

【初航海へ!】新造船「飛鳥Ⅲ」の気になる船内は? 最上級の船をクルーズコンサルタントがリポート
7月20日に初航海へ出発した「飛鳥Ⅲ」。郵船クルーズの34年ぶりの新造船とあって、就航に先立ち行われた命名式も注目を集めました。最上級のクルーズ船の船内を、見学会に参加したクルーズコンサルタントがリポートします。(画像:筆者撮影)
2025年7月11日、横浜港大さん橋には、郵船クルーズの豪華客船「飛鳥」と「飛鳥」が同時に入港。この壮観な光景は、クルーズファンならずとも多くの人々を魅了し、岸壁はカメラを構える人々で大変なにぎわいを見せました。
1泊あたり1人10万円からという、日本船のラグジュアリー船である「飛鳥」。今回は、なかなか見ることができないその船内の様子を詳しくリポートします。
船のコンセプトや概要については、こちらの記事に詳細を記載していますので、あわせてご覧ください。この記事では、クルーズコンサルタントである筆者が実際に「飛鳥」を見学し、気になったポイントをご紹介します。
まるで「洋上の美術館」。日本を代表する作家の作品が至る所に
「飛鳥」の船内は、まるで洋上の美術館。世界で活躍する人間国宝をはじめとした著名な方の絵画や工芸品が飾られ、ラグジュアリーな空間が広がっています。
特に印象的なのは、「飛鳥」のために特別に製作された作品の数々です。それらの多くは空間に溶け込むように配置されており、思わず足を止めて見入ってしまうほど。まるでアートの中に没入したような感覚を味わえます。
重鎮作家の作品とともに、若手作家や「クルーズ客船飛鳥アート公募展」で選ばれた作品も加わっており、見ごたえのある船内となっています。
船内に踏み入れると出迎える3層吹き抜けのアトリウム「アスカプラザ」の落ち着いた上質な空間には、高さ8.8m、幅3mもある、漆芸家で人間国宝の室瀬和美氏の作品が飾られています。金色に輝くその姿は圧倒的な存在感を放ち、ロビー全体を華やかに彩っています。
遠目からでもその豪華さに目を奪われますが、近くで見ると、素人目にもわかるほど繊細で見事な細工が幾重にも施されており、作品の奥深さを感じます。
「飛鳥」の船内では、階段やエレベーターホール、ダイニングなど、至る所に作品が当たり前のように飾られています。その多くは、日本の四季や自然、歴史・伝統などを表現したものです。これは、今後は海外のお客様もターゲットにする「飛鳥」の思いが反映されているように感じられます。
開放感あふれる展望露天風呂「グランドスパ」
「飛鳥」の概要が発表された際、筆者が特に楽しみにしていたのが、船首に設けられた展望露天風呂「グランドスパ」です。入り口には情緒ある「のれん」がかかり、日本の旅館を思わせる趣があります。
内湯の洗い場は数多く用意されており、海を望む明るく開放的な空間で湯に浸かれば、まさに極上のひとときを過ごせるでしょう。さらに、海風を感じられる露天風呂やサウナも完備されており、その充実ぶりは旅館の大浴場、あるいはそれ以上と言えるかもしれません。
追加料金なしで利用できるのもうれしいポイント。日本人ゲストにとっては大変魅力的な施設となりそうです。
最上級客室にはバトラーサービス! 47都道府県とコラボした客室も
今回はプライベートではまず縁がない最上級客室「ロイヤルペントハウス」も見学することができました。広さは114.8平米でリビングペースにはシンクが備わり、サンルームや書斎、海を望むバスルームなど、どこを切り取っても上質な空間。
客室内には日本画家の平松礼二氏の作品が飾られ、バトラーサービスがあるのも特徴です。
ミッドシップスイートは広さ44.3平米で、全54室のうち47室が、日本全国47都道府県の魅力を体験できる客室となっています。
これらの客室では、都道府県にちなんだウェルカムスイーツやドリンクが用意され、部屋の内装も地域の個性が光るデザインになっているとのこと。細かな決まりはなく、各部屋でご当地の特色を感じるポイントも違うと言います。
自分の出身地や好きな都道府県の部屋を選んでみるのも、旅の楽しみの1つになりそうですね。
日本の船旅の歴史感じる特別な空間「ヒストリアエリア」
郵船クルーズの親会社である日本郵船が客船運航を開始したのは明治時代にさかのぼります。その後一度客船事業から撤退し、初代飛鳥が就航したのは1991年のこと。
そんな日本郵船と「飛鳥」の歴史や、ゆかりの品々、貴重な映像を楽しめるのが、ビスタラウンジの一画にある「ヒストリアエリア」です。ここには、「飛鳥」建造開始のセレモニーで使われた記念品なども展示されています。
貴重な展示品を眺めながら、古から現代へと続く船旅のロマンに思いを馳せる、そんなぜいたくな時間を過ごすのもいいでしょう。
見えないところにこだわりが! 「飛鳥」の次世代型のクルーズ船としての魅力
「飛鳥」の魅力は、そのラグジュアリーな船内だけではありません。この船は、LNG(液化天然ガス)を燃料として使用することで、運航時のCO2(二酸化炭素)排出量を大幅に削減するなど、環境に配慮したエコシップでもあります。
さらに、日本のクルーズ客船としては初めて停泊中に陸上電源を活用し、船舶の排出ガスを軽減できる設備を搭載しているなど(※日本では港側の環境が整っていないそうですが、世界的な潮流とのこと)、「持続可能性」を意識した最先端の技術を取り入れているのも「次世代型のクルーズ船」と言われる理由です。
「飛鳥」は、2025年7月20日の就航(函館・小樽クルーズ)を皮切りに、2026年5月までの運航が発表されています。
1人1泊当たりの料金は10万円台からと、その価格もまたラグジュアリー仕様です。しかし、日本船であるため海外への寄港は不要で、気軽に参加できるショートクルーズも実施されます。
例えば9月には、横浜発で三重県・鳥羽に寄港し、博多下船となる3泊4日のコースを運航。価格は37万4000円~(税込:大人1名/2名1室利用時)で、全室バルコニー付きの客室、食事・移動・エンターテインメントが含まれています。
洗練された船内で極上のクルーズライフを楽しみたい方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
執筆者:村田 和子(旅の準備・お得・便利ガイド)
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