

長井新&宮下早紀、“たんもし”オーディオブック版で再共演「長井さんはいつも優しくて“お母さん”かなって(笑)」

シリーズ累計発行部数70万部を突破、MF文庫Jライトノベル新人賞《最優秀賞》を受賞した人気作『探偵はもう、死んでいる。』(通称:たんもし)。2021年7月から放送中のテレビアニメも好調の同作が、ListenGoよりオーディオブックとして発売された。アニメで君塚君彦を演じる長井新とシエスタを演じる宮下早紀が引き続き朗読を担当し、長井は男性キャラ全員と地の文、宮下は女性キャラ全員を一人で演じ分けるなど、アニメとはまた違った楽しみ方もできると話題だ。そんな同オーディオブックの発売を記念して、長井と宮下のスペシャル対談を実施。作品や登場キャラへの想い、そしてオーディオブックならではの魅力などについて話を聞いた。
『探偵はもう、死んでいる。』は何度も読み返したくなる作品
――まずは『探偵はもう、死んでいる。』の原作の感想と印象から聞かせてください。
長井:面白くて、最初に原作を読んだ時、読み終わってすぐに読み返したくなりました。
宮下:どのページをめくっても何か仕掛けがあるんじゃないかっていうぐらい伏線が散りばめられていて、何回読み返しても新たな発見がある作品です。
長井:アニメのオーディションの時に初めて原作を読んだんですけど、オーディションまで時間がないのに、自分の役とは関係のないところまで読み返して、「面白いなぁ」って一読者としてどっぷりハマってしまいました(笑)。
宮下:気づいたらまるまる1巻読み終わっていました。
長井:当時、原作は3巻まで出ていたんですが、オーディションに向けて2巻まで読んでおけば大丈夫だったのに、普通に3巻まで読んでしまいました。読みやすいし面白い作品なので、3巻を読み終わった後、また1巻を読んでしまって(笑)。
宮下:時系列が入れ替わっていたりするので、「ここ、どういう繋がりだっけ?」という感じでついつい読み返しちゃうんです。
長井:アニメの台本は原作と進み方が違っていたので、原作ファンになった僕としては、「ここからどうなっていくんだろう?」って、台本を読んだ時にまたワクワクしました。アニメでは第1話でたっぷりとシエスタを見せることで、タイトルの『探偵はもう、死んでいる。』という言葉の重みが増しましたし、これからのシエスタのことを考えると、アニメの台本も素敵だなと思いました。
宮下:私もそう思いました。すごくいろいろな要素がある作品なので、アニメの12話でまとめるというのはものすごく大変だと思うんです。
長井:いろいろな試行錯誤をされた上で、原作とはまた違った見せ方、散りばめ方になっているんだなって。
――アニメの第1話でシエスタのことがたっぷり描かれているので、一視聴者としてはすごくキャラクターに思い入れが強くなったのですが、2話、3話と進んでいくと、「もうシエスタはいないんだ」と驚きました。もう宮下さんは出てこないのかな?って。
長井:そう思っちゃいますよね(笑)。
宮下:突然いなくなっちゃいますから(笑)。
長井:理由も分からなくて、「どうしてなんだ!」って。第2話でシエスタは冒頭だけ出ていたので、宮下さんも少しだけアフレコに来られていましたけど、そこからだいぶ空いたもんね。3話、4話、5話くらいまで。
宮下:アフレコがお休みの日とか、かなり悲しかったです。「今、助手(君塚)は頑張っているのかな?」って思いながら。
長井:いきなりシエスタがいなくなったから、アフレコでも心細かったです(笑)。その後に女性キャラが次々と登場するんですが、それぞれの声を担当する方は初めましての人ばかりでしたし、不安でいっぱいでしたね。
宮下:第1話では、2人で試行錯誤して「頑張ろうね!」って声を掛け合って。
長井:なのに、もういない!って(笑)。
君塚とシエスタ、長井と宮下 お互いの印象は?
――長井さんから見た“君塚君彦”というキャラクターの印象は?
長井:クールな印象があるんですけど、いろんなことに巻き込まれたり、個性的な女性キャラクターに絡まれたりすることによっていろいろ表情を見せてくれます。それに、ツッコまざるを得ない立ち位置というのも面白いところだなと思いますね。
――相手がシエスタじゃなくても、関係性として下に見られることも多いですよね。
宮下:自然と“いじられキャラ”に(笑)。
――宮下さんから見た“シエスタ”の印象は?
宮下:自分と違う部分が多いので、演じるにあたっては、自分の中で準備を重ねて、完璧にイメージした上で収録に臨みました。今もそうなんですけど、シエスタは掴めないキャラクターで、そこが魅力なのかなって。12話まで演じてみて思ったのは、案外“人間らしい”っていうことです。シエスタが死んでいる現代では、君塚がいろんな女の子と接しちゃうので、嫉妬したり、悲しい表情をしたりするところとか、意外と子供っぽいところとか、可愛いところとかが、話数が進むごとに見えてきて。演じていて面白いなって思いました。
――シエスタ目線ではなく、宮下さんから見た“君塚”はどんな印象ですか?
宮下:もし私が君塚と一緒にいたら、私も巻き込まれることになると思うので、あまり一緒にいたくないですね(笑)。
長井:おーい!(笑)
宮下:遠くから行動を見守ってあげたいです。
――長井さんから見た“シエスタ”は?
長井:一緒にいたら楽しいだろうなって思います。世界中を旅していますし、君塚もつらいと思っていたら一緒にいないと思うんです。2人での旅を楽しんでいると思うので、僕も君塚になって旅したいなって。なんだかんだ、守ってくれますし。
宮下:そうそう。シエスタは強いんです! 一緒にいて安心感があると思いますね。
――アニメが放送されてからの反響はどうでしたか?
長井:アニメが放送されてから、原作もさらに売れているというのを聞いて、嬉しかったですね。
宮下:相乗効果のような感じで、アニメも原作も注目されるのはホント、嬉しいです。
長井:アニメではこうなっていたけど、原作はどうなっているのかな?って、原作を読みたくなりますしね。
宮下:原作にはアニメで描かれていない部分もありますから、より詳細を知りたいと思って、原作を買って読んでくださった方も多いみたいです。
長井:アニメには入りきらなかった原作の面白いシーンとかセリフもあって、「これも言いたかった!」というものもありますね。
宮下:その気持ち、わかります!
――ちなみに、長井さんと宮下さんは過去に共演は?
長井:ありませんでした。第1話のアフレコが初めましてでしたね。初めてお会いした時は、透明感のある方だなと思いました。これまで出演されてきた作品もいろいろ知っていたので、何でもできちゃう人なのかなっていう印象も。でも、こういうインタビューや配信で話す機会が増えてくると、また違う一面も見えてきて。そういうところはシエスタとかぶるところもあるのかなと思います。完璧そうに見えて、実はそうじゃないところとか。
――宮下さんから見た長井さんの印象はどんな感じですか?
宮下:長井さん、すごく優しいんです。第1話の収録の時、私はすごく緊張していたので、話しかけてくれて嬉しかったです。そんな優しいところは今も変わっていなくて、今日も、取材があるけど服装は長袖がいいのか半袖がいいのか分からないから両方持っていくって私が言ったら、長井さんが「重たくないですか? 長袖だけでも大丈夫だと思いますよ」って心配してくれて。お母さんかな?って思いました。
長井:お母さんかぁ(笑)。
――<音泉>で配信されている「探偵と助手の【たんもしRADIO】」も一緒にされているので、アフレコだけではない、普段の様子もお互いよく分かっているかと思いますが。
宮下:距離が近づいた感じですね。インタビューとか特番とか、お会いする機会が他のキャストさんより多いので、気兼ねなく話せる関係になりました。
長井は当初オーディオブックを一人で演じると勘違い?
――今回、オーディオブックを2人で担当されたということで、原作、アニメとは違う魅力を引き出されたかと思います。
宮下:アニメにはないシーンのセリフも言えますしね。
長井:そういうセリフは新鮮でしたし、アニメでもあったシーンはアニメでの収録の時のことを思い出したりして。
宮下:「もうちょっとこうすればよかった!」と思っていたところを改善できました(笑)。
――オーディオブックの依頼を受けた時、どう思いましたか?
長井:最初、何を勘違いしたのか、全部自分一人で演じると思っていたんです。女性のキャラもやると思っていて、シエスタと夏凪(渚)とシャル(シャーロット・有坂・アンダーソン)は、まぁ際どいけどイケるかな?って思っていたんですけど、斎川(唯)の女子中学生はちょっとヤバイぞ!って(笑)。
宮下:それはちょっと聞きたくないかもしれない(笑)。
長井:聞きたくないって言うな(笑)。その後、宮下さんと会った時に、「私もやります」という話を聞いてホッとしました。女性キャラも自分がやるつもりでちょっと準備はしていたので、キャビンアテンダントとシエスタと夏凪はできます。
宮下:それは聞いてみたいです(笑)。
――長井さんが地の文と男性キャラ全員、宮下さんが女性キャラ全員を担当しています。
宮下:アニメでは他のキャラをそれぞれの声優さんがしっかりと演じられているので、恐れ多いなと思いながらも、全キャラできる嬉しさでニヤニヤしていました。
――アニメだとシエスタが登場しなくてお休みしていた話数もありましたよね。
宮下:そうなんです。そこも全部できちゃうんです。
――シエスタ以外のキャラを演じる時は、アニメの声を意識したりしましたか?
宮下:自分の中で出来るだけ声質を変えようと思って努力しました。アニメでのそれぞれの声も結構意識して、声優さんたちの雰囲気をちょっとお借りしつつ、私なりの表現で演じさせていただきました。キャラによって感情やテンションが違うので、そこの違いを表現することにかなり気合を入れて臨みました。
――長井さんは地の文とセリフの部分の違いはどのように差別化を?
長井:アニメの時もモノローグがあったりしたので、実はそこまで変化とかをつける必要はなかったですね。ただ、他のキャラを演じるのはちょっと恐れ多いなって。1巻だと、コウモリやカメレオンが登場するんですけど、アニメで演じられていたのが松岡禎丞さんと子安武人さんでしたからね。
宮下:長井さんのコウモリやカメレオンも聴かせていただいたんですけど、違和感なかったです。
長井:うわっ! 嬉しい!! 子安さんに聴いてもらっても大丈夫だと思う?
宮下:大丈夫です!
――一緒にアニメに出演されている声優さんたちにも聴いてほしいですよね?
長井&宮下:そう……ですね(笑)。
長井:どう思われるのか、気になりますね。
――オーディオブックは現在第1巻が発売中ですが、再生時間は7時間半超だとか。
長井:ビックリですよね。出来上がった後でトータル時間を聞いたのですが、「そんなに!」って思いました。
宮下:オーディオブックは別々に収録していたので、どれぐらいの時間になるのか、やっている時は全然分からなくて。
長井:僕は14〜15時間ぐらい収録していたかな?
宮下:私は9時間とか10時間くらいかかったと思います。
長井:僕は今、3巻まで収録が終わっているんですけど、アニメには出てきていないスカーレットというキャラが登場していて、どういう感じで演じたらいいんだろう?とかいろいろ考えたりしました。オーディオブックは8月に1巻が発売されて、9月に2巻、その後も毎月刊行されて、12月には5巻までが発売される予定なので、アニメより先の物語を声で演じられるのも楽しいです。
耳で楽しむコンテンツの増加…二人が今後挑戦したい作品は?
――紙の本や電子書籍からオーディオブックへ。耳で聴くコンテンツも増えてきましたし、作品の楽しみ方も広がっているように思います。
宮下:耳から入ってくるっていうのはすごくいいなって思います。“ながら”でストーリーが追えますからね。長井さんが地の文も読んで下さっているから、すごく想像しやすいですし。
長井:原作片手に聴いても面白いと思いますし、家でも外出中でも、自分の生活スタイルに合わせてどこでも楽しめるというところも魅力的ですね。
――耳で楽しむコンテンツに関して、今後、どんなふうに関わっていきたいですか?
長井:僕が声優を目指すキッカケになったのが、学生の時にボランティアの一環として、子供を見守る時に出会った“読み聞かせ”だったんです。セリフをもらって読み聞かせに参加したんですけど、それが楽しくて。「こういうことに関われたらいいな」と思いました。
宮下:絵本などの読み聞かせをやってみたいなという気持ちがあるので、オーディオブックでそういうことができたらいいですね。“癒し”的なものを聞いてくれる人に与えられたらと思います。
――最後に、オーディオブックの聞きどころと読者へのメッセージをお願いします。
長井:アニメを観てからオーディオブックを聴く、というのも楽しめると思います。アニメでは語られなかったシーンもありますので、伏線になっている部分がより深く楽しめるんじゃないかなと。また、オーディオブックを聴いた後でアニメを観ても、さらなる発見があると思うので、こちらもオススメです。ぜひぜひ、アニメも原作もオーディオブックも、長く楽しんでいただけると嬉しいです。
宮下:とにかくいろんなキャラクターを演じさせていただいているので、アニメの声優さんの良さと、オーディオブックでの私の良さと、どちらも楽しんでいただけたらと思います。3巻以降の、アニメでは描かれていない部分にもいいシーンがたくさんあるので、ぜひ何度でも聴いてください。
(取材・文=田中隆信)
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