「スター・ウォーズ：テイルズ・オブ・アンダーワールド」が5月4日よりディズニープラスにて独占配信中

＜SWアニメ短編シリーズ最新作＞裏社会を生き抜く“無法者たち”の暗躍「大人のハードボイルド」キャラクターの深部を描く物語に感服

2025.05.11 07:10

スター・ウォーズ(SW)の新作アニメ「スター・ウォーズ：テイルズ・オブ・アンダーワールド」が、5月4日の“スター・ウォーズの日”に配信された。同アニメは、「テイルズ・オブ・ジェダイ」(2022年)、「テイルズ・オブ・エンパイア」(2024年)に続く、SWアニメ短編シリーズ3作目。歴史あるSWシリーズのどんな部分を描いているのかを解説しよう。(以下、ネタバレを含みます)

元暗殺者のヴェントレスと孤高の賞金稼ぎキャド・ベインの物語

今作は過去2作同様に、2人のキャラクターの物語を各3話ずつの全6話で構成したアニメーション。今回は、シスの暗黒卿・ドゥークー伯爵の弟子だった元暗殺者でナイトシスターのアサージ・ヴェントレスと、賞金稼ぎのキャド・ベインという、裏社会を生き抜く無法者2人の物語を描いている。

SWアニメ短編シリーズは、いずれもこれまで描かれてこなかったキャラクターの深部を描く点が高く評価されており、今回の「テイルズ・オブ・アンダーワールド」でもアニメ「クローン・ウォーズ」でドゥークー伯爵に裏切られた後のヴェントレスがどのような道を歩んでいたかが明かされる。

ヴェントレスのパートは、ダース・シディアス／シーヴ・パルパティーンの命令を受けたドゥークー伯爵に命を狙われ続けたことで正体を隠して生きているヴェントレスと、逃亡者であるジェダイの少年・ライコとの交流が描かれている。

一方、ドラマ「ボバ・フェット／The Book of Boba Fett」(2021年)にも登場したキャド・ベインが主人公のパートは、彼の幼少期から物語がスタート。まだキャド・ベインという名はなく、路上生活をしていた孤児のベインは似たような境遇の孤児と2人でスリなどを働いて生きていた。ところがある男と出会ったことで、2人は対照的な人生を歩むことに。そして、その行く末には思いもよらぬ悲劇が待ち受けていた。

視聴したファンからは「亡くなったはずのヴェントレスがアニメ『バッド・バッチ』で再登場を果たした理由が明らかに！」「キャド・ベインのパートは、大人のハードボイルド」「ベイン回は、往年の西部劇映画だね」「2人の魅力が増幅した。やはりデイヴ・フィローニは天才だ」と歓喜の声が。SWシリーズを深く知れば知るほど、楽しめる粋な展開満載の内容になっている。

手掛けるのは、「ルーカスフィルム」CCOのデイヴ・フィローニ

同作の製作総指揮、監督、脚本を務めているのは、2023年からルーカスフィルムのCCO(最高クリエイティブ責任者)となったデイヴ・フィローニ。ジョージ・ルーカスの下で“SWの真髄”を学んだ彼は、2008年のアニメーション映画「スター・ウォーズ／クローン・ウォーズ」を皮切りに、同作のアニメシリーズ(2008〜10年)と「反乱者たち」シリーズ(2014〜18年)を担当。

その後、監督・脚本家・俳優のジョン・ファヴローと共にSW初のドラマシリーズ「マンダロリアン」(2019年〜)や、「ボバ・フェット」、「スター・ウォーズ：アソーカ」(2023年)でも製作に入った。また、2026年５月22日(金)に日米同時公開される映画「スター・ウォーズ／マンダロリアン・アンド・グローグー」の製作総指揮も手掛けることが発表されている。

「クローン・ウォーズ」と「反乱者たち」を足した合計208話で、パルパティーンがまだ皇帝でアナキン・スカイウォーカーもまだジェダイだった共和国時代から、ジェダイ殺害を命じられたオーダー66の発動後に誕生した暗黒の銀河帝国時代までをじっくりと描いたフィローニだからこそ作れると言っても過言ではない今シリーズ。「テイルズ・オブ・アンダーワールド」では、2人のヴィランの生き様に多くの人が心を打たれるだろう。

◆文=及川静