今、若い女子が「男はつらいよ」にハマる3つの理由<映画「男はつらいよ お帰り 寅さん」試写レポ>
2019.12.20 21:30
かつて日本中を笑いと涙で包んだ映画シリーズ「男はつらいよ」。渥美清演じる車寅次郎、通称“寅さん”は映画を観たことがない人でも知っているだろう。そんな「男はつらいよ」の最新作「男はつらいよ お帰り 寅さん」が12月27日(金)より全国公開。今回は「男はつらいよ」を初めて観る、通称“初とら”のモデルプレス読者が試写会に参加。今の時代だからこそ響いたメッセージとは?
50周年を迎える「男はつらいよ」
破天荒で、変わり者で、自由奔放な寅次郎。東京都葛飾区にある故郷の柴又に戻ってきては、様々な騒動を巻き起こす。しかし、その温かくて優しい人柄は多くの人を魅了した。そして第1作誕生から50周年となる2019年に50作目「男はつらいよ お帰り 寅さん」が誕生。今回は寅さんの甥である諏訪満男(吉岡秀隆)を軸に、新たな「男はつらいよ」の物語が描かれる。新しい物語として描かれるため、同シリーズを観ていなくても楽しめる内容となっており、「気になってはいたけど観たことがない」という方にはピッタリの本作。
“初とら”となる女性たちも「人情味ある寅さんの人柄が素敵」「家族の時間を大切にしたいと思った」と、令和の時代だからこそグッとくるメッセージがあった様子。今回は女性ならではの視点で「男はつらいよ」の最新作をレポ。
魅力その1「寅さんの人柄」
寅次郎は日本中を旅しており、そんな自由な生き方は周りの人々を騒動に巻き込む。しかし、それでも寅次郎を慕う人は多い。試写後には「自由な生き方の寅さんだけど、温かくて心があたたまりました」という感想も。その他にも「人情味のある人柄がステキ」「熱くて優しい方」という感想もあり、まっすぐな寅次郎の性格は今の女性も魅了していた。しかし時には空回りして周りに人たちに気を使わせてしまう場面も。
中には「メロンのシーンは、笑いをこらえるのが大変だった」「運動会のシーンで寅さんが言った一言は衝撃(笑)」という感想もあり、寅次郎が巻き起こす騒動はどこか人の心を温めてくれる力があるのかもしれない。
魅力その2「家族の大切さ」
満男の母・諏訪さくら(倍賞千恵子)は寅次郎の妹で、父・諏訪博(前田吟)は寅次郎を「兄さん」と呼び慕っている。そんな3人を中心に、満男の娘・諏訪ユリ(桜田ひより)など多くの人を巻き込みながら物語は進んでいく。将来を心配する両親や、それを鬱陶しく感じてしまう息子。だけど夜になれば食卓を全員で囲み笑顔になる。そんな何気ないシーンに感動した人も多く、「家族との時間をこれからも大切にしたい」「実家に帰りたくなった」という感想で溢れた。
姉妹で映画を観に来た方は、「昔は三世帯で住んでいたから、騒がしい日々が懐かしくなった」と過去を思い出した様子。「改めて家族がいる大切さを思い出した」という感想もあり、簡単に連絡が取れ直接顔を合わせる機会が少なくなった今の時代だからこそ、「実家に帰りたくなった」という感想で溢れたのだろう。
魅力その3「淡い初恋の思い出」
満男はサラリーマンを辞め、念願だった小説家となったところから物語は進んでいく。書店で行われた満男のサイン会に現れたのは、かつて結婚の約束もした初恋の人・イズミ(後藤久美子)。久々の再開で昔の話に花が咲く2人。結婚の約束をするものの、お互い別の人と結婚した2人だが、ラストシーンでみせた不器用な満男の愛と、イズミの覚悟に「満男とイズミの真実の愛を感じた」という方も。
誰しもが経験したことのある初恋。過去に満男がイズミに告白するシーンは、「キュンキュン」したという感想もあり、淡い初恋の頃を思い出させてくれる。
悩みの多い現代人に寄り添うメッセージ
破天荒で、変わり者で、自由奔放。それでも居てくれるだけで「何とかなる!」と思わせてくれる寅次郎の人柄は、悩みや不安を抱える現代人の背中をそっと押してくれる。騒々しくて楽しかった家族との日々や、淡い初恋の経験など、誰しもが共感できるからこそ「男はつらいよ お帰り 寅さん」は今の20代や30代の女性をも惹きつける。試写後には「父は寅さんが大好き」という方もおり、親子で一緒に観に行けば両親の知らなかった一面を知ることもできるだろう。親戚の口うるさい叔父さん、両親の馴れ初めなど、本作は家族の新たな繋がりを生むきっかけにもなってくれるはずだ。
気軽に誰とでも連絡が取れるようになった令和の時代だからこそ、寅次郎の言葉や満男を取り巻く家族の存在が“大切なこと”を改めて気付かせてくれる。(modelpress編集部)[PR]提供元:松竹株式会社
あらすじ
サラリーマンを辞めて、念願の小説家になった満男(吉岡秀隆)は、中学三年生の娘ユリ(桜田ひより)とマンションで二人暮らし。最新作の評判は良く、出版社の担当編集・高野(池脇千鶴)からも次回作の執筆を薦められるが、いまいち乗り気になれないでいた。亡くなった妻の七回忌の法要で、久々に葛飾の実家を訪れた満男。柴又帝釈天の参道にある、親戚が営んでいた草団子屋「くるまや」は新しくカフェに生まれ変わった。その裏手にある昔のままの住居に、母・さくら(倍賞千恵子)と父・博(前田吟)が暮らしている。満男は 法事の後、両親や親戚、付き合いの長い近所の人々と昔話に花を咲かす。それは、騒々しくて楽しかった伯父・寅次郎 (渥美清)との日々。あの寅さんへの想いが蘇る―。日本中を旅していて、破天荒で変わり者、でも、いつも優しく味方でいてくれた寅さん。長い間彼に会えず、大人になった満男の心には大きな穴がぽっかりと空いていた。
書店で行われた満男のサイン会。その列に並ぶ人々の中に、かつて結婚の約束までした初恋の人・イズミ(後藤久美子)の姿があった。彼女は現在、海外でUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の職員となり、夫と二人の子供と暮らしているが、仕事で来日中に偶然サイン会を知って訪れたのだった。驚きながらも、再会を喜ぶ満男は「会わせたい人がいる」と小さなジャズ喫茶にイズミを連れていく。そこには、20年以上前に奄美大島で会った寅のかつての恋人・リリー(浅丘ルリ子)がいた…。
懐かしい人たちとの時間。語り合う、寅さんのこと。それは満男たちの心にあたたかい何かをもたらしていく。そして満男とイズミは、リリーから寅との思いがけない過去を聞かされ―。
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