

映画『おいしくて泣くとき』の長尾謙杜さんインタビュー! 撮影現場で積極的に話しかけにいく理由とは
映画『おいしくて泣くとき』の主演・長尾謙杜さんにインタビュー。アイドルとしてなにわ男子で活躍しつつ、俳優としても高評価を得ている長尾さん。撮影の裏話から見える素顔とは? ※サムネイル画像:(C)2025 映画「おいしくて泣くとき」製作委員会
映画『おいしくて泣くとき』は、森沢明夫の同名原作小説を実写映画化。幼なじみの心也(長尾謙杜)と夕花(當真あみ)の友情と淡い思いを描いた作品。
心也の父(安田顕)が運営する「子ども食堂」にたびたび来ていた夕花。複雑な家庭環境の夕花にとって、心也と過ごす時間だけは笑顔があふれていたけれど……。
心也と夕花が悩みや苦しみを抱えながらも、周囲への感謝と優しさを忘れずに成長していく姿がみずみずしく描かれています。
本作が劇場映画初主演の長尾謙杜さんに撮影の裏話や俳優としての未来についてお話を伺いました。
『おいしくて泣くとき』主演、長尾謙杜さんにインタビュー
――『おいしくて泣くとき』は、長尾さんの劇場映画初主演作ですが、撮影前、プレッシャーはありましたか?
長尾謙杜さん(以下、長尾):特に感じなかったです。主演映画だからといって特別なことをしようという気持ちはありませんでした。僕の性格的にも「みんなをリードしなくては」と思うタイプではないので。キャストのみんなで横一列になって、協力しながら歩んでいきたいという気持ちで臨みました。
キャストやスタッフの皆さんにお力を貸していただきながら撮影をしていました。なので主演らしいことは全然していなかったと思います。
――長尾さんが演じた心也は、けがで大好きなサッカーを続けられなくなり、無気力になってしまったけれど、夕花との交流で少しずつ変化していきます。長尾さん自身は心也のキャラクターをどのように考えていましたか?
長尾:脚本を読んだときに感じたのは“強い男の子”。サッカー部のエースだったけれど、けがで離脱してしまう。本人はショックを受けているけれど、みんなをまとめる力もあるし、正義感も強いし、相手を思いやる気持ちもしっかり持っている人だと思いました。
サッカーができなくなって、夕花に誘われて「ひま部」を結成して過ごすうちに、最初は弱々しいイメージの夕花がタフになっていき、心也は逆に弱い気持ちを吐露するようになっていく……というようなことを考えながら演じていました。
――横尾初喜監督からはどのようなアドバイスがありましたか?
長尾:横尾監督からは最初に「旅をしましょう」と言われました。劇中で心也と夕花が、逃避行をするようなシーンがあるのですが、そのエピソードに重ねて「旅の準備をして、旅をしましょう」と。その旅のシーンが、2人の30年後に大きく関わってくるので、彼らの30年後の人生も大切にしながら撮影に臨みました。
――心也はいわゆる普通の男の子なので、逆に個性を際立たせるのが難しい役なのではないかと思いましたが、演じていていかがでしたか?
長尾:そうですね、僕も心也のような男の子はどこにでもいると思います。なので特に色をつけようとは考えませんでした。心也の目線は、おそらく映画を見てくださる方たちと同じ目線だと思ったので、あえて個性を意識せずに演じました。
TEAM NACSのメンバーと立て続けに共演!

――映画『室町無頼』では大泉洋さん、本作では安田顕さんがお父さん役ということで、TEAM NACSのメンバーとの共演が続きましたね。安田顕さんとの共演はいかがでしたか?
長尾:『室町無頼』での大泉さんと僕は役柄上、師弟関係だったので、ときには厳しくご指導いただきながらも、楽しく演じることができました。
本作での安田さんと僕は父と息子の関係。多少シリアスなシーンもあったのですが、安田さんは現場で常にお父さんでいてくださったので安心して演じることができました。
大泉さんも安田さんも、僕にとっては幼いころからずっとテレビで見てきたスターたちなので、共演できて本当にうれしかったです。なんだか普通のファンのようなことを言っていますね(笑)。
――夕花を演じた當真あみさんとの共演はいかがでしたか? 最も共演シーンが多かったですよね。
長尾:映画やドラマにたくさん出演されているので當真さんのことはもちろん知っていました。僕より4つ年下ということもあり、お若いイメージがあったのですが、お会いしてびっくり。すごくしっかりしていて、精神年齢は僕より上なのではないかと(笑)。
僕が當真さんと同じ年くらいのときは何をしていたんだろう……と考えてしまいました(笑)。
ただ、ピュアで何色にも染まっていない感じや、守ってあげたくなるはかない部分もあって、そんな當真さんの魅力が夕花とリンクしていました。
積極的にスタッフ、キャストと会話する理由

――先ほどあまり主演らしいことはしていないとおっしゃっていましたが、撮影現場でいろいろな方に話しかけて気遣われていたそうですね。いつも現場ではスタッフやキャストなどに積極的に声を掛けていくタイプなのでしょうか?
長尾:特に気を使っていたわけではなく、スタッフやキャストの皆さんと撮影合間に会話をするのが好きなんです。できるだけスタッフさんたちと話して距離を縮めたほうが仕事もやりやすくなりますから。
一緒に作品を作っていくチームなので仲良くなりたいし、技術スタッフさんのプロの仕事を見ていると、いろいろとお話を聞きたくなるんです。あと僕は釣り好きなので、この映画のロケ撮影では地元の方に「釣れるんですか?」と聞いたりしていました。
――ロケ撮影は好きですか?
長尾:好きですね! 演技に集中できるだけでなく、ご当地の食事も楽しみですし、その土地の方たちも皆さん温かく歓迎してくださるので。すごく幸せな気持ちになれます。
――撮影合間もあまりじっとしていないタイプですか?
長尾:けっこう本番ギリギリまで話したりしています(笑)。スタッフさんと会話をしていたほうが聞きたいことがあったときに質問しやすいし、撮影時でも自分の疑問点や言いたいことが伝わりやすくなります。いろいろなことがスムーズになるので、僕は撮影現場では積極的に作品に関わっている方たちとお話しするようにしています。
アメリカのワークショップで学んだことを大切に
――長尾さんは出演作が続いていますが、自分の中で成長したと感じるところはありますか?
長尾:自分ではよく分からないです。僕が出演した作品の感想などを読んだりしたときに「よかった」という感想があるとうれしいけれど、自分の中で何かが変わったり、成長したりというのは感じたことがないですね。ただ映画が完成するたびに達成感はあります。
――今後、お芝居で伸ばしていきたいところはありますか?
長尾:発声ですね。本格的な演技レッスンを受けてきたわけではないので、やはり舞台俳優さんと共演すると、その発声に圧倒されます。自分は基礎の土台さえまだ固まっていないと感じるので、努力が必要です。
――お芝居を独学で習得してきたんですね。
長尾: Amazon Orignal映画『HOMESTAY(ホームステイ)』(2022)に出演したとき、アメリカのワークショップにオンラインで参加したんです。そこで台本をもとにした演技のアプローチ方法などを教えていただいたので、その教えを今でも大切にしていますし、とても気付きがあったので、自分なりに考えて演技に生かしています。
いつか大河ドラマで上杉謙信を演じたい!

――さまざまな作品に出演されてきて、今、演じることは楽しいと感じていますか?
長尾:楽しいです。「よく俳優はいろいろな人になれるから楽しい」と聞きますが、僕もそれには共感しますし、役を通して発見や勉強があるのがいいですね。僕は悪役を演じたことがないので、自分が演じてきた役に対してリスペクトしかないけれど、そう思えることも芝居の魅力だと思います。
僕はもともと、芸能界に入っていなかったら海上保安官になるのが夢だったんです。映画『海猿』の影響なんですけれど。ただ俳優の仕事をしていれば、役で海上保安官になれるし、織田信長にもなれる。もし、僕が海上保安官になっていたら、織田信長にはなれないじゃないですか。
そう考えたら、俳優の仕事は夢が詰まっていると感じます。役を演じて、その気持ちを感じて、役の上だけでも憧れの職業に就いたり、歴史上の人物になれたりするというのは俳優の非常に大きな魅力だと思います。
――今後、海上保安官の役が来るかもしれませんしね!
長尾:そうですね。でも一番やりたいのはNHK大河ドラマの主役です。もっと年齢を重ねていつかは大河ドラマの主演をしたい。役は上杉謙信! 実は僕の謙杜という名前は「上杉謙信」からきているんです。
いろいろな武将を演じてみたいけれど、大河の主役を演じるときは、上杉謙信と決めています。なので僕が演じるまで誰にも大河ドラマで上杉謙信を演じてほしくないんです。一度でも先に誰かに上杉謙信を演じられたら、そこから数十年は、上杉謙信が主役の大河ドラマは作られないと思うので。
「僕が演じるまで誰も演じないでください、待っていてください!」と願っています。
完成した作品は新鮮! 主題歌は最高!

――完成した映画を見た感想を教えてください。
長尾:自分が出ていないシーンもあるので、1つの作品として見たとき、新鮮な気持ちもありましたし、自分が演じた心也の未来の姿がディーン・フジオカさん!という驚きもありました。
ただ自分が出演しているので、反省点もいろいろあります。撮影のときは常に100%の力で演じていたので後悔はないけれど「今ならこう演じたかな」と思ったりしました。芝居は正解・不正解がはっきりあるわけではないですが、俳優の仕事をする上で、必要なことが見えてきました。
あとは主題歌! Uruさんの歌う『フィラメント』がすごくいいんです。もともとUruさんの曲をよく聞いていたので、主題歌がUruさんと聞いてうれしかったですし、いい声、いい歌詞、そして世界観がこの映画にぴったりで感動しました。
この歌を聞いていると、撮影のときを思い出しますし、心也と夕花が歌の中でも生きているように感じて……。本当にいい歌だなと思います。
ぜひ劇場で心也と夕花の青春を見ていただきたいです。よかったら感想を教えてください。
取材・文:斎藤香
長尾謙杜さんのプロフィール
2002年8月15日生まれ。大阪府出身。2018年、なにわ男子のメンバーに選ばれる。『俺のスカート、どこ行った?』(2019/日本テレビ)で連続ドラマに初出演。2021年、なにわ男子として『初心LOVE(うぶらぶ)』でCDデビュー。以降、なにわ男子の活動とともに俳優としても活躍。主な出演作『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(2023)『室町無頼』(2025)。
『おいしくて泣くとき』大ヒット上映中
出演:長尾謙杜、當真あみ
原作:森沢明夫『おいしくて泣くとき』(角川春樹事務所刊)
監督:横尾初喜
脚本:いとう菜のは
音楽:上田壮一
主題歌:Uru 『フィラメント』(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
配給:松竹
(C)2025映画「おいしくて泣くとき」製作委員会
『おいしくて泣くとき』公式Webサイト
執筆者:斎藤 香(映画ガイド)
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