島崎信長、榎木淳弥

島崎信長&榎木淳弥、「榎木くんの飾らない表現がすごく好き」「信長くんの芝居が好きです」

2022.03.05 10:00
公開中の映画「ブルーサーマル」で共演する島崎信長、榎木淳弥

大学入学を機に長崎から上京し、「恋がしたい!」と意気込む“つるたま”こと都留たまきが、グライダーと出合い、空の世界に魅了されていく姿を描く映画「ブルーサーマル」が3月4日から公開された。本作で航空部主将・倉持潤役に島崎信長、航空部員で大学2年生の空知大介役に榎木淳弥。そして、主人公のたまきを演じたのは、今回が声優初挑戦となった堀田真由だ。

彼女の声から想像が広がる、そこに良さを感じました

榎木「堀田さんは表現の仕方がそもそも違うなと思いました。われわれは作品を見ている人が分かるように演技するというか、“このキャラクターは誰と話していて、これくらい離れている”みたいな説明的な要素を声に乗せるんですけど、彼女にはそれがない。怒っているのか、いないのか、喜んでいるのか、いないのか、わざわざ説明しない。お客さんに判断を委ねるのが、いいなと思いました」

島崎「声優って、情報を乗せることに慣れているんだよね。特に音声だけのメディアになると、“このキャラクターは今、何をしているのか”“どっちを向いているのか”などの情報を伝えるスキルが非常に大事なんです。ただ作品によって、必要な情報量が違うんですよね。でも、今作みたいに絵でしっかり表現してくれているのであれば、感情や気持ちを素直に表現するのが一番。榎木くんが言ったように、彼女の声から想像が広がる、そこに良さを感じました」

探究心のある信長くんの芝居が好き

一方、これまでも共演歴のある2人は、互いをこう分析する。

榎木「信長くんの芝居が好きです」

島崎「やったー!(笑)」

榎木「こんなに探究心のある人、そんなにいないと思います。あと、良くないものは良くないと言える人。自分の考えをしっかり貫いているなと思います」

島崎「榎木くんも、もちろん周りは見ているけど、自分の表現したいものをしっかり貫いている。いい意味で声優の文法に染まりきっていなくて、それを自分の意思で選択しているところがいい。榎木くんの飾らない表現が僕はすごく好きで、だから共演が多いのかも。特に今回の『ブルーサーマル』は、まさにそうだと思います」

榎木「うん、確かに!」

島崎「真ん中に堀田さんという、染まっていない真っすぐな役者がいて、そこと同じ地平に立つ相手として起用される役者同士なんだなと。好きです、はい」

榎木「恥ずかしいですね(笑)」

サークルに憧れがあるんです

“つるたま”は、航空部への入部をきっかけに人生ががらりと変わるが、もし2人が、大学で好きなサークルに入るとしたら?

島崎「僕は高卒なので、まずサークルに憧れがあるんです。サークル・キャンパスライフ・講義・単位・新歓コンパ!」

榎木「…そんないいものでもないよ?(笑) 必修とか、単位を落とせないから大変だし。でもサークルは確かに、楽しいかもしれない」

島崎「榎木くんは、何に入ってたの?」

榎木「高校から続けてた剣道部だけど、本当は高校時代も辞めたかったくらいなので(笑)。本音は文芸部みたいな、図書館で静かに本を読むようなサークルに入りたかったなぁ。動きたくないから(笑)」

島崎「僕はテーブルトークロールプレイングゲームが好きなので、大学に進学していたらTRPGサークルに入りたかった。人数と時間が必要なゲームなんだけど、大学のサークルなら毎日できるんじゃないかなと」

榎木「確かにできそう」

島崎「TRPGって、プレー記録が後に創作物として世に出る例もあるくらい、意外とクリエーティブだし。役を演じるゲームだから、声優同士でやってみたいかも」

榎木「面白いけど、プレーが濃くなりそうだな(笑)」

彼らの理想とは少し違うかもしれないが、今作でも“大学生の青春”がたっぷり描かれている。

島崎「僕もグライダーに乗ってみたい、こういう景色を見てみたいなと思いました。作品を見て同じ経験をしたくなるって、とてもいい作品だと思うんです。それでありながら、しっかりと考えさせられるお話でもある。爽やかだけじゃ終わらないというか」

榎木「原作も絵柄の淡い雰囲気がありつつ、苦さも感じられて、心に染み込んでくる物語ですよね」

島崎「そのステキな原作を、素晴らしいクオリティーでアニメーションにしていると思います。制作側としても『いいものができた』と思っているし、それが伝わる作品になっているんじゃないかな」

榎木「映画館みたいな、広いけど閉ざされた空間でこの作品を見たら、空の広さを感じて世界観に没入できると思います。ぜひ劇場で見ていただけたら、うれしいです」

※島崎信長の「崎」は正しくは「たつさき」

取材・文=篠崎美緒

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