「来年こそは!」と意気込むあなたへ。2026年からの“私”を変える、心の棚卸しをしよう
「来年こそは!」年末になると、ふとこんな言葉が頭をよぎる瞬間はありませんか。今年も一年、精いっぱい頑張ってきたはずなのに。気づけば日々の忙しさに追われ、年始に立てた目標は、いつの間にかどこかへ置き去りになっている。
毎年同じような一年を過ごしている気がして、このまま3年、5年、10年と時間だけが過ぎていくのではないか。そんな不安が、年末になるとふっと顔を出すこともあります。
周囲を見渡せば、SNSには「昇進」「留学」「起業」「結婚」「出産」など、知らなくてもよかったかもしれない他人の人生の節目が並び、自分だけが何も変わっていないような感覚に陥ることも。
そして何より自分の人生に、あまりワクワクできていないこと。それこそが、年末になると静かに顔を出す「来年こそは」という言葉の正体なのかもしれません。でも、それはあなたの意志が弱いからでも努力が足りないわけでもありません。
■未来はいきなり変えようとしなくていい
むしろ、無理に変えようとするほど、同じところで立ち止まってしまうこともあります。私たちは、変わりたいと意気込んだとき、まず「未来をどうしたいか」ばかりに意識を向けがちです。
目標や願望を一生懸命ノートに書いてみるけど、その通りに進まない現実にぶつかり、いつの間にか書いたことすら忘れてしまう——そんな経験はありませんか。
一方で、同じようにノートに書いた目標や願望を、 不思議と軽やかに叶えていく人たちもいます。この違いは、どこにあるのでしょうか。
それは、自分自身に対する理解度の違いです。安心して住める家を建てるには目に見えない土台が欠かせないように、目標や願望を叶えていくときにも自分自身をどう理解し、どう扱ってきたかという土台が大きく影響します。
具体的に言うと価値観や好きなこと、強み、行動や思考のパターン、 無意識の思考の癖や、自分に合う環境。そうした「自分という土台」を振り返ることで、人生の選択は少しずつ変わっていきます。
■「自分という土台」を知るためのライフラインチャート
ここからは、「ライフラインチャート」を使って「自分という土台を知る」ワークを行っていきましょう。ライフラインチャートとは、これまでの人生を横軸が時間、縦軸が幸福度(モチベーション指数)で振り返りながら、印象に残っている出来事などを書き出していくワークです。
ポイントは出来事の評価をするのではなく、自分自身がどんな時にどんな感情・思考・行動をとったかを振り返っていくこと。このワークを通し、自分だけの取り扱い説明書を作っていきます。
例えば、人に頼られると「NO」が言えない人、外側の指標(地位・ブランド・他者評価など)ばかりが気になってしまう人、仕事が忙しいほど無理をし過ぎてしまう人。自分でも気づいていなかった傾向が浮かび上がってきます。
ライフラインチャートで見えてくるのは、過去の自分自身とそこで身につけてきた思考・行動パターン。それらに気付くことが、これからの選択を変える第一歩となります。私自身もこのワークを通して、自分がどんな基準で人生を選んできたのかに気づきました。
■ライフラインチャートをより効果的にする3つのポイント
記入の手順は、横軸に年齢、縦軸に満足度(モチベーション指数)を取り、幼少期からこれまでの中で印象に残っている出来事を思い出しながら、その時の気持ちを点で記入していきます。最後に、それらの点を一本の線でつないでみてください。所要時間は30~2時間程度、自分に集中できる空間で行ってください。
※下記図表を参考にしてみましょう。
◇ポイント(1)出来事よりも感情を優先して書く
小学校入学などの一般的なイベントを網羅する必要はありません。それよりも自分にとって印象に残っている出来事を優先して振り返ってみてください。
例えば、心が動いたこと(うれしかった、悔しかった、安心したなど)、夢中で取り組んだこと、今の自分を形づくっていると感じるような出来事、努力しても報われなかったこと、記憶に残っている人との出会い、今も大切にしている言葉など。
「なぜか覚えている」ことには、今のあなたに繋がるヒントが隠れています。
◇ポイント(2)幸福度が動いた「前後」を見る
出来事そのものよりも幸福度(モチベーション指数)が大きく上がった・下がった時に注目してみましょう。
その前後に、どんな出来事や人との関わりがあったのか。どのような要素がそろうと自分の幸福度が動くのか傾向を知りましょう。人間関係、取り組んでいた内容、自身の出来事へのスタンス、行動パターンなど、自分の幸福度が動くポイントを見えてくるはずです。
◇ポイント(3)「どん底」からの立て直し方を知る
幸福度が大きく下がっていた時期にもあえて目を向けてみてください。その状態から、自分はどんなきっかけで少しずつ回復できたのか、誰かの言葉なのか、執着を手放す決心だったのか。上手くいった方法だけでなく、遠回りだったと感じる選択も含めて振り返ることで自分の取扱い方が分かってきます。それが今後、同じような場面に出会った時、自分を支えてくれるヒントになりますよ。
これまで、国家資格キャリアコンサルタントとして、多くの方のライフラインチャートに触れてきましたが、落ちたまま終わっている人生はひとつもありませんでした。人生の試練となる出来事のあとには、必ずそこから立ち直るためのきっかけや支えがあり、それに出会ってきた方ばかりです。
このワークを通して、そんな自分の歩みや支えにあらためて目を向けてみるのも大切なポイントです。
■ライフラインチャートが私の人生を変えた本当の理由
私自身、ライフラインチャートを書いたからといって、自分の人生に何か特別な出来事が起きたわけではありません。けれど、自分の人生を見る“視点”が確実に変わりました。
それまでの私は「正解」を探すことに精一杯で、自分で選んだ選択を「正解にする」という発想がありませんでした。幼少期からスポーツや受験戦争を経験する中で、「自分の適性に合っていない仕事でも、社会的評価の高い企業で働きたい」と、人生で大事にしたいことよりも、他者に評価される選択を無意識にしていました。
過去の出来事は変えられなくてもそれにどんな意味を与えるかは、今の自分が選び直すことができます。
年末は、未来の計画を立てる前に、これまでの自分をキャリア・それ以外の面からもゆったり棚卸できる数少ないタイミング。「来年こそは」と思う気持ちは、ただ変わりたいサインではなく、本当の自分に近づきたいサインなのかもしれません。この年末の小さな振り返りがこれからの選択を支える土台となってくれるはずです。
(佐藤 真理奈)
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