《めてみみ》身近な縫製
2026.07.10 06:24
提供:繊研plus

年齢を重ねるごとに、急な冠婚葬祭が増えてくる。そこで慌てた経験がある人も多いだろう。昔の服を引っ張り出して着てみると、腰回りがパツパツだったりすることも。思い切って新しい服を購入しても問題は裾上げ。店に頼んでいては間に合わない。記者も先日、家に置いてあるミシンが動くことを確認し、久しぶりに縫い上げたが一苦労だった。
思えば、記者が子供だった80年代には、特別な資格があるわけではないが趣味や若い頃の仕事で縫える人が多く、裾上げや七五三の着付けなどをよく引き受けてくれていた。
地域には肩書のない職人のような人がいた。普段の生活で目立つ存在ではないが、急を要する節目には欠かせない。特にリフォーム店や専門店が減る地方では、その重みはいっそう増す。日頃からの付き合いがあるからこそ、困った時に頼める関係もあった。
縫製というものが、あまり身近ではなくなったのはいつからだろう。自分が大人になったからなのか、それとも社会が変わったからなのか。ただ、最近では縫製や編み物を、地域コミュニティーをつなぐ手段の一つにしようとする動きもある。一緒に手を動かし、何かを作るだけで絆が生まれる。服を直して長く着ることや、アップサイクル、リユースが注目される昨今。縫製というものが、改めてより身近な存在になりつつある。
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