佐藤浩市&渡辺謙、福島への思い語る「負の遺産を明日への遺産に」<Fukushima 50>
2020.01.26 18:40
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映画『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』(3月6日公開)のワールドプレミアが26日、都内で行われ、佐藤浩市、渡辺謙、吉岡秀隆、緒形直人、平田満、萩原聖人、佐野史郎、安田成美、若松節朗監督が出席した。
『Fukushima 50』
原作は、門田隆将氏によるノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)。2011年3月11日午後2時46分に発生し、マグニチュード9.0、最大震度7という日本の観測史上最大の地震となった東日本大震災時の福島第一原発事故の現場を描く。佐藤浩市「負の遺産を明日への遺産に変えられるよう、皆さん願ってください」
主演の佐藤は、地元・福島出身で現場を指揮する熱血漢・伊崎利夫、共演の渡辺は福島第一原発所長の吉田昌郎役を演じた。共演は実に9年ぶり。一緒のシーンは多くないが、佐藤は「(渡辺と)ほぼ世代は一緒。1歳違い。何十年もこの世界でものづくりをしている。関係性が役の中でも一緒だったと思います」と話した。東京試写の前には、舞台となった福島・郡山市などでも試写会を行っており、佐藤は「福島から始めなければという思いの中、福島の方に観ていただいたが僕たちは非常に怖いことだった」と素直に吐露。「公共の電波で津波の映像が流れるとき、テロップを出さなければならない。それくらいメンタルの対するケアが必要」と懸念しつつも、「被災された方に観ていただくのは恐怖それを乗り越えてエンディングまで観たら何か残る映画になる。これかから全国に回っていく。記録としても映画が残るであろう、そう思っています。負の遺産を明日への遺産に変えられるよう、皆さん願ってください」と呼びかけた。
渡辺謙、タイトル英語表記の意味語る
渡辺は「タイトルがなぜ英語表記なのか。これから全国、世界に向けて映画を届けるため。“Fukushima”も世界でポジティブに使われるワードではない。この映画を観て、この男たちが世界を救ったのかもしれない。この映画で何か素晴らしい、すごいパワーを届けられるに違いない」と込めた想いを明かした。映画は“時系列”に沿って撮影を敢行。佐藤が「シーンを重ねていく内にみんな同じ境遇にいるんだという意識が強くなった」といい、「ある種の結束感は普通の映画にはなかった」と回想。原発を管理する「中操(ちゅうそう)」での撮影について、吉岡は「1週間の撮影が終わってマスクをとったみんなの顔が老けていた。本当にどっと疲れて、へとへと。浩市さんも『64(ロクヨン)の撮影より疲れた』って…。精気を吸い取られる思いで必死でしたね」と壮絶な現場を振り返った。
舞台あいさつ前には、同映画の音楽を担当した岩代太郎氏の指揮のもと、東京フィルハーモニー 交響楽団、NHK東京児童合唱団、さらに世界的バイオリン奏者の五嶋龍、チェロ奏者の長谷川陽子による生演奏が行われた。(modelpress編集部)
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