

山田杏奈インタビュー「長尾謙杜くんと八木莉可子ちゃんは関西の方なので、現場では関西弁が飛び交っていました(笑)」<『HOMESTAY(ホームステイ)』>

2月11日より世界同時独占配信された、なにわ男子・長尾謙杜が主演を務めるAmazon初の日本オリジナル映画『HOMESTAY(ホームステイ)』。同映画は森絵都の小説「カラフル」が原作で、主人公のシロ(長尾)が、一度死んでしまった高校生・小林真(長尾・二役)の身体に乗り移る(ホームステイする)ことになり、100日間という期限の中で真の“死の真相”を探っていくというミステリーだ。今回、小林真の幼なじみ・藤枝晶役の山田杏奈に、撮影現場の様子や役どころについて語ってもらった。
長い人生の中でどう過ごしていくのかを問いかけているのだと思いました
――山田さんは、今作『HOMESTAY(ホームステイ)』の原作である「カラフル」を、中学時代に読まれたそうですが、その時の印象を教えてください。
まず、“転生”という題材にすごくワクワクして。中学生の時なのであまり詳細に覚えているわけではないのですが、周りにいてくれる人の大切さをすごく感じながら読んでいたなあと覚えています。私と同世代の人は特に、読んだことがあるという人が多いんじゃないかなと思う作品なので、今回お話をいただいてすごく嬉しかったです。
――年齢を重ねると感じ方も変わるかと思いますが、改めて今回このストーリーを読んでみて、どんなことを感じましたか?
中学生の時は、“今生きているこの世界がすべて”みたいな感じで、シロがもがいている様に感情移入していたところがあったと思うのですが、今改めてお話を噛み砕くと、やはり長い人生の中でどう過ごしていくのか、様々な体験を通してどう変化していくのか、みたいなことを問いかけているのだと思いました。
「人生は所詮長めのホームステイ」という言葉が出てくるんですが、その意味を中学生の時よりは理解できているんじゃないかなと思います。
演じた晶とは、こうと決めたら自分の考えを曲げないスタイルが自分と近いのかな
――原作には“幼なじみの晶”という登場人物は出てこないのですが、脚本を読まれて山田さんは晶に対してどんな印象を持ち、どんなふうに演じようと思いましたか?
晶は真の幼なじみで、一番近くで真のことを見ているんですね。真が急に変わってしまってもどんと構えていて、一周回って母のような視線で真を見ているところがすごく印象的で。
だけど、自分自身の真への想いみたいなものを、ちょっとふわっと出すようなかわいらしさもあるんです。なので、最初の方は声もわりと低めで、私の地声に近い感じで作って、気のおけない感じだったり、あまり恋愛っぽく見えない感じで真には接するようにしていました。後半では、もう少し女の子らしさを出していくような感じで晶を演じていました。
――晶のどんな部分が魅力的だなと思いますか?
監督の瀬田なつきさんとご一緒するのは二度目で、一度目の作品では女の子らしい感じの役ではなかったんですけど、今作では女の子らしいところがキーワードになっていたんです。でも一見その女の子らしさは出てこない。そういうバランス感がすごくかわいいなと思っていて。真のことを一番わかっているんだけど、ただ見守ってそばにいるというところが素敵だなと思います。
――山田さんご自身と似ているところはありますか?
わりと近いかもしれないです。人間関係においては、見守っている立ち位置にあることの方が多い気がします。あと、こうと決めたら自分の考えを曲げないスタイルも自分と近いのかなと思いました。
長尾くんは、子犬のような感じだなというのが第一印象です(笑)
――主人公のシロを演じた長尾さんの印象を聞かせてください。
すごく眼差しがまっすぐで、目がキュルンとしていて、子犬のような感じだなというのが第一印象です(笑)。長尾くんは、いるだけで周りが明るくなるような人で、現場の雰囲気をすごく救ってくれていて、さすがだなあと思いました。
だけど実際に映像として仕上がったものを見たら、昔(死ぬ前)の真を演じている時の長尾くんの目は全然違っていて、憂いというか、暗さをまとっていたんですよ。それにすごく驚きました。
シロと真を演じ分けることはものすごく難しかったと思うんですけど、それぞれの役に対する長尾くん自身のまっすぐな感情のままで演じることで、真らしさやシロらしさを出していたので、それがすごいなと思って。意図的にやっていたのかはわかりませんが、長尾くん自身の魅力が役を通して出ているんだなと思いました。
――今回の撮影で印象に残っていることはどんなことですか?
関西弁が飛び交っていたことです(笑)。長尾くんと八木莉可子ちゃんが関西の方なので、すごく楽しそうに二人で関西弁で話をしていて関西弁が飛び交っていましたね。
二人ともすごくのほほんとしていてマイペースなので、二人のやり取りを聞いているだけで楽しかったです。八木ちゃんも見た目キリッとしているのでハキハキしている子なのかな?と勝手なイメージを抱いていたんですが、すごくふわ〜っとしていて(笑)。二人に癒されていました。
――勝手なイメージですが、山田さんもふわっとしていてマイペースな方なのかなと思っていたんですけど、そうじゃないんですね(笑)。
ふわっとしている時もあります、たぶん(笑)。たいして変わらないんですけど二人とも一つ二つ年下なのと、晶という役柄もあって、“なんかいいなあ。かわいいなあ”という目でずっと見守っていました。すごく和やかで楽しかったです。
こういう時期に作った作品という思い出にもなりつつ、それがあったからこその一体感だったのかな
――コロナ禍での撮影ということで意識されたところもあったかと思いますが、いかがですか?
今回、撮影に入る前にZoomでお芝居を合わせたんです。私にとっては初めての試みで、どういう感じなんだろう?とは思ったんですけど、ある程度“こういう感じ”っていうものを想定して現場に挑むことができたので、面白い試みだったなと思いました。
でも、本番となるとみなさんやっぱり集中力とかが違うんですよね。特に長尾くんの力の入れようはZoomの時とは全然違っていて、ものすごく役に集中しているんだなと思いました。
あと、美術部さんが作ってくださったんだと思うんですけど、“STAY HOME HOMESTAY”と描いてあるスタッフTシャツをいただいたんですよ。それがすごく上手いなあと思って。こういう時期に作った作品なんだなという思い出にもなりつつ、それがあったからこその一体感だったのかな、とも思います。
役者をやっていることって、“ホームステイ”をしているようなもの
――それは思い出深いですね。今作はAmazon初の日本映画作品なんですよね。
映画館に足を運んで見る方だけじゃなくて、家で今日は何を見ようかな?っていう感じで探して見ていただいたり、移動中に見ていただいたり、そんなふうにいろいろな形で見ていただくことになる映画なんだなと思っていて。他の国の方だったり、いろんなところで見ていただけると思うと、すごくワクワクしますね。視覚的な楽しさもある作品だと思うので、そういうところは言葉や文化の違いなど関係なく同じ感覚で見ていただけると思うし、一転人間関係の部分ではすごく日本的な部分もあるので、そのバランスがどんなふうに受け止められるのか楽しみです。
――視覚的、というとマスゲームのシーンがすごく印象的でした。
撮影現場では実際には見れなかったので、映画で見て私もビックリしました。たぶん、初めて映画を見てくださった方と同じ感動を、私も味わったと思います。この作品はシロと一緒に真の人生を追体験するような感覚で見られる作品だと思うんですけど、マスゲームのシーンはその中でも集大成と言えるようなシーンだと思うんですね。言葉で表現しきれない感動みたいなものがあるシーンなんじゃないかなと思います。
――この『HOMESTAY』は、改めてどんな作品に仕上がったなと思われますか?
この世界は素晴らしい!と人生を楽しむ反面、だけど一筋縄ではいかないんだよということが、すごくいいバランスで描かれていて、それによって気づきを得られるような作品なんじゃないかなと思います。シロと一緒に“ホームステイ”を楽しみながら見てほしいなと思います。
――山田さんは“ホームステイ”をしてみたいですか?
役者をやっていることって、“ホームステイ”をしているようなものだなと思って。私はちゃんと帰ってきていますけど(笑)、違う人の人生をいろいろと学ぶ“ホームステイ”を体験しているんだなということに気付かされました。
シロのような経験をしたいかと言われたら、ちょっとお腹いっぱいだなと思いますが(笑)、たぶん“ホームステイ”をして気が付かないうちに得ていることってたくさんあるんだなと、今思いました。
インタビュー&文=大窪由香
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