

栗田貫一×山寺宏一×堀内賢雄のレジェンド鼎談「テイク50はいった」と語る堀内の苦労や喜びも<LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン>

2025年6月27日(金)に全国公開が決定した劇場版『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』。その「前日譚」として、2025年6月20日(金)より配信される完全新作『LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン』。本作は、銭形警部を主人公に据え、ルパン三世と、彼と瓜二つの「偽ルパン」が登場するという衝撃的な展開で、ハードボイルドな魅力あふれる作品として注目を集めている。この度、メインキャストであるルパン三世役の栗田貫一、銭形警部役の山寺宏一、そして本作の鍵を握る偽ルパン役の堀内賢雄の3名による貴重なクロストークが実現。コロナ禍のなかで行われたアフレコの思い出から、それぞれのキャラクターへの想い、そして劇場版への期待まで、たっぷりと語ってもらった。
「本当に賢雄さん?」と疑うほどの不気味さ
――アフレコはコロナ禍の最中に行われたということで、みなさん個別での収録だったんですよね。
栗田:そうなんです。自分の家で1人で練習して、スタジオに入って1人で収録するっていう流れだったので、割と難しかったですね。
堀内:とくに僕なんか、ルパンシリーズはほぼほぼ初参加ですし、しかもキャラクターが「偽ルパン」ですから、そりゃもう大変でしたよ。
栗田:収録が終わってブースから出たらロビーに賢雄さんがいて、「俺、どうしたらいい?」って聞いてきたよね?(笑)
堀内:ほんと、どうすればいいか分からなかったんだよね。
栗田:でもだからと言って、僕も安直に「俺の真似をすればいい」とも言えないしさ(笑)。
堀内:だよね。でもルパンシリーズに出演するのはもう長年の憧れって言うか、夢みたいなことだからね。でもさすがに「偽ルパン」は難しすぎるよ(笑)。山ちゃん(山寺宏一)も知ってると思うけど、俺って不器用じゃない?
山寺:初耳ですよ(笑)。まあたしかに、長くお付き合いをさせてもらってますけど、賢雄さんが誰かの声真似をしてるところは見たことはないですね。逆に僕はよく賢雄さんの声真似をしてますけどね。
堀内:そうそう! 山ちゃんはヒドくて、よく僕の声真似をして「仕事くださいよ〜」ってやるんですよ(笑)。
山寺:そこまでは言ってませんよ!(笑) ただ賢雄さんの声真似をすると飲み会が最高に盛り上がるんですよね。なのでまあ、もしかしたらノリでやったことがあるのかも(笑)。
堀内:そうでしょ? とにかく僕自身は不器用なので、偽ルパンというのはプレッシャーだったんです。とくに最初に峰不二子と対峙するシーンでは、声でルパンだと勘違いさせるようなくだりがあって、内心「それは無理だよ」って思って(笑)。収録ではなんとか寄せようと思って頑張ったんだけど、やっぱりダメで。ただ、なんどもテイクを重ねていくうちに、声そのものじゃなくって、内側から滲み出てくる雰囲気がだんだんと似ていったみたいで、粘った末にようやくOKをもらったんですよ。たしか50テイクはいったと思います。
山寺:50は嘘でしょ。さすがに盛ってますよね(笑)。
堀内:いやいや、本当に50はいったと思う。
栗田:でも最初に賢雄さんが「偽ルパン」をやるって聞いたとき、本当に楽しみだったんですよ。以前も別の現場でご一緒させてもらっていたので、どんな偽ルパンになるのかなと思っていたら、「これ本当に賢雄さん?」って思うくらいいつものイメージとは違っていて。だから「相当に頑張ったんだな」って(笑)。
堀内:そうそう、本当に頑張りましたから。
山寺:僕も栗田さんと同じで、最初は賢雄さんだと分かりませんでした。僕は賢雄さんにはデビューからずっとお世話になっていますし、一発で賢雄さんだと分かる美声の持ち主なんですけど、今回はそれが分からなくて、思わず「あれ? 賢雄さん差し替えられたのかな?」って(笑)。それくらい、これまで聞いたことのない不気味で怖い声で、こういう賢雄さんの一面を、僕は今まで知らなかったんだと思うと本当にすごく痺れました。
栗田:これはもう、賢雄さんの覚悟と努力の賜物だよね。
堀内:だって上手く出来なかったら、栗田さんも山ちゃんも「全然似てないじゃん」って言うでしょ。だからこっちも必死ですよ。
山寺:そんなことは言わないですよ……仮に本当に思ってても(笑)。
栗田:でも実際、すごく怖い芝居でしたね。何を考えているかまったく分からない雰囲気があって、案外それが賢雄さんの本質かもしれないなって思って、ゾクッとしましたよ。
山寺:賢雄さんは声優界でいちばん面白い人なんですけど、その内側にあるドロドロとした部分が出てて、きっと若いころは相当に怖い人だったんだろうなってね(笑)。
堀内:いやいや、本当に必死に食らいついただけですから。
「不死身」には興味のない3人?
――一方で、本作は銭形警部が主役でもありますよね。
栗田:それは僕もすごく感じました。これは山ちゃんの作品だなって。
堀内:だからタイトルが「銭形と2人のルパン」なんですよね。最初はてっきり僕が演じる「偽ルパン」が主役なのかと思ったんですけど(笑)。
栗田:小池健監督の『LUPIN THE ⅢRD』シリーズは、これまで次元、五ェ門、不二子ときてますから、銭形は外せないんですよ。
堀内:でもやっぱり銭形はすごかったですよね。「ルパンを捕まえてやる!」っていう執念とか覚悟が際立っていて、僕は震えましたよ。
山寺:小池監督のルパンシリーズは一貫してそうなんですよね。モンキー・パンチ先生の原作の雰囲気に近いハードボイルドテイストで、そこは最初の『峰不二子という女』から変わっていないですね。
堀内:そうなんですね。僕からすると「新たなルパン」っていう感じで、すごく新鮮でした。とくに銭形とルパンの関係は、男同士の友情とも愛情とも思えるような独特な雰囲気で。バチバチなんだけど、お互いにリスペクトしている感じがいいですよね。
栗田:小池ルパンは、いわゆる僕らの世代のテレビシリーズとはちょっと違っていて、銭形のことを「とっつぁん」とは呼ばずに、ずっと「銭形」なんですよ。
堀内:そう言えばそうだ。いやあ、面白いですね。欲を言えば、偽ルパンでそのまま映画にも出たかったです(笑)。
山寺:分かりませんよ? 偽ルパンは最後、どうなったか誰も知らないですから。
栗田:収録は終わってるけど、反響しだいでは出れるかも?(笑)
――公開間近の映画『不死身の血族』のテーマは、タイトル通り「不死身」ですが、みなさんは不死身に興味はありますか?
栗田:僕はないですね。生まれた以上は死なないとダメなんじゃないかなって。
山寺:「不死身」って いろいろなSFやファンタジー作品で描かれてきていますけど、ほとんどの主人公は「苦悩」するじゃないですか。僕はまだまだ「死」を受け入れられるような広い心は持ち合わせていないですけど、それを考えると不死身を羨ましいとは思わないですね。
堀内:僕はもう全然「死」を意識する年齢になってきましたけどね(笑)。でも「不死身」は嫌ですね。山ちゃんの言った通り、いろいろな作品を観ていると、死なないことの恐ろしさのほうが勝つと言うか。最後までしっかりと仕事をして、楽しんで生きて、それでいいのかなって。
山寺:僕も同じです。僕の人生の目標は健康長寿なんですけど、できれば90歳までは現役で仕事をして、そのあとポックリと逝くのが理想ですね。僕の師匠の羽佐間道夫さんは今年92歳になりますけど、めちゃめちゃお元気で滑舌もいいし、お酒も飲むし。僕もそれを目指して頑張ろうと思っています。
栗田:でも時の流れは早いなあとは思いますよ。自分たちの親世代が亡くなるようになってきたなと思っていたら、最近では同級生たちもだんだんと危なくなってきて。
堀内:それ、すごく分かる(笑)。
山寺:栗田さんと賢雄さんは同い年ですもんね。
栗田:そうそう。先日も友達の葬式に出席したんですけど、人間ってこんなに早く死ぬんだなって思って。でも67歳ってひと昔前ならわりと長寿のほうだから、なんにも不思議なことではないんだけど。
山寺:……僕もそろそろか。
堀内:……しんみりしちゃうね(笑)。
――こんな話題を出してしまいすみません…。
栗田:本当だよ(笑)。
――では気を取り直して、最後に作品の見どころをお願いします。
栗田:やっぱり銭形とルパンの関係性ですよね。命を助け合ったりもしながら、けして仲間にはならない、男同士のロマンが詰まっている気がします。あと個人的には、偽ルパンの最後の爆破シーンなんかは映像的にもすごいことになっているので、ぜひ観ていただきたいです。
山寺:銭形の執念はシリーズを通じて描かれてきていますが、今回はそれがより色濃く出ているので、そこは改めて注目してもらいたいですよね。同時に、やっぱり銭形ってルパンがいないとダメなんだなっていうこともよく分かるお話にもなっていると思います。言うなれば、銭形の「ルパン愛」に溢れた作品ですね。
栗田:それを言うなら逆もそうで、ルパンの「銭形愛」も感じられると思います。
山寺:銭形とルパンって、本当に不思議な関係ですよね。
堀内:そして、そんな2人の間に割り込んでかき乱すのが偽ルパンです。国家の思惑が絡むスケールの大きな物語ですし、シリアスでハードな雰囲気も最高です。今回は配信という形なので気軽に見れると思いますし、そのあとは映画を観に映画館に足を運んでもらえれば嬉しいです。好評なら偽ルパンも出てるかもしれません(笑)。
栗田:いやいや、だからもう収録が終わってるんだって。
堀内:今からだと間に合わない?
山寺:さすがに厳しいんじゃないですか?
堀内:じゃあまた次回にご期待ください(笑)。
――ありがとうございました!
◆取材・文/岡本大介
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