高良健吾が明かす、高校時代と地元の友人への思い「欽一たち以上に“リア充”だったかな(笑)」<くれなずめ>
現在、大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合)に出演するほか、数々の映画やドラマで活躍する高良健吾。その彼が映画「くれなずめ」では、友人の結婚披露宴で余興を披露するため、高校時代にいつも集っていた帰宅部仲間を久しぶりに招集する藤田欽一を演じている。
映画「男子高校生の日常」(2013年)や、テレビ東京系ドラマ&劇場版の「バイプレーヤーズ」の演出を手掛けた松居大悟監督の実体験をモチーフにした舞台劇「くれなずめ」を映画化した本作。高良が演じる欽一は、俳優としても活動する松居監督が自身主宰の舞台で自ら演じた役でもある。
これまで数々の映像作品に出演してきた彼に、「くれなずめ」の見どころはもちろん、自身の俳優としての考え方や歳を重ねてきたからこその変化などについても聞いた。
――松居監督は、欽一役は「難しいことを考えていそうだけど、魂が熱い方にお願いしたい」と思っていたそうで、それで高良さんに出演オファーしたと聞きました。
僕が聞いたのは「友達がいなさそうだから」だと(笑)。まあ、確かにそんなに友達が多いタイプではないですが、それを聞いたときには笑いました。でも、「魂が熱い」というのは、僕に限らず、この映画に参加した全員がそうだと思います。
――この作品は、映画の現場としては珍しく撮影前に1週間かけてリハーサルしたとか。
僕たち役者にとってもありがたいことでした。初めてご一緒させていただく方もいたし、最初はお互いに「この人はどういう人なんだろう」と探り探りなところもあって。でも、演じるのは高校時代の仲間という設定だったので、リハーサルをすることで距離を縮めることができたし、みんなで役を作っていった気がします。
「(成田)凌がみんなのバランサーになっていた」
――具体的にはどういうリハーサルだったのでしょうか?
みんなで時間を共有する感じというか。芝居の組み立てとかではなく、みんなで過ごす時間を作ってくれている感じでした。あとは(劇中で)披露する“赤フン”ダンスの練習ですね(笑)。
――その“赤フン”ダンスのシーンでは、高良さんをはじめキャストのみなさんが本当に赤のふんどし姿になっていて驚きました。まさに男子高校生ノリといった感じで楽しそうでしたね。
赤フンになるのは脚本の段階から決まっていたことなので、とくに恥ずかしさもなく、みんなでワイワイ言いながらやっていました。“赤フン”ダンスがあったから、余計にみんなと仲良くなれたというのはあったかもしれません。
――主演の成田凌さんとは映画「カツベン」に続いての共演ですが、彼の印象は?
同じ作品に出演するのは今回で3度目ですが、ちゃんとお芝居で絡んだのは2回目かな。この6人の中では凌が一番年下だったと思うけど、みんなのバランサーになっていて立派でした。ちゃんとしていない人が多い中で(笑)、凌は主演らしくものすごくちゃんとしてましたね。
――今、年齢の話が出ましたが、高良さんは自分よりも歳が上か下かを気にするタイプですか?
九州のすごく上下関係が厳しいところで育ったので、ちょっと気にするところはありますね。1つ上だったら先輩だと思うし、1つ下だったら後輩だと思ってしまうというか。でも、この世界(芸能界)に入ってからは、あまり関係なくなってはきました。とはいえ、そう思ってしまうということは気にしているんでしょうね。
――この映画は高校時代の仲間たちの話ですが、高良さんはどんな高校生活を送っていましたか?
欽一たちと同じですよ。いつもくだらない話をして笑っていましたね。カラオケに行って大騒ぎしたり、毎日好き勝手に、マイペースに生きていました。ただ、僕の場合、欽一たち以上に“リア充”だったかな(笑)。
「地元の友達がいるからこそ頑張れることがある」
――今もその高校生時代の友達と連絡を取り合ったりしているのでしょうか?
東京に出てきている友達もいるし、地元に帰ったときに会う友達もいるので、今もつながっていますね。
――以前、高良さんの地元・熊本で地震が起きた際に、高良さんがいち早く現地にかけつけてボランティアしていたという報道がありました。それも地元の仲間があってこそ?
本当にそうです。仲間がいるからこそできることでした。メディア関係の報道では僕が一人で行ったことになっていましたが、地元にいるみんなとしたことなので。それ以外でも地元の友達がいるからこそ頑張れることもありますし、「あの作品を見たけど、30点」と低めの点数で言われることも(笑)。そういう正直な言葉をかけてくれる存在がいることはとてもありがたいです。
――完成した作品を見て、改めて感じた本作の見どころを教えてください。
見どころは、欽一を含む6人の関係性ですね。そこから感じることがたくさんあると思うし、この作品を見て友達に会いたくなる人もいれば、忘れていた何かを思い出す人もいるだろうと思います。そこがこの映画の魅力だと思います。あと、僕個人としては白黒つけ過ぎるのではなく、ちゃんと曖昧な部分が残されているのもいいなと思いました。世の中にはグレーゾーンなんてたくさんありますから、そこもこの映画の好きなところです。
――これまでたくさんの作品を経験してきたと思いますが、今改めて思う俳優業の難しさと面白さを教えてください。
面白さは、本当にいろんな人に会えることです。この世界にはちょっと変わった人が多くて、そういう人に会えるのはこの仕事のだいご味だと思います。逆に難しさは、正解がないことかな。それでも評価され、批判もされる。そいうところは難しい部分だと思います。
「逆に“自分に向いてないから”という理由で演じたいと思う」
――今までの出演作品の中で、俳優としての考え方やお芝居のスタンスが変わった作品はありますか?
18歳のときに出演した廣木隆一監督の「M」(2007年)という作品です。当時の僕はまだ高校生で、地元と東京を往復しながら撮影していた作品なのですが、廣木監督から「(演じるのではなく、その人物として)ちゃんと、その場にいなさい」と言われたことが心に残っています。あとは「多十郎殉愛記」(2019年)で中島貞夫監督と出会えたことは大きかったです。中島監督は言葉数が多いわけではないのに雄弁な方で、たくさん話さなくても一言で相手に伝わるというのは憧れます。
――それこそ若い頃の高良さんは尖った役を多く演じていたように思うのですが、年齢を重ねるごとに役の幅を広げることを意識しているのでしょうか?
10代後半から20代の中頃までは、正直「俺がやる必要はないでしょ」と思ったり、「この役はあまり好きじゃないな」と感じたりすることもありました。でも、今は「このセリフ一行を言ってみたい」とか、逆に「自分に向いてないから」とか、そういう理由で選ぶこともあります。
――それはどういったところから変わってきたのでしょうか?
映画館に人を呼ぶのは難しいと実感したからです。そのためには俳優としての知名度が必要だし、テレビに出ることも大切なのかなと。もちろん、テレビを利用するとかではなく、テレビにも挑戦したいという気持ちが出てきたこともあって、今に至っています。
――現在33歳。高良さん的に、そういった考えはこれからも変わっていくと思いますか?
変わります。というか変わっていかないといけないと思っています。
取材・文=馬場英美
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