流暢なフランス語でスピーチをし、会場を沸かせた瀬戸康史(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会【モデルプレス】

瀬戸康史、流暢なフランス語で「武士道」熱弁 会場から歓声

2015.09.04 19:20

俳優の瀬戸康史が、流暢なフランス語を披露した。

流暢なフランス語でスピーチをし、会場を沸かせた瀬戸康史(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会【モデルプレス】
流暢なフランス語でスピーチをし、会場を沸かせた瀬戸康史(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会【モデルプレス】
プレミア上映舞台挨拶(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
プレミア上映舞台挨拶(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
瀬戸と柳楽優弥がW主演を務める映画「合葬」(9月26日公開)が、第39回モントリオール世界映画祭の「ワールド・コンペティション部門」に正式出品。3日(日本時間:4日)、カナダ・モントリオールにて、プレミア上映会が行われ、瀬戸と小林達夫監督が登壇した。夜遅い上映時間にもかかわらず、老若男女たくさんの観客が来場し、美しいグリーン色の着物姿で登場した瀬戸には観客からは大きな歓声が贈られた。

小林監督の挨拶に続いた瀬戸は、通訳に「以前、フランス語を勉強していたのですか?」と問われるほどの流暢なフランス語で挨拶。「このような素晴らしい場に自分が立っていることを、幸せに思います。侍はいなくなってしまいましたが、現代を生きる僕らにも侍の心、『武士道』が残っています。私が役者として、宿っている『武士道』はその一瞬一瞬に命をかけるという覚悟です」など、熱いメッセージを伝え、観客を沸かせた。

上映後、盛大な拍手に包まれた会場。小林監督と瀬戸が客席に向かって一礼し、会場を出ようとすると「素晴らしかった!」と次々に握手を求められ、ロビーでも観客からの感想と質問が殺到。なかなか会場を去れない状態が約40分間続くほどの反響を呼んだ。

上映後ロビーにて(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
上映後ロビーにて(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会

世界中が興味津々

プレミア上映会の前には、ハイアットリージェンシー・モントリオールのサン・アンブローズの間で、世界各国の報道陣が集結した公式記者会見に出席。同作に対する想い、映画祭出品への喜びなどについて語ると同時に、世界各国の記者からの質問に答えた。

公式記者会見(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
公式記者会見(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
記者から「この映画には3人の若い侍がでてきますが、現代の若者に通ずるものがあるのでしょうか?」と質問された瀬戸は「柳楽優弥さんが演じた極(きわむ)という人物は、皆が思う“THE SAMURAI”で、自分の仕えている人の為、自分の志の為に真直ぐに生きている人物。一方、僕が演じた柾之助(まさのすけ)は、現代人に一番近い考えを持っている人物かと思います。自分の居場所を探しながら、日々迷い、悩み…そういうところが今を生きている僕らとの共通点だと思います」と自身の想いを真摯にコメント。また同作の感想を「今まで色々な時代劇に参加しましたが、映画での時代劇は初めてでした。『合葬』は日本人から観ても、新しい時代劇作品が出来たなと感じています。一方で昔からある、武士・サムライの精神が、今を生きる僕たちに伝わる作品だとも思います」と語った。

一方、劇中で突然流れる英語のポップソングの挿入理由を聞かれた小林監督は「今までやったことない事、新しい事を考えて作るのが、自分のセオリーです」と明かし、「遊郭の朝帰りという若者たちの青春の1ページを象徴するようなシーンで、アメリカの青春映画のような、70年代風ポップソングを入れる事で、そのシーンを他とは独立させて見せたいという意図もありました」と演出理由を説明した。

カナダでも人気ぶりを発揮

サン・ポール通りを歩く(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
サン・ポール通りを歩く(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
メープルアイスクリームを食べる(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
メープルアイスクリームを食べる(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
着物姿で映画祭一色に染まったモントリオールの街を観光・散策していた瀬戸。モントリオール・ノートルダム聖堂では、課外授業でモントリオールに訪れていたカナダ人の女子中学生にあっという間に取り囲まれ、一緒に写真撮影。「KIMONOが素敵!」「日本の俳優なの?かっこいい!!」とカナダ人女性も魅了していた。

その後、旧市街にあるモントリオール最古の通りであるサン・ポール通りをそぞろ歩き、石畳の趣ある通り沿いに残る古い建物やお土産屋などを見学。地元で人気のアイスクリーム店・メープルデライツでは、店主お勧めのクルミ入りメープルアイスクリームを堪能し、店内では共演者・門脇麦へのおみやげも購入していた。さらに、ブティック・アリババでは、共演の柳楽・岡山天音へのお土産を購入。とにかくインパクトのある、面白いものをあげたいと熱心に商品を物色し、柳楽には、面白い絵柄のエプロン、岡山には、ラクーン(アライグマの一種)の帽子をチョイス。フランス語でディスカウント交渉にも挑戦すると、7ドルの値切りに成功していた。(modelpress編集部)

岡山天音へのお土産(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
岡山天音へのお土産(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
柳楽優弥のお土産(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
柳楽優弥のお土産(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会

瀬戸康史フランス語挨拶

皆さん、こんばんは。瀬戸康史です。
このような素晴らしい場に自分が立っていることを、幸せに思います。
映画「合葬」は日本の歴史において、「江戸時代」の終焉、つまり世の中の終わりの激動の時代に生きた、名もない若い侍達の姿を描いた作品です。映画では侍が世の中から姿を消そうとしている時代に、彼らの日常や、迷い、悩みながらも志のために戦っている姿を描いています。
侍は礼儀や作法を大切にし、忠誠心の強い、現代の我々日本の若者にとっても尊敬すべき精神をもっています。侍はいなくなってしまいましたが、現代を生きる僕らにも侍の心、「武士道」が残っています。
私が役者として、宿っている「武士道」はその一瞬一瞬に命をかけるという覚悟です。私にとって「合葬」は1シーン、1シーン、台詞一言、一言に命をかけて作った映画です。
今日お越しいただいた皆さん、どうぞ最後までお楽しみ下さい。

公式記者会見の質問とコメント

Q:小林監督は、あの偉大な小林正樹監督とご親戚なのでしょうか?
監督:いいえ、親戚ではありません(笑)。小林は日本で5番目くらいに多い苗字です。(会場:笑)ただし、今回の映画を作るときに、小林監督の「HARAKIRI(邦題:切腹)」は参考にさせて頂きました。小林正樹監督の「切腹」は、英語タイトルですと「HARAKIRI」ですが、日本語の音をそのままタイトルにして、世界に知られている作品です。これを参考にして「合葬」の英語タイトルも同じように、「GASSOH」にしました。

Q:この映画には3人の若い侍がでてきますが、現代の若者に通ずるものがあるのでしょうか?
瀬戸:柳楽優弥さんが演じた極(きわむ)という人物は、皆が思う“THE SAMURAI”で、自分の仕えている人の為、自分の志の為に真直ぐに生きている人物。一方、僕が演じた柾之助(まさのすけ)は、現代人に一番近い考えを持っている人物かと思います。自分の居場所を探しながら、日々迷い、悩み…そういうところが今を生きている僕らとの共通点だと思います。

Q:第二次世界大戦後、伝統的な日本の文化や価値観は変わってしまったのか?現代的であり日本の伝統手法に根差した手法である漫画を映画化した意図は?
監督:漫画は日本の様々な文化を折衷して生まれたメディアであるとは思う。しかし、今回ことさら漫画だから映画化したという感覚はなく、ほかの原作を映画化した時と意識は違わない。第二次世界大戦後に日本文化が変容したように、今回「合葬」で描いた上野戦争でも、江戸時代から続いた文化が変容し、そこから日本の近代化が始まっている。そんな江戸時代が変わったというストーリーを、いみじくも文化の変容の中で日本人が手に入れた漫画というメディアがうまく表現し、それが今回の映画につながっているのかもしれないと今のご質問をきいて思いました。

Q:時代劇を今回のテーマに選んだ理由は?
監督:日本映画の数々の時代劇の名作、なかでも溝口健二や黒沢明監督の作品は、自分が映画を志す上で大変影響を受けました。しかし今回、時代劇が好きだという個人的なこだわりでこのストーリーを選んだわけではない。今回描いた、若者たちが知らない間に戦争に巻き込まれるという構図はどの国でもどの時代にも共通するテーマ。現代劇でこのテーマを描くと作家の主義主張やマニフェストとして作品がとらえられがちだが、時代劇で描くことによって世の中に何かを問うというよりも、寓話的、象徴的に見て頂けるのではと思いました。

Q:本作に参加されて如何でしたでしょうか?
瀬戸:今まで色々な時代劇に参加しましたが、映画での時代劇は初めてでした。「合葬」は日本人から観ても、新しい時代劇作品が出来たなと感じています。一方で昔からある、武士・サムライの精神が、今を生きる僕たちに伝わる作品だとも思います。

Q:原作の漫画ビジュアルに映画はどのように影響を受けているか?
監督:「合葬」の原作の絵柄は、江戸時代の浮世絵を踏襲したようなビジュアルになっている。原作漫画家・杉浦日向子さんは、日本では江戸研究家としても著名な方です。多くの漫画が記号的になっているにもかかわらず、杉浦さんの漫画は詩情、ポエトリーを感じる淡々とした語り口で、非常に映画的なモチーフであると思っています。「合葬」は杉浦さんの最初期の作品で史実に基づいている。後期作品には「百物語」という怪談話の短編集があり、それも取り入れたいと思い、映画の中でいくつか怪談話という形で短いエピソードを挿入させて頂きました。

Q:劇中、突然英語のポップソングが流れますが、なぜ挿入したのですか?
監督:今までやったことない事、新しい事を考えて作るのが、自分のセオリーです。原作者である杉浦日向子さんの世代、それ以降の僕たちの世代は、アメリカ文化や映画に非常に影響を受けて創作をしている。遊郭の朝帰りという若者たちの青春の1ページを象徴するようなシーンで、アメリカの青春映画のような、70年代風ポップソングを入れる事で、そのシーンを他とは独立させて見せたいという意図もありました。瀬戸さんが演じた柾之助は、家を追い出され、戦争に巻き込まれ、過酷な運命を背負っている人物。そんな大変な人生の中でも、何気ない日常を覚えていたりするのではないかと思う。なので、映画を見た人にもあのシーンが強く刺さるようになれば良いと思っています。

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