

下野紘、声優の仕事に対する思い「今の仕事がすごく好き。働くことが楽しいです(笑)」

7月からスタートしたアニメ「はたらく魔王さま!!」。前作「はたらく魔王さま!」から約9年ぶりの続編ということで、スタート時から大きな反響を呼んでいる。個性的なキャラクターも多数登場しているが、魔王サタンと勇者エミリア抹殺のためにエンテ・イスラより使わされた刺客で、激闘の末に再び魔王の門下に下った悪魔大元帥ルシフェルこと“漆原半蔵”もクセの強いキャラ。そんな漆原の声を担当している下野紘に、第2期の見どころ、漆原の魅力、「働く」ということへの思いなどを聞いた。
同アニメの原作は、シリーズ累計発行部数350万部を突破したファンタジー作品。第1期は2013年4月から6月にかけて放送され、第2期は地上波での放送(毎週木曜夜11:30-深夜0:00ほか、TOKYO MXほか)の他、動画配信サービス・ディズニープラスでは地上波同時、見放題独占配信中だ。
2期は「漆原の扱いがちょっとまともに(笑)」
――およそ9年ぶりの続編ですが、2期があると知った時はどう思いましたか?
「あ、やるんだ!」って思いました(笑)。最近だと、昔のアニメ作品のリバイバルなどもありますけど、続編となると3年とか5年以内というイメージがありますから、まさかやるとは思ってなかったです。1期の放送が終わった後、他のキャストの方と会った時に「2期があったらいいね」ってしばらく言っていましたけど、「さすがにないな」って諦めていたところだったので、ホント、ビックリです。
――久しぶりの“漆原半蔵(悪魔大元帥ルシフェル)”ですが、すぐに戻れた感じですか?
そうですね。アフレコが始まった時に、思っていたよりもおとなしめなキャラクターだったなっていうのを思い出しました。僕自身の声の出し方なども、この9年の間で変わったりしたところもありますけど、意識して変えたりはしていません。どの作品でもそうですけど、“アニメーションでそのキャラクターがどんな表情をしているのか”を考えて演じるのが大事だと思いますから。そういう意味での変化はありました。
――どういうところですか?
1期に比べると漆原の扱いがちょっとまともになっているんです(笑)。1期では“刺客”的な形で襲撃し、倒されてから一緒に暮らすようになったんですが、“お荷物”ともいえないぐらいぞんざいな扱いで、まともに会話もしてもらえませんでした。でも、2期だと芦屋(四郎)から「麦茶、作っとけって言ったろ!」とか、掃除や洗濯をするように言われたり、雑な扱いはされていますが、扱われ方がだいぶ丁寧になりました。それはすごく新鮮でしたし、自然と声にも変化が生まれますよね。
――存在を少しは認められるようになって。
はい(笑)。新キャラのアラス・ラムスが来てから、(鎌月)鈴乃と一緒にいろんなことを説明する役割みたいになって、「あれ?1期でそんなかっこいいところあったっけ?」って。9年の間に漆原の人気がちょっと上がったのかな?なんて思ったりしました。
“エンテ・イスラ語”を初披露
――そう考えると、1期と2期での“変化”という点では、漆原が一番変化も大きいかもしれないですね。
そう思います。1期の時はただただ怠惰な部分が目立っていましたが、2期は「今、こういうことが起こっていて」みたいなことを把握していたり、畑泥棒の時もみんなに指示したり。1期の漆原からは考えられない活躍をしていたりするので、堂々としている漆原が見られるところも2期ならではかな。あと、1期でやってなくて2期で初めてやったことがあるんです。
――それは何ですか?
“エンテ・イスラ語”です。他のキャラクターは1期の時から喋っていたんですけど、漆原は喋っていなかったんです。やってみて分かりましたが、めちゃくちゃ難しいです(笑)。アフレコですごく緊張しました。「いやぁ、みんな、よくベラベラ喋れるなぁ」って感心しましたよ。
――下野さんから見た“漆原”の魅力は?
魅力って言われるとちょっと困るんですけど、“中二病”的な要素が好きな僕からすると“悪魔大元帥ルシフェル”っていう名前がいいですよね。でも、「そこしかねぇのかよ!」ってファンの方から叱られそう(笑)。
演じている僕よりも、見てくれている方、漆原のファンの方のほうがいろんな魅力を知ってくれてると思います。
9年の月日を全く感じさせない雰囲気でした
――9年ぶりですけど、前回とほぼ同じメンバーでの続編ということで、安心感などもあったのかなって。
そうですね。9年の月日を全く感じさせない雰囲気でした。「あれ? 毎日一緒にいたっけ?」ってくらいに。
――そんな中で、新キャラの“アラス・ラムス”役の木野日菜さんは2期からの参加になりますが。
1期からみんな仲良かったので、放送が始まる前、特別番組をやった時に雰囲気が分からずにちょっと飲まれがちなところはありましたけど、そこから少しずつ仲良くなれています。
――ちなみに、漆原以外でお気に入りのキャラは?
鈴乃いいですよね。しっかりしてそうで意外と抜けてる部分があったり、常識人のようで案外常識を知らなかったり。自分ではしっかりしていると思っているけど、そうじゃない部分がいろいろ見えてきて、そのギャップがいいなって。あと、(声を担当している)伊藤かな恵ちゃんと鈴乃が全く違うんです。そのギャップも面白いなって思います。
――物語の舞台になっている“笹塚”ですが、下野さん自身は笹塚に何か思い出、思い入れはありますか?
20代の頃に笹塚に新しくスタジオが出来て、アフレコで行くようになりました。その後、飲みにも行っていましたね。なんだかんだ20数年ぐらい行ってるので、笹塚の街並みの変化とかも感じたりしています。
賃金をもらうとか、地位を上げるためだけに働くのは寂しい
――「はたらく魔王さま!!」のタイトルにかけまして、下野さんにとって「働く」とは?
「働く」ということは、いろんな仕事があるので大変な部分もありますけど、ただ単にお金を稼ぐとか、何かを得るというだけじゃなくて、“楽しみ”や“喜び”も絶対にあると思うので、働きながら、そういうことを探しています。
――どの職業においても、そういう気持ちが大事ですよね。
はい、そう思います。賃金をもらうとか、地位を上げるためだけに働くのは寂しいなって思いますし、今の仕事がすごく好きなので、できるだけ長く続けたいと思っていて、その気持ちは忘れないようにしています。僕がやっている“声優”という仕事は、オーディションに受からないと仕事がゼロになってしまう、賭けみたいなところもありますし、苦労することやツラいこと、しんどいこともたくさんあります。
20年以上この仕事を続けてきて、大変なこともありつつ、楽しいこと、やりがいもたくさん見つけることができたので、今、働くことが楽しいです(笑)。
――2期も第8話まで来ました。今後の見どころをネタバレしない程度に教えてください。
1期はいろんなキャラが笹塚にやってくるというところのお話でしたが、2期はエンテ・イスラとか、魔界とか天界とか、より世界観、世界線が広がっています。漆原は「今なんでこういうことが起こっているのか」とか「原因は何なのか」とか、そういう説明係的な役割も担っていて、何かワケ知り顔で話していたりもするので、「今後、何かあるのかな?」って。僕も楽しみにしていますので、見ていただいている方も今後の展開を楽しみにしていただければと思います。
――最後に作品とは全く関係ないんですが、“ベストカラアゲニスト”の下野さんがおすすめする唐揚げの食べ方も教えてください。
唐揚げって本当においしいですよね(笑)。基本的には何にでも合いますから、おすすめっていうのは特にないんですけど、最近自分で作る時、粉の配合を変えました。粉と言っても小麦粉と片栗粉しかないんですけど。
これまでは小麦粉が多め、あるいは半々ぐらいだったのを、片栗粉を多めにしています。そのほうが僕が個人的に好きな“薄衣”のよりサクッとした感じに仕上がるんです。それは新しい発見でしたね。なので、もっともっと自分好みの唐揚げが作れるように頑張ります(笑)。
◆取材・文=田中隆信
※記事内、逢坂良太の「逢」の字は「二点しんにょう」が正式表記
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